野村総合研究所会長)此本臣吾監修、同研究所拡張社会研究チーム執筆。あまりに進歩が速すぎるAIであるが、予測できない未来を示唆してくれる本書から少しでも理解を深めたい。

 

 

AIは何を拡張するのか。ひとつは労働力である。すでにAIエージェントによってホワイトカラー業務の一部に自動化が進みつつある。AIによって職が奪われるという見方と労働力不足を解消できるという見方があるが、人手不足が深刻なのは介護や建設など身体を必要とするものが中心であってフィジカルAIの進展が望まれる。

 

二つ目は知力である。自然災害やインフラの故障などを予測する力、膨大なデータから特定人物や異変などを識別する力、顧客の嗜好やニーズを探究してサービスなどを行う個別化力、人間のみならず機械や動物と会話する力、複雑なタスクを構造化し自動化する力、芸術やテクノロジーなどあらゆる分野で創造する力などに代表される。

 

三つ目は経済社会システムである。従来の企業対企業や企業対個人の取引に加え、企業対AI、個人対AI、AI対AIの経済取引が登場する。工業化社会では規模の経済(大量生産で単価を下げる)が重要なメカニズムであったが、ネットワークの経済が個別ユーザーとのやり取りを増やし、深さの経済へ高めていく。

 

今後、AIによるデジタルの代替、ロボットによるフィジカルの代替、汎用人工知能(人類と同等以上の能力)による世界の再定義(社会経済活動や教育、そして国家戦略の変更)と進んで行くであろう。

 

詰込み教育を受けたGTP4、探究学習を受けたo1のように役割に応じたモデルの多様化も進むが、AIの学習に必要なデータが不足し始め、AIが合成したデータにより学習させることになる。人間と同等の世界モデルを持てば、AIは意識を持つのであろうか? 未だ意識がどのように形作られるのか解明されていないが、世界モデルが扉を開くカギになるかも知れない。

 

AIの発展を妨げる課題のひとつはGPUありきの大量電力消費である。今後はGPUなどデジタルコンピューターからiPS細胞を活用した脳オルガノイドコンピューターなどモータル(生物)へシフトして行く可能性もある。ここは日本が強みを出せる所かも知れない。

 

AIの発展に伴い、予測販売型コマース、AIによる精密診断、自動運転、家事代行、AIペルソナ、AIによる経営判断などすでに実現しつつあるものが多数ある。しかし、例えばレントゲン技師には30のタスクがあり、AIが賄える画像診断はそのひとつに過ぎない。今後は製造業やサービス業など既存産業と異なり、人間の頭脳とAIを使ってアイデアやコンテンツを生み出す創造業の存在が高まっていく。

 

生成AIは急速に浸透しているように見えるが、認知は半数近くでも日常利用は1割どまりである。AI受容性の低い理由として、精度が信頼できない、責任の所在が分からないなどの指摘が多い。AI活用による経済的価値の追求と人間の満足度とのバランスも重要だ。AIに創造活動の大半を担わせれば、効率が高まり経済価値を生み出すが、人間は単なる評価者に留まり満足度は低下する。

 

本書では驚くようなAIの未来が示唆されているが、近い将来に多くの到来を見てみたいものだ。

私も家内も居ても立ってもいられず、セブンを引き取りに行った翌朝、朝練に出掛けた。あいにく梅雨時の曇り空だが仕方ない、4時半に出撃。腰痛でセブンを広い通りまで押していくのは難儀だが、家内のパワーを借りて無事押し切った。道中、ローソンで朝飯のサンドイッチを購入。

 

 

久し振りの西六甲を右・左とステアリングを切りながら車体に問題ないか確かめる。うん、問題なし。確認できたところでスイッチが入る。軽い横Gを感じながら一気に六甲牧場まで駆け上がる、気持ちいい~。動物達を起こさない様に静かに牧場を通り抜け、セコイヤ並木で一旦停止。

 

 

摩耶ドライブウェイはもっと走り甲斐がある。2速から3速でコーナーを攻める。何年も走り続けているので次に来るコーナーの予想は大体つく。終点の掬星台に到着、あいにく霧で視界は50mもない。残念だけど綺麗なウグイスの声が慰め、お山のウグイスは下界よりもずっと綺麗だよね。

 

 

朝食のサンドイッチを頬張りながら、見守りカメラでモコの様子を確かめる。遮光カーテンで部屋は暗いので、まだぐっすり寝ているようで安心だ。

 

 

珈琲を飲み干した後、帰路に付く。もう一度セコイヤ並木で停まってセブンの写真を撮る。南西の方は青空に変わって行っているが、これから晴れるのかな?

