前のブログの言い忘れというか、今回の詩がどう誕生したかという発想のところを書き残しておこうと思います。
【形式のこと】
まず図形詩ですが、正直『Serendipity』を出版して以降、図形詩を書くつもりはもうありませんでした。
『Serendipity』で出し切った感がありましたし、個人的に“人気が出たから第二弾を出す”というよくある流れがイヤで、それなら始めから全力出して欲しいとしょっちゅう思うんです。
なので新たに図形詩を書く、ということはしてこなかったのですが、今回は“アンソロジー”という自分だけじゃない・複数人が1冊の本を作るという企画で、その中で自分らしさを一番出せる方法は?と考えた時に“図形詩しかない”と思って決めた感じです。
【モチーフのこと】
図形詩で書く、と決めて、次にどのシルエットにするか?と考えます。
「島」アンソロジーなので、「島」…。
「島」だと色んな形があるし、逆に四国とか日本列島とか特定しても面白くないし、何より「島」って形作るのが難しすぎる!と思って「島」は諦めました。。
そんな中、以前 Under a lighthouse という詩を書いた時に“beacon”という単語があったのを思い出しました。
スペルから食べ物のベーコン?と思ったら「灯台」という意味だった~(ベーコンはbacon)というのが、どこか印象的に残っていた単語でありました。
そこから「灯台」なら、文章を並べた時に間が空く形でもないし、読者が読みやすい形かもしれないと思い、「灯台」に決めました。
【文章のこと】
出だしをどうするか…?と考えていた時、「島」というキーワードから島→航海、voyagers→地図と連想をしました。
島アンソロジー/貝楼諸島というのは真っ白な地図(何も無い広い海)に島が点々と存在するイメージが最初に浮かび、その一つ一つの島は文字から出来ている、文字が埋まっているなぁ~と直感で思いました。
この「白い地図に文字から出来た島がある」という想像の絵は、図形詩を書いてきたからこそ思い浮かんだことかもしれない…と何となく思っています。
そのまま最初の一文にしましたが、まさに“新たな島を生んで、新たな地図を作っていく”ことが、今回の島アンソロジー企画の醍醐味だと思います。
そしてそれぞれの島に光が当たるように、archipelagoは図形詩として灯台になり、文字を照らす。
𝒇𝟑𝒉𝒊𝒕𝒐(𝑪𝒂𝒓𝒑𝒆𝒏𝒕𝒆𝒓𝑺𝒖𝒔𝒑𝒆𝒏𝒅𝒆𝒓)@poem_f3hitolighthouseは建物、beaconは光って感じですね…。灯台って訳したけど。 灯台を見る人と、実際に灯台そのもの(見せる側)という感じにもみえるこの2語の違い。
2021年10月27日 12:55
文字を照らすのは、文中の花火もそうですが、、
最後の「石ころが宝石に変わる」というのは、詩や小説は読者に読んでもらえて初めて人の心に生き始める、ということです。
花火は作者と読者・作品と作品を繋ぐイメージ、また(作品が読者に届いた)祝福のイメージです。
また最後、私="I"を主語にしたのは、島の話だけどあくまで語っているのは灯台であることを再確認して欲しかったから。
それとともに灯台の、ずっと同じ場所に立ちながら変わる景色を黙って見守る存在感・佇まいを伝えたかったからです。
まぁ最初の文が I から始まり、最後の文も I から始めたらキレイじゃないですか。。
という感じで書きました。
以上、発想から作り出しについての追加でした。
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