こんにちは、お笑いコンビ「ふぁのシャープ」のオーボエ吹いてる方、わたなべオーケストラです♪
大変お恥ずかしいお話なのですが、私「映画」が苦手なんです。
『6回』
これは私が30年間生きてきて「映画館で映画を観た」回数です。少なすぎ。
金曜ロードショーとかレンタルとか。映画館に足を運ばずとも映画観る機会なんていくらでもあると思います。でもなーんかほとんど観たことないんです。なーんか観るモチベーションが湧かないんです。映画をみるという文化が根付かないままこんな歳になってしまったなんともつまらない人間です。
吹奏楽をやっていると、映画音楽やその作品を題材としたメドレー曲などを演奏する機会がめちゃくちゃあります。ディズニー・ジブリ作品はもちろん、知識のない私は全く聞いたことないタイトルの曲まで幅広く。
周りの人が「この曲懐かしいね〜」「あの映画いいよね〜」と感想を口にするなか、私は心の中でただただ、(いい曲だなぁ〜) と思うのみ。なんなら初めて聞いたそのいい曲を演奏しただけで満足し、映画観た気にすらなってしまうのだから愚かなもんです。
しかし、そんな映画音楽の曲が演奏会のプログラムに組み込まれることになった際、必ずといっていいほど指導者の方が口にするのが
「この映画を観たことがない人は本番までに一度みてください」
の一言。実際の作品を観た方が曲のイメージとか世界観がつかめるから。どういうシーンでこの曲が使われているのか、原曲はどういう感じで演奏されているのか知った方が、実際の演奏に活かせるからというまったく理にかなったアドバイスです。
そんな時私は実際の映画作品…ではなくその作品の『ウィキペディア』をみます。それで作品の概要だけ察します。理由はなーんか観るモチベーションが湧かないからです。これまで出会った指導者の皆様、本当にごめんなさい。
私が大学四年生の時の話です。
当時の吹奏楽部ではステージドリル(マーチングのショーみたいなもの)も行なっていて、その年の演奏会のステージのテーマが「タイタニック」でした。もちろん当時の私は観たことがありませんし、もちろん「みてください」と言われました。私はウィキペディアをみました。ごめんなさい。
タイタニックをモチーフに描かれたそのステージはとてもとても感動的で素晴らしいものになったと思います。大学生活最後の演奏会であったこともありとても印象に残っています。
私はその本番を経てタイタニックを観た気になりました。愚かなもんです。
それから9年後の現在。
なんだか寝付けなかったその夜、適当にテレビのチャンネルを回していると、ちょうど深夜テレビの映画枠が始まるところでした。なんと「タイタニック」 … 9年前の記憶が蘇ります。
ウィキペディアもみた。大まかなストーリーは把握している。とても素晴らしい曲だった。感動的なステージだった。けど実際はどんな作品なんだろう? 期待に胸を膨らませて私はタイタニックを観ることにしました。
『思ってたのと違う』
何故だ…そんな馬鹿な…感動的な作品のはずじゃ…一筋の涙も流れないなんて…。
いやきっと本来そういう作品のはず…。誰もが感動する名作であるはず…。 ただ私の9年間の期待や妄想、ウィキペディアや周りからの情報、思い出補正などがかかりまくった結果、満を持して観た本家作品が『ハードルを越えてこなかった』のです。全部自分が悪いのです。
思えばこういうことが多々ある。
映画を全然知らない私に周りの人が渾身のプレゼンでいろんな作品をおすすめしてくれる。こんな私に、本当に有難い話だ。しかし愚かな私はなんかすぐに観る気にならない。「いいから観なよ!すごい感動するよ!」前回を上回る渾身のプレゼンでもう一回勧めてくれる。ハードルがあがる。意を決して観る。『思ってたのと違う』
こうなる。
セカチューもアルマゲドンもあの花も…。この流れで観た結果、全然感動することが出来なかった。
先日金曜ロードショーで初めてちゃんとアラジンをみた。このタイミングでまさかのアニメの方デビューである。ディズニー作品は本当に曲が素晴らしい。曲から世界観が伝わってくるようだ。これまで幾度となく曲を聴き、演奏し、ようやく実際に目にした世界観は『思ってたのと違った』
思い立ったが吉日とはよく言ったものだ。何事も寝かしすぎはよくないんだろう。月日は知らず知らずのうちにハードルばかりをあげてしまう。そのハードルは早いうちに飛ばないと越えられない。
きっと、勧められたタイミングですぐ本家作品をみるべきなんだろう。ウィキペディアなんかみてる場合じゃない。それができない私は映画観ることが向いていないのかもしれない。お好きな方からしたらどんだけ人生損してるんだよと思われるだろう。
しかし、映画以外でこの状態を味わうことになるとは思わなかった。