 

 

セブンってやっぱり楽しいな~

Myセブンのサス折れ事故から2か月、ようやく修理が完了した。なにせ古い車なので部品の手配が大変、主治医の力で何とか治すことが出来た。工場内に鎮座するMyセブン、久し振りに顔が見れてとっても嬉しい。

 

 

接合部が折損したバーティカルリンク(銀色)とトラニオン(金色)は新品に交換。ハブフランジ&ベアリングも交換。この部分の疲労破壊が事故の原因で、同じような事が起こる可能性があるので左側も新品に交換した。

 

 

変形したり損傷したりしたアッパー Iアーム、ロアアーム、ステアリングアーム、ビルシュタイン・ショックも交換。Iアームは新品が手に入らず、中古の良品を使用した。なんと、旧いIアームは左側より太かった事にびっくり。今回は太さを合わせた。

 

 

傷ついたFフェンダーと曲がったステーは新品に交換。ホイールが削れたところは肉盛り補修して塗装。

 

 

取り外した部品の一部は修理すれば使えそうなので取っておくことにする。

 

 

この日はもう一台セブンが入庫しており、オーナーさんと色々話し込んだ。82年製のケーターハムだが、ロータス風にカスタム、KENTは2リッターにボアアップしてあるそうだ。ルノーアルピーヌ1300も見れて本当にこのショップはマニアックだ。

 

 

帰路は久しぶりに運転するのでテンションが上がった。家に帰って定位置に付けるとホッとする。

 

 

梅雨時期だけど、晴れ間を見つけて早く走りに行きたい。

日本を代表する国際政治学者、慶応大学名誉教授)田所正幸の最新著書「世界秩序」の紹介。グローバリゼーションの時代を謳歌してきた私としては、近年のナショナリズムへの逆戻りに不安を覚えてしまう。本著はこれに対する答えを与えてくれるのか?

 

 

歴史を遡ると、世界はグローバリゼーションとナショナリズムが交互に繰り返されて来た。過去のグローバル化成功の代表例としてはローマ帝国が挙げられる。紀元前後数百年にわたり欧州・中東・アフリカの地中海沿岸国を中心として広域的秩序が保たれた。これは標準化された道路網、航海の安全確保、ラテン語による共通語、征服した諸民族のローマ市民化などによって達成された。

 

しかしながら、政治的・社会的退廃が進行、市民は政治共同体の一員としての責任感を失い、兵制は市民軍から私兵化、皇帝の暗殺も稀ではなかった。蓄積された経済的・政治的・文化的資源を食いつぶしながらも長きにわたり生き延びた帝国もゲルマン民族の侵入、イスラム教勢力との対立などにより衰退。その後のヨーロッパは多数の支配と従属関係の寄せ集めと分解した。

 

その後の代表例は13世紀に中国から東ヨーロッパまで、ユーラシア大陸の大部分を支配したモンゴル帝国である。騎馬兵力を基礎とした卓越した軍事力により広大な地域を支配したが、農業生産も工業生産もしなかった。代わりにその広大な地域で暴力の一元的管理を達成、通商路を整備育成して活発化した交易に課税、貨幣制度を整備するなど商業帝国として持続した。

 

しかしながら、支配地域が広大過ぎる故、カリスマ的リーダーを失うと複数の地域に分かれた分割統治が進んで弱体化。又、征服した勢力の人材を登用、文化や技術を受け入れることにより多文化的統治を実現したが、逆に言うと宗教など内面的支持を確保できず、各地で反乱が繰り返され、ユーラシア統合は分解された。

 

次のグローバル化の時代は、スペイン、ポルトガルなど海洋を通じた西洋諸国のネットワークにより構築された。15世紀の大航海時代に始まり20世紀前半までアジア・アフリカ・南米の大半の地域を植民地化して支配し、帝国として広域的な統治を行うようになった。中でもイギリスは世界の陸地の1/4を支配する人類史上最大の帝国となった。

