カピタンさんに無自覚の淡い想いがあった私だけど長政さんとのキスでうやむやになったみたいだった。今気になるのは長政さんのことだけ。

 

「長政殿も神子にとっては微妙な相手だと私は思う。確かに天の白虎としての長政殿は頼りになるけれどさ。長政殿は家康殿に与してる方だからね。でも神子は織田の姫、秀信殿は三成とも昵懇の仲だ。場合によっては敵対してしまうかもしれない。そうなったら苦しい想いをすることになるんだよ?」

 

――長政さんと私が敵同士になる?

 

そっかありえない話じゃないんだ。ここは下克上も起こりうる戦国の世なんだから。

 

「・・・はい、そうですよね。・・でも私」

 

思わず長政さんが触れた唇に指先で触れてしまう。

 

長政さんがどんなつもりだったのかはわからない。私自身長政さんのことをどう想っているのかわからないのに・・・

 

キスというよりスキンシップに近い軽く触れ合っただけだけど、嫌じゃなかった。

 

「神子、あんまり深刻に考えない方がいいんじゃないかい?神子が特別な想いを長政殿に抱いているなら私だって応援してあげたいけどさ、長政殿の気まぐれに振り回されるんじゃないよ」

 

 

そっかそうだよね。自分の気持ちだってまだ定まってないのに長政さんの気持ちを考えたって答えなんてでるわけない。

 

別に長政さんに謝って欲しいわけじゃないし許せないわけでもない。

 

ちょっと驚いただけだもの。

 

私よりずっと大人の人なんだしきっと彼にとってはなんでもないことなんだろう。

 

だけど考えてしまう。

 

もし長政さんに本物のキスをされたならどんな感じなんだろうって・・

 

ああ、やっぱり当分長政さんの顔を見られそうもなかった。