東野圭吾の作品でおすすめはたくさんありますが、まだ読んだことがないという奇特な方は「容疑者Xの献身」をおすすめします。

天才物理学者 湯川助教授が難攻不落なミステリーに挑みます。といっても湯川助教授は決して挑むというような熱血漢ではありません。

とてもニヒルでクールでお茶目な湯川ワールドがそこには広がっています。

これまでにもたくさんの理系サスペンスを東野圭吾は書いていますが、とりわけこの作品が脚光を浴びたのには

この湯川ワールドの面白さが評価されたからではないでしょうか。

ミステリーとしても傑作です。タイトルになぜ献身が含まれているのか?単なる献身ではないのですよ(これ以上はネタばらしになるので割愛)。まあ、とにかく私はみなさんに湯川ワールドに触れてほしいと願うばかりです。


以下は湯川ワールドを楽しむための前知識です。理想は容疑者Xの献身を読む前ににどうぞ。

探偵ガリレオ (文春文庫)/東野 圭吾
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予知夢 (文春文庫)/東野 圭吾
¥490
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容疑者Xの献身/東野 圭吾
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「孤高のメス:大鐘稔彦著」を読んでいます。

医療の現場を題材にした小説です。現役医師である著者が当麻鉄彦という主人公を通じて患者のためになる医療とは何かを問いかけている。幼き頃、兄を誤診で亡くし、また大人になってからも最愛の恋人を劇症肝炎で亡くしている過去を持つ当麻鉄彦。兄の死をきっかけに医者になることを決意し、また留学中に恋人の生を奪った劇症肝炎も肝移植であれば救えた可能性があったことを知り、愕然とする。しかし、日本の医療はいわゆる和田寿郎事件(注)以降、欧米に完全に立ち遅れていた。

日本での肝移植など夢のまた夢という時世、そんななかでも当麻は平然と言い放つ、「肝移植で救える命を前にして、肝移植を行える状況が揃えられるなら、たとえ術後に医療裁判にかけられようとも行う」。全国の高名な医者、さらには肝臓移植の権威スターツル教授のもとに押しかけ女房してまで高度医療の技術をモノにする一方、地域の医療のレベルアップがなされることが必要であるとの持論から当麻は帰国後、琵琶湖湖西の民間の甦生病院で働き始める。そこで目の当たりにする日本の医療の現実、そして多くの生と死。

とまあ、背景はこのような感じです。一気に引きこまれてしまいました。当麻鉄彦のようにある種の使命感に突き動かされて生きている人間は素晴らしいと思います。文庫で6巻と分量があるのですが一気に読んでしまいました。

注)1968年8月8日に和田寿郎を主宰とする札幌医科大学胸部外科チームは日本初、世界で30例目となる心臓移植手術を実施。患者は10月に入って一旦、小康状態を発表されるが、手術後83日目の10月29日に食後に痰を詰まらせ長時間にわたる蘇生術の甲斐も無く呼吸不全で死亡。その後、このレシピエントがそもそも心臓移植適応ではなかった可能性やそのほかドナーについても不適切な対応なども明らかになり、和田心臓移植は大阪の漢方医らによってついに刑事告発される。1970年夏に捜査が終了し、告発された殺人罪、業務上過失致死罪、死体損壊罪の全てで嫌疑不十分で不起訴となった。和田心臓移植から再び日本で心臓移植が開始されるまで30有余年が経過し、和田の免疫学を無視したと取られてもやむを得ない、強引な心臓移植手術の強行が日本の心臓移植、ひいては臓器移植の遅滞を招いたとの批判もある。

孤高のメス 第1巻―外科医当麻鉄彦 (1) (幻冬舎文庫 お 25-1)/大鐘 稔彦
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孤高のメス 第2巻―外科医当麻鉄彦 (2) (幻冬舎文庫 お 25-2)/大鐘 稔彦
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孤高のメス―外科医当麻鉄彦 (第4巻)/大鐘 稔彦
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孤高のメス 第5巻―外科医当麻鉄彦 (5) (幻冬舎文庫 お 25-5)/大鐘 稔彦
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孤高のメス 第6巻―外科医当麻鉄彦 (6) (幻冬舎文庫 お 25-6)/大鐘 稔彦
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