全地球ロリ億人のロリカッケー皆さんっ、コンッ・バトラーっ!

いきなり超突き刺さる挨拶をカマして来たのは、確か「物語」シリーズ永遠の小学5年生、八九寺 真宵ちゃんでしたか。

うぃうぃっしゅゆあめりーくりすますよのう…年末といえば?そう!忘年会ですね。
このクソ忙しい師走の最中、会社の金で飲み食い出来る事だけが楽しみな定例行事。でもね?今日はコイツが気になって気になってそれどころじゃ無かったんです。

スーパーミニプラ「超電磁ロボ コン・バトラーV」。今年頑張った分の、自分へのクリスマスプレゼントってとこ。ですが、この「電磁合体」という言葉…これには、個人的に苦いトラウマがあるんです。
友達の家で初めて触らせてもらった、この「DXポピニカ」版のコン・バトラーV。「こち亀」でもよく取り上げられた本「名品」、劇中同様の変形合体とその重さに見事に心奪われました。
ですが本放送は既に終了し、世間のどこにも本商品を見いだす事は出来ませんでした。

そもそも、当時はまだ幼少でお小遣い(の概念)も無かったため、入手する手段といえば「クリスマス」と「お年玉」と「誕生日」の三大イベント位しかありません。

しかも本商品は「DXポピニカ」。各部位単体=一大イベントが割り振られる程の高額商品です。泣く泣く諦めていた所、当時の子供なりの情報連絡網にこんなのが舞い込んできました。
前商品に比べるとサイズは二周り程小柄ですが、何と言ってもコンV初の「DX超合金」。しかも出来が遥かに良く、何より一回(一箱)のイベントで事足る!という、子供ならではの細やかな打算も成り立ちます。

早速サンタ(親)に交渉した所、「一年半我慢したらOk」という無慈悲な答えが。「一年半」と言えば、二回のクリスマス&お年玉+誕生日の五大イベント分に相当。

これじゃあ、各部位単体=一大イベント相当の「DXポピニカ」を購入するのと、難易度に全く変化がありません。

絶望しかけましたが何とか踏み留まり、親の手伝い賃で友達付合を凌ぎました。その間に踏み留まらせてくれたのが、当時バラ売りされていた(比較的)安価なプラモデルの存在。
でもこれまた品切れが多く(特にバトルマリン)、再販情報網も確立化していなかったため、結局最後まで揃いきれませんでした。

そんなこんなで、ようやく目標達成し息を切らせて玩具店に走り込んだ頃には、とっくに目的の品は姿を消しており、次のサイクル商品に切り替わってしまっていたのです。

当時この時ほど、世の無情さと、何より自分が無知無力な子供(ガキ)だった事に悔しさと悲しさを感じた事はありません(※)。世の中には「一年という商品サイクルが存在する」という当たり前の事実すら見えていなかったのです。

※…後日この「コン・バトラーV」というコンテンツその物が、日本全国の同世代の子供達に対し、同様の「トラウマ発生機」として機能していた事を知る事となります。
「買わないで後悔するより、買って後悔しろ」というのは、あくまで自力で財力を生み出せる大人だけの特権。だからこそ、これが発売されて入手出来た時は、本当にウレシかったなあ…。

という訳で「完成品」入手という積年の思いには決着(リベンジ)を果たす事が出来ましたが、「プラモ」で造りたいという別の思いは残ったまま。そんな所ににわか発表されたのが本商品という訳です。
…よぅし。んじゃ早速、朝帰りの酔った勢いで一気に組み立ててみるとしますか。
本ブログでは記事として初めて取り上げる「スーパーミニプラ」ですが、過去に何作かは作らせてもらっています。その流れの「一部塗装」はパチ組派には本当にありがたいです。

そういえば「DXポピニカ」版は、初期設定稿に準じて「口」が造形されていたんですよね。このパーツ構成って、それを意識してたりするんでしょうか。
本商品の素晴らしい所は、単価を(余り)高くする事が出来ない→大きく出来ないという「スーパーミニプラ」商品のデメリットを最大限逆利用した「別パーツ補填化」。

その代わり、延々とパーツを作り続けなければならないという「無限地獄」も半ば約束されている訳で…。

一部アンダーゲートに手こずりながらも着々と挟み込み主の組立を進めていきます(メッキver.とかブラック塗装ver.とかプレバンで出そう)。
まずは「バトルジェット」から。
さすがに単品立体化されているだけあって、歴代公式商品の中でも屈指の出来となっています。

個人的な推しは、「バトルジェット」の裏面ツラ一フラットな「リフティング・ボディ」が完全再現されている点。

合体変形バンクシーンにおいて何度も見せられる機会が多いにも関わらず、「裏面」扱いで結構蔑ろにされがちな部分なのです。
大体地面に置くため「だけ」に、顔前部に無粋な前輪処理がされてしまうのですが、本商品にはそれが無く、設定通りのディテール線がしっかり再現されています。

しかも3mm径軸用穴が開いており、同社別事業他社の各スタンドにもちゃっかり対応。

この、小さいながらも空を飛んで変形合体する事を意識したこの「矜恃」は、本商品の各モデルに行き届いています。
次は「バトルクラフト」。
工作方法は、何時ものパチ組ガンプラマーカー墨入の簡単お気楽製法。ただ今回は要所要所にクリアパーツがあるため、透け底面には以下による下地塗装を行っています。
かつて、その輝きとムラの無さと驚異の伸び率で愛用していた「メッキシルバー」が発売停止となり幾千夜。その代換品として、今回は「シャインシルバー」を初めて用いてみました。

ムラが少し目立ちますが、その輝きと伸びはかつての「メッキシルバー」に劣りません。簡単ながらに質感が格段に増すのでお奨めです。
お次は「バトルクラッシャー」。
B2爆撃機のおかげですっかり定着した「全翼機」も、本作発表当時はまだ影形も無かった…はず(?)。

