更には2024年現在に至るまで「スーパーロボット大戦」(以下、スパロボ)参戦も余り果たせていない有様。とかく「不遇・残念な作品」と言うのが、本作専らの総評となっています。
開封してみると、相も変わらずギッシリかつ完成形のイメージが浮かぶ適度なパーツ分割&数。
この二色刷って、80年代当時の合金玩具の合体変形説明書の基本フォーマットなんすよ。これは完成後の楽しみとして「敢えて」後読みするとして…(※伏線)。
【01】「ミーハー」かつ「ユルい」ツボを押さえたリアルロボット物
【02】時代を先取りニューパワー。制作は「あの」国際映画社が担当
【03】キャラクターデザインに「たがみ よしひさ」氏を採用
そんな80年代中盤当時の状況・事情を「極めて個人的な備忘録」として、本キット作成の合間に書き散らかしてみようと思います。
純粋なキットレビューのみをご所望な皆様には誠に申し訳ない気持ちで一杯なのですが、こんな有様ですのでブラウザバック推奨。このまま読み続けるにしても「ーーー」まで飛ばして頂けますとこれ幸い。備忘録だから仕方ないね。
何しろとうの昔に完結した本作ですので、ネタバレ前提・当時のライブ感を直接お届けすべく敢えていつもの裏付無・特定個人&団体への非難の欠片も無い、愛故のお気楽極楽与太話。
それでも知ってもらう事で見方が変わり、より「楽しく(カッコ良く)見る」事が出来るかも?…だといいな。という訳で、何卒お時間のある方は寛容にお付き合い下さい…それでは、どうぞ!
そもそも何故本作が「そこそこ」の期待を持っていたのか?それを実を以て証明してくれる超一級の資料が存在します。放映直前に各玩具・模型店にて配布された「超時空騎団サザンクロス/超攻速ガルビオン ミニカタログ」(以下、本書)です。
ただブーム故に年間50タイトル以上の情報全てを付録攻勢を持ってしても網羅する事敵わず、已む無く「玩具・模型」メーカーが「タミヤニュース」(1967)・「ホビージャパン」(1969)体裁の「ホビー誌」を刊行する事で、主に「リアルロボット」タイトルの最新情報を補完しておりました。
その流れで刊行された本書が、ガキ共の懐にも優しい50〜100円(時に無料!)という安価さ・過不足無い世界観&メカ&キャラ解説・今後の商品ラインナップ展開等、ワクワクする構成で本作への期待感を煽るに煽っていたのです。
本書を踏まえ、まずは「【01】良い意味で「ユルい」ツボを押さえたリアルロボット物」から。当時の元気有り余る小中学生男子(以下、ガキ)時は全く自覚していませんでしたが…
今思うと、毎年毎シーズン発表される大量かつハードかつストイックな「リアルロボット」作品群に対してかなりの精神的負担(疲労)を感じていたように思います。
その始祖たる「機動戦士ガンダム」(1978)のスペースコロニーを始めとし、バッフ・クランとか惑星ゾラとかデロイア政権とかアストラギウス銀河とか…
新作発表される度に、まずはその全く新しい異世界設定を0から認識しなければならず、更に多数登場するキャラを覚え、その後ようやく「リアルロボット」各種のスペックを把握しなくちゃならなかったから。
何より「リアルロボット」の新たなカッコ良さの個性「癖(へき)」にも随時順応しないといけませんでした。
「太陽の牙ダグラム」(1981)・「機甲創世記モスピーダ」(1983。以下モスピーダ)の「顔が無い」コクピット型頭部、更にエッジを効かせ「鉄の棺桶」と化した「装甲騎兵ボトムズ」、「聖戦士ダンバイン」(1983)の「虫」をモチーフとした生態系デザイン等々。
こうなるとガキ共も内心薄々と、とある方向に気持ちが傾きつつある事を自覚せざるを得ません…つまりは。
「異世界」も良いけど、そろそろ自分達が実際に住んでる「現実世界≒現代日本」(せめて、それがイメージし易い近未来)を舞台に暴れ回わる、無難にカッコ良い「リアルロボット物」が見たい!(※)。
