fabregasさんのブログ -7ページ目

キラ☆キラ③

まず思ったのが自分は鹿が終盤まで好きじゃなかった。境遇には同情するがそれ以上に嫌悪が強かったから。冷めてて無気力でデリカシーが無くて。口に出すのは言われたくない正論と笑えない冗談ばかり。クラスにいたら得体がしれない感じがしてあまり近寄りたくないタイプの人だ。

クラスでは同じに分類される村上はそのゴツい体つきで第一印象が悪いだけで親交を深める程好感が持てるが、鹿は内面を知れば知る程距離をとりたくなる感じ。

冒頭の鹿くんは優しいよね、優しいけど…の続きがそうするのが世間一般の行動と考えてるだけで気持ちが何一つ入ってない、という風に感じられた。

樫原ルートで田舎まで樫原を訪ねる時も行動力の割に言動に煮え切らないものがあるのがイライラした。

悲観的に物事をとらえる割にやれば出来る子のような幼児的万能感を持ってるし。

だから鹿ルートに入ったときの苦痛ったらなかった。バンド活動をしてるのは逃避と惰性で本人にとってその行為に何があるわけでなく。村上やアキの存在で何とか読み進められた。

(つづく)

キラ☆キラ②

そしてエンディング。悲しいことも辛いことも真正面から受け止めての主人公の再出発。別にここから彼らのサクセスストーリーが始まるどころか華のあるボーカルのアキのソロデビューを後押ししてますます売れないバンドマンの道をまっしぐらだ。

でも、彼は恋人とのちゃんとした別離を経て生き生きとしていた。将来のことは見えないが過去に縛られてもいない。今この時を言葉通りはじけながら生きていた。


それを受けてのきらり別エンド。だがおかしい。待ち望んでいたのはこっちのはずなのに何かしっくりこない。きらりは明るく生きていて概ねハッピーエンドのはずなのに。

ここから他の方の感想を見るなどで別視点から作品を補完してこのもやもやをすっきりさせようとしてもやはりうまくいかない。

このあたりから単にいつもの作品のメッセージを読み解くのとは違う自身への解答を求めているのかな、と感じ始めていた。

(つづく)

キラ☆キラ

途中までは気持ちのいい青春ドラマだなあ、と思ってたらくらいました。別のある意味本当の青春まで一緒にパッケージングされてました。

樫原→千絵と進み、個別ルートに入ると旅の最終地点が変わることを知り、
『きらりルートだとバンド色全開だろうなあ。』
とバンドの青春ものの描写が楽しく感じていた分かなり期待して読み進めてました。実際BECKのような無敵感を思わせるライブは良かった。これからきらりのサクセスストーリーが始まるのだと7割がた思ってました。


…そう、このとき私はこの作品のライターさんがどんな属性の人物かをよく知らなかったのです。他の2人で重いテーマを扱ってても救いのあるエンドがそれを覆い隠していました。

だが、きらりルートだけは違う。
最初自分が何か選択肢間違えたかな、と感じてました。RPGで判断を誤って全滅してしまったような。けど延々と続くテキストにああ、これは正当エンドなんだな、と感じるに従って絶望に支配されていきました。
何でこんな悪い夢が続くんだ?きらりはすごくいい子で、登場人物の誰よりも生への喜びに溢れてたのに。それに主人公のこんな姿見て一体誰が喜ぶんだよ!と別ルートがあることを望みながら読み進めてました。

(つづく)