かつてフジファブリックのアルバム『STAR』を聴いたとき、その中の1曲『パレード』の、
わくわく、キラキラした恋愛模様、あっけらかんとしたリア充っぷりに、
おーっ!!となったことがありました。

こ、これは、今までにないフジだぞ、と……。

以来、一味ちがった恋愛ドラマを感じさせる個性的なラブソングは、
私の大好きな彼らの持ち味のひとつとなっていました。
例えば『自分勝手エモーション』『しかたがないね』、新しくは『シャリー』のような。


そんな彼らが満を持して(?)作り上げた、コンセプト・ミニアルバム『BOYS』。
ずばり、テーマはLOVE。否が応でも期待は高まります。

そして、聴いてみてびっくり。
期待以上に楽しい。聴いててひたすら楽しい!!

単純にラブラブした歌を作るほど甘い(?)彼らではなく、
描かれている恋愛模様は、どれもなかなかに大変そうなのですが、
アンハッピーな感じはぜんぜんしません。
LOVEを求めてやまない、そしてめげない男の子たちの奮闘ぶりに、
手に汗握り(?)、拍手を送りたくなる。

さらには、サウンドの充実っぷりもこれまで以上にハンパないです。
驚くほど多様な音が、みっしり、ずっしり、つまっていて、
音を作ることが楽しくてしょうがないって感じが、どの曲からもビシバシと伝わってくる。

フジファブリックのファンであることの贅沢を、
しみじみとかみしめたくなるようなアルバムに仕上がっていました。



『Green Bird』
ドラマティックなストリングスの音色を皮切りに、たくさんの音が次々に溢れ出し、
わーっと押し寄せてくるようなアレンジに、心を持っていかれます。
恋をなくした男の子の気持ちが胸に迫って、ひたすら切ない。
きれいで壮大なメロディーと、ソウくんのひたむきな歌声がまた、いいんだなあ。

フジファブリック初、アニメーションのMV。メルヘンな内容と思いきや、いきなりの「相撲」にびっくり。




『夢見るルーザー』
ガリガリと格好良くひずんだギターリフ。ユーモア感溢れるスピーディーなアレンジ。
そしてソウくんの、ちょっととぼけた感じのボーカルが、ぴったりはまった曲。
「ルールばっか気にしちゃだめよー」の「よー」が私的にはお気に入りです(細かい)。
それにしても『夢見るルーザー(負け犬)』ってタイトル、可愛すぎます。

これもまたフジファブリック初?  どアップばかりのMV。皆さんアップに耐える男前です。肌がきれいで羨ましい。




『夏の大三角関係』
華やかなロングトーン…からの渋いアコギのカッティング…からの、まさかの80年代ディスコ調。
贅沢過ぎるイントロがタダモノではない感じを醸し出してますが、ほんと、タダモノではない曲です。
特に、めっちゃノリが良いのに溢れるストーリー性までも感じさせる歌詞が最高。
非常に気になるところで終わってますが、私はいつも妄想が暴走してしまい、
その後夜店で大乱闘→ボロボロになって「いつもの仲間」と友情再確認しつつラストの花火を観賞。
みたいな、ほろ苦くもさわやかな結末を勝手に想像してます。



『マボロシの街』
五曲の中では比較的シンプルなエイトビートのミディアム・ナンバーですが、
そのシンプルさゆえに深い印象が残る曲。
爽やかな疾走感、ちょっぴり寂しくなってしまうほどの清涼感。
聴いてると、懐かしいような、甘酸っぱい気持ちにさせられます。
「創造主は この僕でした」という、俯瞰してる感じの歌詞が、やっぱり加藤さんっぽくて素敵。



『ALONE ALONE ALONE』
おっ、最後はやっぱり壮大系のバラードでしめるんだねぇ、と思っていたら、
すぐに一転、超アップテンポのエイトビート。
間にはまさかのラップも入って、息もつかせぬ展開で、あっという間にラストまで連れてかれます。
ちょっと和風なギターリフとアレンジが格好いい。
失恋ソングのはずなのに、ひたすらパワフルで前向き。元気になれる曲です。



さて、こうなると楽しみなのが、次にリリースされる『GIRLS』。
『BOYS』は、ちょっとイメージできたけれど、今度は『GIRLS』。想像がつきません。
どんなアルバムになるんだろう。ワクワクです。