 

当初はイスラム勢力によって支配された交易路を迂回する形で新たな航路を開発したが、西洋諸国の優位が確立したのは南米のみ。インド、中国、日本などは現地勢力と折り合いをつけて何とか交易する程度であった。その後、産業革命により軍事的にも経済的にも優位になった西洋諸国は、強固な支配力を持つようになった。尚、西洋の近代化を支えた政治主体は、単一の帝国ではなく複数の主権国家からなる複合体であった

 

主権を相互に承認、国際法によって平等な地位を尊重しつつ独立していた諸国家であったが、20世紀初めの第一次大戦によって破綻、敗戦国は解体され、戦勝国も荒廃した。ドイツに代表されるように自国の利益を追求する諸国がナショナリズムをテコに国民の動員を強化、対外政策から柔軟性が失われ、相互に抑制することが難しくなっていたことが根本原因であろう。今日の教訓として理解しておかねばならない事は、グローバル化による密接な経済的・文化的交流によって戦争が回避されることもその拡大が抑制されることもなかったと言うことだ。

 

その後、西洋主導の世界秩序を再建する努力は失敗、主要諸国がそれぞれの勢力圏を囲い込んだので世界市場は分断された。そして第二次世界大戦によって、西洋によって推進されたグローバル化は完全に命脈を絶たれた。

 

2つの世界大戦によって疲弊したヨーロッパに代わりグローバル化を推進したのはアメリカであった。米英が合意した大西洋憲章は自由貿易の原則を明確にしていた。しかし、東欧やドイツの戦後処理の過程でソ連との関係が悪化、1947年にトルーマンドクトリンが発表され、ソ連への対抗と共産主義の膨張を防ぐことが対外政策の最優先となった。自由主義陣営強化のためにマーシャルプランによる西欧諸国への復興支援のみならず、旧敵国であった西ドイツや日本も同盟国となった。

 

19世紀イギリスの自由貿易はイギリスの一方的な政策であったが、大戦後のアメリカはGATやIMFに代表されるように、加盟国すべてが同ルールに服する形で構築された。自由主義陣営が広域的な市場経済を利用して継続的な技術革新を起こし、経済的勝利を収めたことにより冷戦は終焉した。

 

アメリカ一強時代に突入、市場経済と自由民主主義を世界に普及すべきとするネオコンが影響力を増してくると共に同盟国軽視も見られるようになった。帝国意識が支配的な中で2001年に9.11テロが起こった。テロとの戦いの名のもとアフガニスタンやイラクに侵攻、現地体制を打倒することは出来たが、民主化の実現は適わなかった。強引な力の行使によりアメリカが消耗するとともに新たな敵を作り友を失うことにもなり、国際政治上の地位を大きく損ねた。

 

それまでアメリカと慎重に事を構えていた中国は共産党一党独裁体制を維持しつつ、グローバル化を利用しながら目覚ましい発展を遂げ、アメリカに対抗し得る勢力として台頭してきた。そして、2022年のロシアによるウクライナ侵攻によってグローバル化の逆行が避けられなくなった。国際諸制度も弱体化してきた。164か国にものぼる加盟国に増加した多国間貿易機関WTOでは、利害を異にする国々の合意を形成することが困難となって停滞した。自由貿易の焦点は外交・安全保障上の思惑もからみ、特定国間で締結するFTAに移った。中国は、IMFや世界銀行に対抗してAIIB(G7含み92か国加盟)やBRICS諸国と共にNDBを発足させた。冷戦の勝利者であった欧米社会でも左からリベラルな反グローバル化、そして右からポピュリズム的な反グローバル化運動が勢いを強めた。

 

統合と分解を繰り返して来た世界であるが、今後の世界秩序について4つのシナリオが提示されている。①再統合(アメリカ主導或いは中国主導のグローバル化、或いは米中共同統治)、②新しい冷戦(米中対立とグローバルサウスの陣取り合戦)、③多数の世界(少数の大国が離散集合を繰り返す流動的な状況)、④無数の世界(無数の非国家主体が力を増す中世時代的な状態)

 

果たして我々の未来はどのような姿になるのであろうか?