※…「超時空要塞マクロス」(1982。以下、マクロス)はこの点においても画期的で、異星の超科学「オーバーテクノロジー・オブ・マクロス」(以下、O.T.)というたった一つのキーワードで、近未来の現実世界≒横浜中華街(イメージの街並み)に「リアルロボット」を出現させてくれています。
ガキなりに贅沢な要望なのは百も承知だったのですが、当時イケイケだった各種クリエイター陣から繰り出される余りに隙の無いハードかつストイックな独自設定&異世界観ラッシュに、半ばノックアウト寸前だったのです(※)。
※…「特装機兵ドルバック」(1983)、「蒼き流星SPTレイズナー」「メガゾーン23」(1985)や「機甲戦記ドラグナー」(1987)等で大分「近未来の現実世界」に歩み寄ってくれていた事からも、この感覚は制作側にも共有されていたように思います。
バリヤーで飛行制限され「車社会」となった地球において、私設警察チーム「サーカス」の無宇(ムウ)&麻矢(マヤ)コンビ(いわゆるバディ物)が、新鋭マシン「サーカスI・ガルビオン」を駆り、世界征服を企む秘密組織シャドウに挑む!というのが本作の大筋な訳ですが…
モータリゼーションの成長著しい80年代当時の現代日本を体感していたガキ共にとって(※)、本作の親和性・現代社会に近い設定という「敷居の低さ≒ユルさ」は、実に良くスーッと馴染みました。
※…何しろあの「スーパーカーブーム」世代ですから。尤も当時は「第二次バイクブーム」真っ盛りでしたが。そして、後年の「F1ブーム」に繋がる、と。
更に、当時の「リアルロボット」物の流行・売れるツボ(条件)、良い意味での「ミーハーさ」をも的確に押さえておりました。まずは「実在するビーグル」をモチーフとした変型ロボの採用です。
戦闘機(F-14トムキャット)を基としたマクロスの「VF-1バルキリー」に始まり、バイク(GSX1100Sカタナ)を基としたモスピーダの「VR-052F/Tライドアーマー」等…
本作の主役ロボ「サーカスI・ガルビオン」は、スーパーカーブームの一端を担いながらも短命に終わった「シルエット・フォーミュラ」(グループ5)と入れ替わり立ち上がった「プロトタイプ・カー」(グループC)をモチーフとしています。
更には「軍用ロボ(戦闘用)=メタルバトラー」のみならず「一般向汎用ロボ(作業用)=ロードマシンナー」設定を採用する事で、普通に巨大ロボが闊歩する世界観を作り出します。
リアルロボット物の中では「戦闘メカザブングル」(1982)の「ウォーカーマシン(以下、WM)」から提唱された技法となりますが、本作には「社会・交通システムの治安用に配置された単座機動ロボット」として、様々なロードマシンナー(チェイサー)シリーズが登場します。
そう。「機動戦士ガンダム〜逆襲のシャア」(1988)を以て一区切りを迎えたはずの「リアルロボット」ムーブ。がその直後、
「自分達が実際に住んでる「現実世界≒現代日本」(せめて、それがイメージし易い近未来)を舞台に暴れ回る、素直にカッコ良い「リアルロボット物」が見たい!」
これらメカニックを取り纏めていたのが、後に「忍者戦士飛影」(1985)・「装鬼兵MDガイスト」(1986兼監督)・「鋼の鬼」(1987)等の「人の業を背負った禍々しいデザイン」を続々と世に放つ事となる「大畑晃一」氏。
この当時の時代性に合った「ユルさ」と「ミーハーさ」の両立こそ「【02】時代を先取りニューパワー。制作は「あの」国際映画社が担当」する意義そのモノだったのです。
当時のアニメファン。特に男子向けタイトルに対し、国際映画社には他アニメ会社と異なる明確な指針、制作意図が有りました。
