成績 A
設問1課題1
1 管轄、不法行為地管轄で肯定 ※構成のみ
2 本件ではBの訴えが提起されていることから、Aの訴えが二重起訴の禁止を定める民事訴訟法(以下法令名略)142条に反し許されないのではないか。
(1)二重起訴に当たるかは当事者の同一性、訴訟物の同一性を基礎にして、二重起訴禁止の趣旨たる被告の応訴の煩、矛盾判決のおそれ、訴訟経済を考慮して判断すべきである。
(2)まず、Aの訴えの訴訟物は本件事故に基づく400万円の損害賠償請求権である。
次に、BのAへの債務不存在確認の訴えの訴訟物を検討する。まず、債務不存在確認は給付訴訟の反対形相であるためBの訴えの訴訟物は150万円を超える部分となる。すなわち400万円のうちの150万円を超える部分となり250万円の債務の不存在が訴訟物となる。
ゆえに訴訟物は250万円の範囲で同一といえる。また当事者もABと同一である。
(3)ゆえに、142条に反するとも思える。
しかし、矛盾判決のおそれは事実上のおそれにとどまり、必ずしも矛盾判決のおそれがあるとまでは言えない。
ゆえに同条に反しない。
3 AのBCへの訴えはともに共同不法行為(民法719条)に基づくものであるので、「訴訟の目的である権利」(38条前段)が「数人について共通」といえる。
ゆえに同条によりBCを共同被告にすることは可能である。
設問1 課題2
義務履行地管轄により肯定 ※構成のみ
設問2
1 Cからの文書提出命令の申し立てに対して、Aは本件の診療記録は「医師」が「職務上知りえた事実で黙秘すべきもの」といえ、220条条4号ハの197条2項2号に規定する事実に当たる、ため提出義務はないと主張すると考えられる。
2 220条4号ハの趣旨は文書の開示により当事者の実質的公平を図りつつ、患者等のプライバシー保護との調整を図るものである。そこで、当事者の実質的公平を図る利益が当事者のプライバシーの利益を上回る場合には「黙秘の義務が免除」されているとして、開示義務が認められると考える。
3 本件ではDは本件事故とと治療および後遺症と因果関係を争いたいところ、D病院での診療記録の全部が提出されたわけではなく、このままではDは因果関係の立証に窮することになる。
そして、本件診療記録には患者Aに関する情報が記録されているところ、Aは本件の訴訟と当事者である以上ある程度自己のプライバシーに関わる情報が開示されることも甘受すべきである。
ゆえに、本件では当事者の実質的公平を図る要請がプライバシーの利益を上回り、「黙秘の義務が免除」されたと同視すべきである。
4ゆえに、220条4号ハに当たらず、文書提出命令は認められる。
設問3(ア)
まず、条文上「上訴の提起」(45条1項)ができると書かれており、第1審で補助参加をしていなかったものが控訴審から補助参加することを禁じる規定はない。
加えて、一審が終了した段階で補助参加をする必要が出てくる場合もあるのだから、控訴審での補助参加も認めるべきである。
ゆえに、認められる。
設問3(イ)
1 「訴訟の結果」(42条)とは主文判断に限定されず理由中判断も含まれる。補助参加人は理由中判断についても争うことが多いからである。また、「利害関係」とは法律上の利害関係をいい、具体的には判決が参加人の法的地位に影響を及ぼす場合をいう。
2 本件では、もしAからCへの訴えでCへの損害賠償請求権の存在が確定されれば、理由中判断でCの過失も認定される。すると、Cの過失割合に応じてBからCへの求償権が発生することになる。すると、求償権が発生するか否かという意味で、AからCへの訴えの判決はBの法的地位に影響を及ぼす。
3 よって、Bは訴訟の結果に利害関係を有するため補助参加できる。