群馬へ出張に行ってきました。
東京を除けば地方への出張が多い身。
今回の出張は群馬、上毛高原。

新幹線を乗り継いでの道程、時間にして6時間弱。
ほとんど寝てましたが、愛読書の日経ビジネスと一冊だけ文庫本を読みました。

今回読んだのは「日本をダメにした10の裁判」 著:チームJ
日本をダメにした10の裁判 [日経プレミアシリーズ] (日経プレミアシリーズ 4)/チームJ
¥893
Amazon.co.jp

最近、間接的に裁判の話を聞くにつれ、興味が出てきていたのもあって衝動買いしたものです。
ある先輩が弁護士に「裁判所はどちらが正しいかを判決するところではなくて紛争を治めるところだ」と言われたのを聞き、この手の話に興味が出てきたのが発端です。実はその前にも不可解な判決はうちの社長からも何ケースか聞いており、裁判所不審が増大しておりました(皆さん、テレビに出ている弁護士にテレビに出ているからと言って実力まであるんだと思ったら痛い目にあうかもしれませんよ)。そんななかでタイトルに惹かれて買っちゃた本です。

内容は極めて真面目でした。
時事的な話としては「あなたが痴漢で罰せられる日」、「なぜ無駄な公共工事はなくならないか」
「向井亜紀さん親子は救えるか?」といったところぐらいでした。あとはロッキード事件、東洋酸素事件、東亜ペイント事件、八幡製鉄政治献金事件、寺西裁判官分限事件の話でした。

いずれも考えさせられる内容でしたが、とくに東洋酸素事件で裁判所が示した4要件とその後なぜ正社員として働ける会社が少なくなったのかということに対する回答が結びつくところはへえ~って思いました。ここの局面においては正しいことであっても全体では悪い結果を生む、「合成の誤謬」。こんな言葉はじめて聞きました。勉強になりました。

「公共工事がなぜなくならないか?」。一票の格差が是正されることが解決への糸口になるということも初めて知りました(こちらは不勉強か?)。確かに地方の一票と都市部の一票では重みが違いますよね。人口30万人のなかでの1票と人口150万人のなかでの1票では5倍の重みの差がありますよね。簡単に言えば、都市部の人間が道路工事を減らせと1票入れても、地方の人間が道路を作れと1票入れると都市部の5票分の力を持つんですよね。

地方では総人数が少ないことから議員と有権者との距離が都市部よりもより近いのでより実益的な政策が支持されやすい、つまり公共工事のような政策が支持されやすい。もし地方でも若者が多くて、将来に自分たちに課せられる借金のことを考えこのような政策に反対票を投じればこの流れも止められるのでしょうが、実際には若者は都市部にどんどん流れており、また若者の投票率も低い現状では決して変わらない。

この流れに対抗するにはたとえば都市部の公共工事反対の意を掲げる若者が約5倍ぐらいいて、投票すればいいのですが、若者の投票率の低さのことも考えるとなかなかそうはいかないですよね。この場合、1票の格差をなくせばいいのだけれどもこれまでの最高裁の判決では参議院では5倍ぐらい、衆議院では3倍ぐらいまでは認めているってことも初めて知りましたよ。憲法では1票の価値は平等であるべきとのことですが、実際にはそうではない判例が出ているのも変だなと思ったし、裁判そのものが独立しているという原則がなんとなく周りの事情に流されて保たれていない気がして不安になりました。

たまにはこのような硬い系の読書もいいかなと思った今日この頃でした。