消え行く記憶の中で覚えているのは、私はトシとのアパート生活にピリオドを打ち、一人暮らしを始めた。
トシに彼女ができたようで頻繁にアパートへ来るようになったので私は「引っ越そうかと思うんだけど」気を使い何気なく言ってみた。
勿論、軽やかな返答。
そして私はダウンタウンの外れにある「Newtel Motel」と言うモーテルに移り住んだのである。
いわゆるモーテル暮らしだ。
アパートで使っていたベッドは階下のタケルに譲り、それ以外は自分の車で運べるサイズの家財しか持っていなかったので非常に楽な引っ越しであった。
賃料は$500(水道光熱費込)、ベッド(クイーンサイズ)、TV,冷蔵庫、クローゼット、タンス、コンロ付き。
週に2~3回メイドが掃除をしてくれてフェイスタオル、バスタオルは毎日新しい物を使える。
非常に快適な環境であった。ただ、バスタブが無くシャワーのみというのが日本人には辛いところか・・・
場所的には非常に危ない地域なのだが駐車場にも警備員が24時間常駐しているので飲み屋から帰ってくる午前2時過ぎでも安全だった。
そもそも何故こんな危ない地域を選んだかと言うと、バンブー5に近いからだ。車で6~7分で行かれる距離なのだ。
人生がバンブー5を中心に回り始めている様だ。
住居をダウンタウンに移したので生活パターンはウエストウッドの「遊」ではなくリトル東京の「こう楽」と言うラーメン屋から「バンブー5」と言うパターンになった。

この「こう楽」と言うラーメン屋、ラーメンは勿論、定食類も豊富で色々な物が食べられる。味が美味しいとは思えないがヤモメ生活の私には打って付けの場所だった。
また、営業時間も夜中の3時までオープンしているので飲んだ帰りに寄ってもOKであった。
ほぼ毎日のようにバンブー5へ顔を出しているとお店の従業員も曜日毎に変わるお客さんも顔なじみになってくる。そこでケイコさんという1人の女性と知り合いになった。
年の頃で私より一回り以上上であろうか・・・
某銀行に勤められている方でカウンター・バーで顔を合わせる事が多かったがカラオケを歌うこともあった。
ケイコさんと親しくなり(変な意味ではない)一緒に飲んでいると、来る客ほとんどがケイコさんの知り合いなのだ。
今思えばこの方、非常に顔の広い方だったと思う。そこで色々な方を紹介され友達の輪が広がっていった。