それは「アメリカの若者向けドラマ」で日常シーンでもアクションシーンでも当たり前にやりとりされる、粋でいなせな会話のやりとり「軽妙なセンス」を意識して制作していた事。
言わばライトかつスタイリッシュな「トレンディドラマ」を、アニメで先駆けて実現しようとしていた訳です(※)。
※…ほぼ時同じくして「特捜刑事マイアミ・バイス」「超音速攻撃ヘリエアーウルフ」(1984)、「ナイトライダー」(1987)等の海外ドラマが再び注目される時期でもありました。
この実現化のため、国際映画社は積極的に外部スタッフの導入を行います。
劇場版「銀河鉄道999」(1979)等、東映動画を主戦場とし「シブい」作画が魅力の小松原一男氏を採用した「銀河旋風ブライガー」(1981)以降のJ9-3部作。
「魔境伝説アクロバンチ」(1982)では、当時「萌え」の最先端ながら「艶と華」のある作画で評判を呼んでいたカナメプロのいのまたむつみ氏を採用。
その流れから、本作において「【03】キャラクターデザインに「たがみ よしひさ」氏を採用」する事になったのです。
当時全盛期だったサブカルチャー誌。中でも「ぱふ」「だっくす」「ふゅーじょんぷろだくと」等の漫画専門誌において、圧倒的描写力を持つ新進気鋭の若手3大漫画家として良く取り上げられていたのが
①「童夢」(1980)の大友克洋氏
②「Dr.スランプ」(1980)の鳥山明氏
そして、
③「軽井沢シンドローム」(1981。以下、軽シン)のたがみよしひさ氏
彼ら3人に共通していたのは、メカへの造詣が深く、アクション描写はおろかオリジナルデザインまで難なくこなす高い筆致力。
どの位かと言うと、当時はおろか令和の今はなおセンシティブとされる「性のコミュニケーション(一言で言うとS◯X)」すらサラリとこなしてしまう程。
「カーンチ、S◯Xしよっ!」でお馴染み柴門ふみ氏原作「東京ラブストーリー」(1988)が提唱したとされる「開放的な性」を、同じ掲載誌で数年以上も前に実施済。その先駆け度合も相当な物だったのです(※)。
※…尤もそのお陰で、個人的には「我が家で初めてエ◯本認定された本」という不名誉な記憶も。ネット全盛な現在では絶滅危惧の概念ですが(※※)。
※※…親から「そのままだが生暖かい目で見られる」「綺麗に机上に並べられる」「問答無用で捨てられる」の3択中、ウチは断然最後。「ちっ、ちげーし!エ◯じゃねーし!」ってテンプレな大喧嘩後、2度も単行本を買い直す羽目になりましたとさ。
その割に「艶気のある男性キャラ」「自立したカッコ良い女性キャラ」「カワイイSD描写」で、女性ファンが極めて多かった事も特徴の1つ。
まさに国際映画社の望む「ユルさ」と「ミーハーさ」を兼ね備えていたたがみ氏。でも、当時の仕事量は尋常ならざるモノでした。
軽シンのみならず「我が名は狼」(1982)・「フェダーイン〜戦士」(1983)その他諸々、連載・不定期・読切作品を引っ切り無しに発表していた時期。
70年代以前の石森章太郎氏・永井豪氏・松本零士氏・聖悠紀氏等はともかく、当時の漫画家がキャラクター原案を務める場合、その画稿その物が公開される事の方が異例だったにも関わらず…
※…当時だとニヒルでシャイ・今で言うとツンデレなたがみ氏は、背景のお遊びで「今季のロボ物新番組」についてコメントを寄せる事でも有名でした(※※)。
※※…本作放映頃に発表されたコレ。一見キャラの小競合いを「銃&盾」で誇張表現しているだけに見えますが、実は「重戦機エルガイム」(1984)より「銀河漂流バイファム」(1983)の方が好みと言うアピール。でもどっちもお好きなはずなんすよ、でなければ忙しくてそもそも描かないでしょうし(※※※)。
さて、ここでもう一つご注目。本作の持つ「カーアクション」「刑事(デカ)」「バディ物」「トレンディドラマ」という4大要素…どこか既視感がありませんか?