ディスプレイモデルとしても、ギミックとしても、この部分に最もカロリーが割かれているように思います。故に組み立ててには一番手間と根気が必要です。各武器・補助アイテムが増えてきますしね。
続けて「バトルタンク」。

ここに、本商品製作側のユーザーに対する「挑戦・遊び心」が集約されているように思います。
例えば、腰部に回転・ボールジョイントが採用されており、可動においての可能性を残しておきながらも、なぜか背面パーツで固定化されていたりするのです。

?…と思ったら、マント感覚で腰後部の背面パーツ接続部を浮かせる事で、腰回転を実現してやがりました。これ、取説はおろか公式ブログにも明記されてないんですよ。

…そういえば、さっきの「バトルクラッシャー」の拳に関しては、サイズ的・形的にHGUCの「ジオング」のフル可動拳を試してみたくなっていた所。

そもそも、本商品発売元のバンダイキャンディーは「3mm径軸用穴」に関する主商品が無いはずなのに、同社別事業他社の各スタンドにも対応済じゃねーか。

…ひょっとして、こういう"同業他シャ"のモノで所々アフターフォロー出来るよう、予め色々仕込んであるんじゃなかろうか。

つまり「そこは大人の事情を察して、やれるもんなら好きにやってみろ」って事ですね?
最後は「バトルマリン」。機首に集約された曲面処理が美しく、思わずハッとした所。「バトルタンク」と連結する事で、こちらもスタンドで飾る事が出来ます。

さて、これで全マシンが揃いました。コンバイン、オッケーって事で、早速「レッツ、コンバイン!」
HG「マジンカイザー」レビュー時も書いた通り、自分は「起動直前」状態がたまらなく好きなのですが、それはバンクシーンで何度も見せられているからだと思います。

「勇者ライディーン」においては黄金像がそれに当たりますが、これは無事解決されました。
(というか、今見てもよく商品化に漕ぎ着けたと思うブッチ切り度合)
コンVではこの状態時がそれに当たりますが、今までは「バトルジェット車輪問題」によりあと一歩が及びませんでした。それも本作によってついに解決となり、全くありがたい話です。
という事で堂々完成(そして、肩後のクローラーを外し忘れるという痛恨のミス。酔っ払ってるから仕方ないね)。
背面バトルタンク中央にも3mm径穴が空いているので、スタンドで宙に浮かせて飾る事も可能です。
実はアゴマスクのエラと高さがどうしても気になり、上イメージでほんの少しだけシュッと削ってあります。

塗装ではなく成形色だったので、パチ組の許容範囲内で済みました。気になった所にすぐ手を入れられるのは、プラモならではの強みですね。

では早速、本ブログ恒例の「並べてみた」に移ります。
同じスーパーミニプラ「ザンボット3」との比較。やはり、というか当然、というべきか…。
ご覧の通り「スーパーミニプラ」内における東映・サンライズ「スーパーロボット」の大きさは揃えて来ましたね。
と言うことは、ほぼ1/100 ガンダムと同ボリュームという事になります。なので、1/144の標準MSと並べるとこんな感じ。
HGマジンカイザーと「並べられる」と捉えるか、「並ばれちゃう」と捉えるかで、本商品サイズの評価が大きく分かれるような気がします。
さて本商品なのですが、その軽さのみならず、絶妙な機構(肩の引き出し間接)と間接位置(特に腕・太股付け根・足首基部のロール可動)により、さりげに歴代の公式立体物の中でも屈指の「よく動く」代物です。
というか「自然な佇まいのポージング」が出来るというか。まさかコンV立体物でコントさせたくなる日が来るとは思わなかったよ…。

昨今のキャラクターロボ造形物は、ユーザーのニーズに合わせて、①「メカ」として捉えるか②「キャラ」として捉えるか、の大別化が進んでいます。この①②のバランスをどうするかで、その商品の個性・特性を決めている感じ。
今までのコンV公式立体物のほとんどは①「メカ」としてのモノだったのですが、本作は「A.N.I.M.E.」シリーズ同様の②「キャラ」として捉えて造形されている珍しいモノだと思います。

今まで①「メカ」としての造形物しか出ていなかったのは、変形合体する際の各種「ビーグル」の存在故。

この「ビーグル」を格好良くするためには「薄くせざるを得ない」のですが、これは合体後のロボットスタイルに一つの問題を残しました。
それが「全般的に厚みが足らなくなってしまう」事。写真は初代「超合金魂コン・バトラーV」発売時に、それを模して発売された「カプセル超合金」シリーズの物。斜め前から見ると、その薄さが分かります。
実は②「キャラ」としての造形物、引いては「安彦 良和」氏のラインを持った公式造形物がまったく無かった訳ではありません。

バンプレストからプライズ用に供給されていた「ビッグソフビ」シリーズは、同発のライディーンと共に②「キャラ」造形物として秀逸な出来でした。ですが、もちろん変形合体はおろか可動させる事も出来ません。
本商品は「差換えパーツ」という方法で、①「メカ」としての造形物として変形合体前の「ビーグル」を、②「キャラ」としての造形物として変形合体後の「ロボ」を、高い次元で両立させています。

MGクラスの約1.5倍のお値段と製作工程(手間)をどう考えるかにも左右されますが、個人的には「最も手軽に入手出来るコンV立体物」として「価値ある一品」となりました。

という事で、開発者担当者の思惑に乗り、思わず完全に手を入れたくなってしまうスーパーミニプラ「超電磁ロボ コン・バトラーV」レビューでした。

THE NEXT MINIPRA…!
【2021/07/11 追記】
…ぃヨシッ!