工務店が決まって、本格的に土地探しが出来る様に。以前は物件サイトをチェックしても、目を付けた土地が消えてゆくのをただ眺めるのみでした…
登場人物
私・・・土地探しに勤しむfabris。
妻・・・あまり拘りはないものの、木の家と縁側への憧れがある。30代、低収入。
娘・・・私たち夫婦を下僕としている我が家のご主人様。ネコ種、食っちゃ寝している。
営業1・・・大手不動産営業マン。頼りない。
しかし、改めて土地探しを再開して分かったのは、首都圏では地価の低い千葉県といえど、格安の土地はほとんどが地雷物件という事です。
大半はがけ条例絡みか旗竿地などの接道難で、一見問題のない土地もハザードマップ見ると5mの水没地域みたいな…。やっぱり掘り出し物の土地なんて、そうそうないですよね〜。
そんなある日、目に付いたのは市街化区域にある、36坪程で700万円古屋有りの土地。駅から徒歩18分、スーパーまで徒歩3分。隣地には手入れの形跡がある林があり、眺望も良好です。ハザードマップも問題なし。……これこそ掘り出し物に違いありません。登録日が数ヶ月前だったのは見なかった事にします。
早速不動産屋に見学を申し込みました。
見学日当日、現地まで歩いてみると、周辺はスーパーの他にも喫茶店や飲食店が複数あり、なかなか便利そうな場所です。
現地はゆるい坂の途中に、平坦な区画があるといった感じの場所で、隣地の林は5~8mくらいは平坦ですが、その先は竹が沢山生えた斜面になっている様でした。
不動産屋さんを待つ間、隣地の林を見ていると小鳥達が沢山遊びに来ていました。猫が喜びそうだなあ・・・と妄想していると、妻が「あの杉、倒れて来そうじゃない?」と不吉な事を言い出します。
確かにやたらと細い割に、高々とそびえている…。
「あの杉は南側の家の横にあるから、斜めに倒れて来ない限り大丈夫じゃない?」
「いや、あの杉はヤバい」
「へいへい、その辺も建築士さんに聞いとくよ。」
そうこうしていると不動産屋さんが到着。真面目そうだけど、なんだか頼りない雰囲気の若い子である。とりあえず案内して頂いて、建物内や庭も見せてもらいました。南側は隣家が迫っているものの、東側は視線の抜けもいいし、2階リビングも良さそう。
「ご覧になって如何ですか?」
「広さも充分だし眺望もよいですね」
「この土地は100万円は下げられると思います」
「え、ホントですか」
「ここは売主様の意向で業者はお断りしてまして、引き合いもないので大丈夫です。」
「がけ条例は触れてないですか?」
「測量がまだなんですが、斜面まで距離もあるし、大丈夫だと思いますよ。」
「建築士さんに見て貰いたいので、即決は出来ませんが前向きに検討します」
「いつでも自由に見て頂いて構いませんので、じっくりご検討下さい」
翌日、物件資料を建築士さんに送ると「周辺データでは地盤やインフラも問題無いし、なかなか良さそうな場所ですね。現地は来週確認行きますね。」とのことで、とりあえず一安心。すぐ近くに評判がいい動物病院も見つけて、すっかり住む気満々です。
ところが数日後、不動産屋さんから電話が…。なんでしょう。
「あの土地、業者買い付けが入りそうでして、先日言った値段では難しい状況になりました…」
え…業者に売らない説はどこいった
続く