成績 F

 

 

設問1

1 Bが本件売買契約に基づき代金支払い請求をするには有効に本件売買契約が成立している必要がある。平成29年度9月10日、AとBは本件売買契約を有効に締結している。ゆえに、BはAに本件ばいない契約に基づき50万円の代金支払い請求権を取得する。

2 もっとも、Bの負う松茸の引渡し債務がBの「責めにきすることができない事由」(民法534条1項、以下法令名略。)により消滅したとして、代金支払い請求権も消滅しないか。

 まず、本件の松茸は「不特定物」(534条2項)であるので、同条1項が適用されるには目的物が特定していなければならない。401条2項の「必要な行為を完了」したとは取り立て債務の場合は分離準備通知が必要である。特定があったといえるためには目的物が客観的に特定されることが必要であるため、分離まで要求すべきだからである。本件の松茸引渡し債務は債務者たるB所有の倉庫において履行されることになっており取り立て債務である。そして、Bは、本件売買契約の目的物とするための松茸を秋の収穫期に毎年雇っているCとともに収穫し、これを乙倉庫に運び入れ、本件売買契約の約定に見合う松茸5グラムの箱詰めを終えており、分離、準備がある。また、Bは直ちに、引渡し準備が整った旨をAに電話で連絡したのだから通知もある。ゆえに「必要な行為を完了」しており、特定されている。

 よって、「410条2項の規定によりその物が確定した」(534条2項)といえ同条項1項が適用されうる。

3 ではBの「責めに帰することができない事由によって滅失」したか。(534条1項)

Bは近隣で農作物の盗難が相次いでおり警察からの注意喚起もあったことから、Cに対し、客に引き渡す高価な松茸を入れているので乙倉庫を離れるときには普段よりしっかり施錠するよう指示した。すると、Bとしては自己に課された注意義務を果たしたといえ帰責性はない。

 また、確かにCはBからの指示をうっかり忘れて、簡単な錠のみで施錠して乙倉庫を離れた。ここで、債務不履行に基づく損害賠償請求においては債務者の帰責事由と信義則上同視すべき事由として履行補助者の故意、過失も含まれる。すると本件でも履行補助者たるCの過失がBの過失と同視されるとも思える。しかし、債務不履行に基づく損害賠償請求と、危険負担は要件効果を異にする別の制度であるので同様に考えるべきではない。よって、Cの過失はBの過失と同視されない。

以上より、Bの「責めに帰することができない事由」により松茸の引渡し債務は消滅しており、534条1項が適用され、代金債権は存続する。

4 次に、AはBが松茸5グラムを引き渡すまで代金は支払わないと述べているところ、これは引渡し債務との同時履行の抗弁権(533条)を主張するものである。これに対してBは、一度きちんと松茸を用意し弁済の提供(492条)をしている以上同時履行は認められないと反論している。

もっとも、代金支払い請求をする際に同時履行の抗弁権を主張されないためには弁済の提供の継続が必要であるのでBの主張は認められないとも思える。

しかし、本件のような場合に弁済の提供の継続が必要としていしまうとBは永久に同時履行を主張され続けることになり妥当でない。

また、Bの引渡し債務は消滅しているのだがら牽連関係維持の必要もない。

ゆえに、弁済の提供の継続は必要でなく、Aの同時履行の主張は認められない。

5 以上より、Bの請求は認められる。

 

設問2(1)

1 甲トラックの撤去をするにはDが甲トラックの所有権を有することが前提となる。

2 そして、所有権留保の性質は当事者があえて所有権を留保すると定めた以上その形式を重視すべきであるから、所有権は留保権者に残存すると考えるべきである。

3ゆえに、Dには甲トラックの所有権があり、Dは甲トラックを撤去すべき立場にあるため、Dの発言は正当でない。

 

設問2(2)

1 Eの請求は丙土地所有権に基づく丙土地返還請求権である。そして、土地返還請求権の相手方となるのは現にその土地の占有を侵害している者であるのが原則である。本件では、DはAにトラックを引渡しておりAが甲トラックを占有している。そしてAが丙土地上に甲トラックを置き丙土地の占有を侵害しているといえる。ゆえに、D返還請求権の相手方とはならないのが原則である。

しかし、実質的所有者の探求の困難性から請求者を開放する必要がある。そこで、自己の意思に基づき登録名義を設定し、引き続き登録名義を保有する者も相手方となると考える。

本件では、自動車登録名義はAが代金支払い債務を完済したときにDからAへと移転させるとしており、自己の意思に基づいて甲トラックの登録名義を設定している。そして、現在も引き続き登録名義を保有している。

よって、Dも相手方となるためEの請求は認められる。

 

設問3 ※構成のみ

1 貸金債務は不可分債務、債権者を相続という偶然の事情により害するから

2 442の求償

3 遺言は遺言させるやつだから遺産分割方法の指定