尤も、本作を「早過ぎた名作」とは口が裂けても言えません。あくまで「先駆け」止まり。この微妙な感覚を共有するためにも、最後にこの方の紹介をさせて下さい。
「国際映画社」ならではの「ユルさ」と「ミーハーさ」を併せ持つ独特のテイスト。これを見事に音楽を以て体現して見せたのが「天才」シンガーソングライター「山本正之氏」です。
個人的に、山本氏の「天才」性に関して思い知らされた機会が過去2回ほど有りました。
もう一つは社会人(アニメ関係者)になってから。今となっては嘘か真かはトンと判断も付きませんが、当時を知る関係者から以下の話を聞かされた時です。
彼はその時、国際映画社関連の各タイトルに1行説明を付けてみろ。と言いました。例えば「惑星ロボダンガードA」(1977)なら「宇宙版巨人の星なスーパーロボット物」、「戦闘メカザブングル」(1982)なら「マカロニウェスタン風なリアルロボット物」みたいな感じです。
・銀河旋風ブライガー(1981)
…宇宙SF必殺(J9)シリーズのスーパーロボット物
・魔境伝説アクロバンチ(1982)
…宇宙古代文明探索ファミリーのスーパーロボット物
・おちゃめ神物語コロコロポロン(1982)※
…おちゃめな神達の愉快な物語
・亜空大作戦スラングル(1983)
…未来都市非合法防衛部隊のリアルロボット物
・ななこSOS(1983)※
…すーぱーがーるかんぱにーの超能力少女ギャグ
※…当時の「ロリコン」、今で言う「萌え」の元祖「吾妻ひでお」氏を採用。ここにも「ユルさ」と「ミーハーさ」を併せ持つ国際映画社らしさが伺えます。
ザッと出してみた処、今度はこう曰います。
「もしお前が作詞作曲家に発注するとして、このOP/EDをどう依頼する?」
その瞬間、定番に収まらない「イカれた」もといイカした企画が故「定番の曲作りノウハウが全く通用しない」事に気が付かされます。
…尤も?実際に作詞作曲を行うのは「企画が完全に固まってから」のお話な訳だから、そこからイメージを拡げる形で作詞作曲をお願いするのは有りなんじゃないかな?大変だとは思うけど。
処が彼は曰います。違う、ここまでは多かれ少なかれどのアニメ会社もかいくぐって来てる。真にスゴいのはここからだ、と。
当時は「アニメブーム」「リアルロボットムーブ」の真っ只中だと先に書きました…どの位かと言うと、毎週放送されている「定番枠」のみならず、春夏冬休み時にたった一回のみ放映される劇場クラスの「スペシャル番組(※)」も頻繁に放映されていた程。
※…有名なのが「ニッセイファミリースペシャル」で放映された、あだち充氏原作「ナイン」シリーズ(1983)。後にほぼ同じ座組のまま「定番枠」となったのが、あの「南ちゃんを探せ」ブームを巻き起こした「タッチ」(1985にアニメ化)となります。
その裏では、放映局付番組プロデューサーの胸先三寸で次々とアニメ化の正否が成されていた時期。練りに練った企画があっさりボツを食らう傍ら、ポッと出の企画が突発的に採用される事もまた然り。
「国際映画社」真の強みとは、この「定番枠」チャンスを超ハイペースでモノにしてきた貪欲さ「プロデュース力」?(※)だと言うのです。そして、この時の決まり文句がこう。
※…これについては今だに「営業力(もしくは幸運度)」が正しい言い方じゃないの?と思ってます。絶対プロデュース力なんかじゃないよコレ。
「じゃ、次シーズンからヨロシク!」
この場合の1シーズン、当然1年なんて悠長なモノではありません。最悪の場合1クール≒3ヶ月以内に、まだ形にもなっていない「企画」を「番組」という形にでっち上げるという「無茶振り」に応えなければならない事になります。
となると今度は「ディレクション力」が問われる事となる訳ですが…「企画」ましてや設定なんてのは「番組」になるまで二転三転するモノ。最初に確定するのはせいぜい商品名絡みのキーワード、タイトル&各種ネーミング位。という事は、間近に見てきたが故すぐに理解出来ました。
問題なのは「その末端となる現場に話が行くのは何時頃か?」という話になる訳ですが…ま、まさか?!
「詳細設定未定、辛うじて決定した幾つかのキーワードだけでOP&EDを作詞作曲完パケして下さい。ただし、1か月未満で!」
そんな発注したくないよ!ましてや立て続けに何件も?でも…でも!心当たりが、有り過ぎる!!
