5月11日 筑波山において、上村による気象研修会を行ないました。「上空へ行くほど、気温が低くなる」というのが、一般常識ですけど、筑波山での気象観測では、状況によっては「上空の方が気温が高い」ことがあり、地上付近に寒気が溜まりやすいゆえに、中腹で温暖好きなみかんが栽培できるという特徴がある山です。
当日は雨ながらも、上空に寒気が入っていたため、高層天気図を用いた「大気の状態が不安定」ということを、説明しやすい天気でした。大気の状態が不安定だと、落雷、降雹、竜巻などの激しい現象が起こりやすくなり、実際に当日も都心や房総、茨城県北部などで、見舞われていました。
地上天気図だけではわからないことを、高層天気図を活用することにより、地上天気図の「内訳」がわかるので、どこでどう雨が降るのか?いつから晴れてくるのか?大まかでもイメージできるようになります。また、山の気温や風にも対応しているので、下界ではイメージしきれない気象情報を知ることができ、準備や行程に反映させることができます。応用として、富士山の雲海予想などのような局地的な予想の仕方・天気図の組み合わせ方も、行なってみました。
行動中は、観天望気やレーダーによる雨雲の動きを調べました。雲の中で視界が悪くても、レーダーを見ると、どこに強い雨を降らせる雨雲が存在するのか、一目瞭然です。筑波山周辺では、西よりと南よりの風がぶつかりやすいため、積乱雲が発生しやすいエリアであり、数年前の竜巻も筑波山のふもとでした。強い雨を降らせる雲の接近が読めたら、早めの避難が可能になります。気急時対応の際の例題にあるような、「あと30分で頂上だけど、積乱雲が近付いてきている」という内容について、その場でどうするのか?ではなく、そのような状況を事前の読みで作らなけらばいいのです。
天気情報は知っているだけではあまり意味がなく、どう活用するのか?ということが、研修を通じて伝わったなら、幸いです。