「M-1グランプリ」

タンジェントはお笑いが好きで、結構この番組は欠かさず観ていました。

全国のお笑い芸人が出場して、お笑い芸人が採点をして、一番面白い漫才を決める!

この番組でブレイクしたお笑い芸人はたくさんいると思います。

しかし、そんなことを学校で…、と言うよりもクラスで「H-1グランプリ」と称してやっていました。しかも、教員も含めて(笑)

そんな母校生活3年目、タンジェントの2年H組は、そんなクラスでした。

2年目のジンクスを乗り越え、生徒とともにどうにか2年生に進級したタンジェントを待ち受けていたクラスは、

まさにすさまじいお笑い集団でした。

とにかく、「男子が優しくて面白い、女子もまた優しくてその男子を温かく見守っている」一年間を通じて、「優しい」がキーワードのクラスでした。

文化祭でも修学旅行でも、どんな時でも男子が笑わせてくれる、そしてその男子をみながら女子が微笑んでいる、まぁ、毎日がほっこりするクラスでした。もちろん、やりすぎて休み時間で終わらず授業中に「H-1グランプリ」をやってしまうようなクラスでしたが、それでも素敵なメンバーだったと思います。

特に文化祭では縁日をやり、本当にみんながよく協力をし、また成績の悪い生徒を助け合う空気、またなぜか男子数名がおもしろさのために一緒に坊主にする(笑)、修学旅行の夜の点呼では男子が全裸で私を待っていてそれを叱るととてもうれしそうにする…そして何よりそれを許してくれる保護者の方々の理解がありました。

実は当時はクラスの保護者の方々と懇親会を行うことがなんとなく許可されており、私も当時お母様方と外で一緒にお酒をいただきましたが、このクラスの保護者の方々はまさに「寛容」という言葉が当てはまる、本当に素敵な保護者の方たちでした。

まさに、信頼関係が生徒、保護者ともかなりしっかりと築きあげられていたのではないかなぁと言えます。

きっと、このクラスの担任の時、一番私は遊んだと思います。きっと、生徒とたくさんコミュニケーションもとりましたし、時には言い過ぎたりやり過ぎるくらい楽しんだと思います。でも、この年、クレームもご意見も一切ありませんでした。改めて、リレーションの大切さを知る一年となりました。

 

さて、そんな素敵なクラスでしたが、その年タンジェントにとっては忘れられない重大な出来事が3つあります。

一つ目は、クラスの生徒が1名、学校を辞めてしまったことでした。

そんな素敵なクラスだったのになぜ?ここでは詳しくは書きませんが、元々不登校気味で進級をして、休みがちでした。

ただ、私は今でも彼が辞めたことが正しかったのかどうか…悩みます。

タンジェントは、決して学校至上主義ではありません。学校を辞めるということも一つの選択肢だと捉えています。

タンジェントの勤務校は、退学する生徒はあまり多くありません。しかし、3年間と考えると、10名程度はいます。

もちろん、さまざまな理由はありますが、私はその年辞めてしまった生徒が果たしてその生徒のためになったのか…いや、その生徒のためになったと信じています。

 

そして、もうひとつはクラスの生徒にデートDVにあった生徒がいたことでした。

これも、本当に衝撃でした。私は毎日のようにその被害にあった生徒と話し、保護者と連絡をとり、またクラスメートからもたくさんの話を聞きました。

結果的には、デートDVの被害からは逃れ、その生徒、保護者は平穏無事の生活を送ることができました。

また、加害者側も新たな旅立ちをすることができました。しかし、ここでもタンジェントにとって、「何が正しいのか?」

これをものすごく考えるきっかけとなりました。

 

最後に、学年のある生徒の死がありました。これこそ、タンジェントにとって、「学校とは何か?」「先生にできることって一体?」

それらを考えることとなりました。

 

人は何かしらきっかけがないと、なかなか物事を深く、また本質的な議論をしないのではないかなぁと思います。

そのきっかけが、あまり起こってほしくない事柄ばかりでしたが、これらからタンジェントは間違いなくさらに一歩深く考えて

教師という仕事に従事するようになりました。

 

「悲喜交々」

 

教師という仕事は、おそらく他の仕事に比べて「悲喜交々」が多い仕事だと捉えています。

でも、だからこそ悲よりは喜を多く、そして自分はもちろん、目の前の生徒、保護者、地域社会など学校をとりまくすべての人が後悔しないようなフォローを教師ができたらと考えています。

 

「学校とは何か?」「先生とは何か?」

 

改めて捉え直すきっかけを与えてくれたタンジェントの母校生活3年目でした。

そして、いよいよ翌年、タンジェントははじめての卒業生を送り出すこととなります。

タンジェントは卒業式の日をひとつのゴールとして、また新たな一歩を踏み出すこととなります。

キーワードは「何も見ない」。やってしまったんですよね、タンジェントは(笑)