※…そして、当時の国際映画社オリジナル企画・脚本・作詞家だった山本優氏もスゴさも。
※…ちなみに当時、本作のOP&EDが最も「ハマる」とされる漫画がありました…「軽井沢シンドローム」の「暴走族抗争編」がそれ。もしお手元にありましたら、一度騙されたと思ってOP&EDを掛けながら読んでみて下さい。
さて。このお話は、あくまで「音楽」方面でのお話でしかありません。では実際の「アニメ制作現場」はどんな状況だったのでしょうか。
国際映画社の良い意味での「ユルさ」と先に書きましたが、実はこの言葉。相反する意味での「ユルさ」をも内包する、言わば「諸刃の剣」でもありました。
というのも、時代への適合というレスポンスの良さに反比例し、悪い意味での「制作体制のユルさ」が、特に当時の歯に衣着せぬアニメ誌に指摘されていたからです。
例えば「日本サンライズ(現サンライズ)」にしても「東映動画(現東映アニメーション)」にしても「葦プロ」にしても、重要話(※)においては必ず最高のスタッフを投入し全力を以て「ハイクオリティ」な魅せ方を披露していました。
※…「掴み」の1話、「物語転換期≒新メカ登場回」のクール〆話、「〆」の最終話など。
処が「国際映画社」については必ずしもその限りで無く、何の脈絡も無い処で「最高のスタッフ」が投入されたり、肝心要の重要話に限って「海外の外注スタッフ」が配されたり。
かように「制作体制(スタッフ配置)のリソース配分」が上手くいってない事は明白で、制作意図に期待した当時のファンは「作品の当たりハズレ」の行末をヤキモキしながら見守っていたのです。
これは本作のみならず「粋でいなせな会話のやりとり」「軽妙なセンス」を意識し制作していた国際映画社作品のほぼ全てに深刻な影響を及ぼします。
ザックリ説明すると…例えば「軽妙なセンス」が「シリアス/ユーモア」のトータルバランス7対3で成立するとします。総合演出が全体を隈無く見渡す事で、この絶妙なトータルバランスをどう微調整・維持するかが要となる訳ですが…
「制作体制(スタッフ配置)のリソース配分」が上手くいってない場合、最初からトータルバランスが破綻する事になります。
「当時の作画レベルが」とかいうお話では決してありません。他社の例えで申し訳ないのですが「タツノコプロ」作品「宇宙の騎士テッカマン」(1975)に登場する「アンドロー梅田」は、「軽妙なセンス」をかなり良い処まで実現化出来ている好例だと思っています。
処が「制作体制(スタッフ配置)のリソース配分」が最初から上手くいってない場合、特に手が回らず「海外の外注スタッフ」に任せると、ニュアンスを一切汲み取る事無く一律カートゥーン風に作画されてしまいます。
つまり同社同年なら「タイムボカン」の「グロッキー」として作画されてしまう訳で…これでは声優さんも過剰におチャラけて演じざるを得ず、「ユーモア」では無く最早「ギャグ」。悪い意味での「ユルさ」が本作の最後辺りまで続く事になります。
それでも、中盤を過ぎ話が核心に入り始めてからは少しずつ作画も安定。新たな変型バンクもお披露目され、このまま最終回まで行けばそれなりの評価を受ける事も出来たはず。
そんな矢先です…本作が唐突に「打ち切り」をむかえる事となったのは。
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早る気持ちを抑えつつ店のおばちゃんに話を聞くと、倒産した玩具メーカーのデッドストックが放出されたので安く仕入れて来たとか何とか…思わずワンフェス仲間と顔を見合わせます。
当時まだ始まったばかりの自動車レース最新カテゴリー「プロトタイプ・カー」(グループC)をモチーフとした「サーカスⅠ」です。
この大胆なパーツ構成により、設定画さながらの流麗なプロポーションを獲得した当キット。
ここまで来ると、第二形態「ロードアタッカー」もサクッと完成します。
さて。これまでプラモを作成する時のBGV・BGMとして、そのプラモに関係する元ネタベストやBGM集を流していたのですが。
ネタバレ前提・当時のライブ感を直接お届けすべく敢えていつもの裏付無・特定個人&団体への非難の欠片も無い、何時もの愛故のお気楽極楽与太話。お時間に余裕のある方だけ寛容にお付き合い下さい…それでは、どうぞ!
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④音楽販売・イベントメーカー
「帰ってきたウルトラマン」・「仮面ライダー」(1972)等の第二次特撮ブーム作品群は明確に「キャラクターマーチャンダイジング前提」のコンテンツとして扱われていました。
④その他関連商品販売メーカー(自転車・凧・浮輪等)
⑤文房具販売メーカー(大体セイカorショウワノート)
「提供枠」時のナレーションが「この番組は、おもちゃの①。②・③。その他(④⑤)の提供でお送りします」に。最も露骨に「優先順位」が出るのが「CM枠数=CM放映時間」。その比率おおよそ「①:②③:④⑤≒3:2:1」と言った処でしょうか(※)。
その後は皆さんご存知の通りバルキリーが大ヒット。いわゆる「バルキリーショック」により「TV-CM」構成も早々に「キャラクターモデル」中心へと切替わり、更には3クールで3回ものCM更新(しかも特撮度合アップ≒製作費もアップ)。
「バルキリーショック」によるタカトクの舞い上がりっぷりが目に見えて伝わってきます…尤もこれが、本作途中の倒産騒動に繋がっていく訳ですが。
2019年。そのバンダイがとあるビッグプロジェクトを高らかに宣言します…玩具とプラモの初コラボ「蒼流&AOI」2020年2月、発売!
ナレーションとテロップが「無」なだけで大騒ぎな訳ですから、その「ミステリー」度たるや比べるべくもありません。とは言え「無」を伝えるのは至難の技。
一応、最もその感覚が伝わる例も有るにはあるんだけど、これすら今の10代には全く伝わらないだろうなあ。何より倫理面であまり良い例えとは言えないし…ま、いいか。言っちゃえ。
アレですよアレ、いわゆる311の「ポポポポーン♪」がひたすら流れ続けていたあの時の感覚。尤も「ポポポポーン♪」は、他チャンネルも時間も関係無しに流れていたからこその「ショック」でしたから、
「トンチキマクロCM」第二弾として再びファンを騒然とさせた「味、おぼえていますか」でお馴染み、当時としては珍しい「すかいら〜く×劇場版マクロス」コラボキャンペーンCMがそれです。
特に15 秒Ver.をそのまま間延びもとい拡大させた30秒Ver.があまりに絶妙な間を提供してくるため、友人らと見るたびこんなツッコみをしまくりました。
「味、おぼえていますか?」
→何腑抜けた事言ってんねんミンメイ!タカトク潰れとんのやぞ?!
「いや、僕…覚えています!」
→そーだ輝よーく覚えとけ?打ち切られたガルビオンの事をよ?!「また連れてって…美味しかったわ!」
→ちっとも上手くなんかないわ、玩具でもプラモでも良いから、さっさと劇場版モデル出せやぁーっ?!「すかいら、ぁ〜くっ♪」
→やっぱおかしいってこのCMっ!おいそこの鳥、せめて(劇場版バルキリーの)ストライクパック付けて出直してこいっ!!(無茶振り)もう荒れ捲り。こんな具合なので、自分の中のガルビオンの印象は、タカトクトイス繋がりでマクロスに紐付かれていたりするのです。
ちなみに翌年となる1985年には更なる「ビッグウェーブ」が、玩具・模型業界はおろかサブカルチャー・メディア界隈をも激震させる事になります。
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まあ何やかや有りましたが、ようやく第三形態「ロードファイター」ガルビオンが完成しました。
実寸大イングラムを見た者は、全高8m級ロボの幅が道路約二線分な事を思い知らされます。ヘルダイバーの肩折り畳み機構は、イングラムにこそ必要だよなあ…。
今でもこの本作放映時最後の公式商品「BGM集vol.2」のジャケ絵を見ながらふと思うのです…この頃のたがみ氏が「ガルビオン」を漫画化していたら、一体どんなモノになっていたのだろう、と。
今回は、そんな昔懐かしい気分を思い出させてくれた「MODEROID版ガルビオン」レビューでした。それでは皆様。また次の機会にお会いしましょう。