諏訪大社の春宮と秋宮の間は旧中山道という由緒ある道である。現代ではすぐ隣に車道が整備されており、それが中山道となっているが、旧中山道は本当に狭い道である。

 

春宮と秋宮のちょうど中間地点くらいに御作田神社(みさくだじんじゃ)がある。下社の末社である。

 

 

 

案内板によると御作田祭(御田植神事)が毎年6月30日に境内で行われる。

 

 

境内にある御田(読みは「みた」「おみた」など)。これまでに見た神社の御田の中で一番面積が狭い!

 

神社や皇室等が所有する田んぼを御田と呼び、祭祀や神事で供える米を作っていたりする。例えば、有名どころでは伊雑宮そばには広い御田(おみた)がある。

 

東京の「神田」という地名も、元々は伊勢神宮の御田があった土地ということである。

 

御作田神社からさらに歩くと、甲州街道の終点というところがあり(画像略)、その先に秋宮。

 

春宮側から歩いてくると鳥居の手前に神池と境内社がある。私は参拝順をさほど気にしないので、まずはここに立ち寄る。

 

 

 

 

千尋社である。神池は千尋池と呼ぶそうである。

 

千尋池は売神祝印(めがみほうりのいん)という重要文化財に指定されている宝印が発見された場所で、これは宝物殿に展示されている。

 

千尋社は検索してもほとんど情報がないのだが、先に千尋池があり、後から池の神様を祀った神社ができたので千尋社なのではないだろうか。

 

次に、鳥居を挟んで千尋池と反対側の境内社にも参拝。この鳥居の両脇の境内社群は、下諏訪駅から歩いてくると案外気付きにくいので注意が必要である。実際、参拝者も少ない。

 

 

鳥居が2つあり、右手には秋宮恵比寿社の社号標があるが、まずは正面の境内社に参拝。

 

 

 

八幡社である。堂々とした雰囲気。威厳がもの凄い。

 

 

 

 

秋宮恵比寿社。社殿を含めて場が整っており、美しい。

 

この八幡社と秋宮恵比寿のある一角はとても場の気が良くお奨めのスポットである。

 

 

 

 

いよいよ本社の鳥居をくぐり、境内参道へ。

 

 

寝入りの杉。樹齢600年。丑三つ時になると寝入りいびきが聞こえ、この杉の小枝を煎じて子供に飲ませると夜泣きが止まるという。

 

 

 

境内の中央、拝殿の前に神楽殿。これは春宮と同じ配置。

 

とても立派で大きな神楽殿であり、これまでに見た神楽殿で最大級なのではないかと思う。

 

 

拝殿。

 

春宮と非常に似ている。画像を見て区別が付くかと言ったら、区別ができない。「春宮と秋宮の拝殿の見分け方」というトピックがあったら面白かったのだが、改めて画像を見比べてみても社殿だけで区別することは難しそう。

 

当然ながら春宮と同じく諏訪造であり、中央が幣拝殿、左右に片拝殿という回廊形式の社殿で構成される。

 

 

一之御柱。

 

 

一之御柱側の境内社。右より稲荷社、若宮社、皇大神宮社。

 

 

二之御柱。

 

 

二之御柱側の境内社。右より八坂社、加茂社、子安社、単独の社殿が鹿島社。

 

この後、5回目の参拝にして初めて宝物殿へ。入館料500円(参拝時)なのだが、驚くほどの狭さ。本当にビックリした。ただ、展示は興味深いもので、千尋池の説明で触れた売神祝印(めがみほうりのいん)が展示されていた。

 

この日は朝から春宮、浮島神社、万治の石仏、御作田神社、秋宮の参拝で終了。お昼時になったので、前回も立ち寄った秋宮近くの隠れ家的な蕎麦屋さんに寄り、さらに諏訪湖オルゴール記念館でコーヒーを飲み、特急に乗って帰った。

 

昔は朝から晩まで寸暇を惜しんで色々な神社に参拝していたが、もうそろそろ、そういう旅行は卒業だろうと女神様たちに言われ、珍しく早い時間に帰宅した。

 

ただ、多くの神社を巡りたい人のために周辺のお奨め神社を紹介しておきたい。

 

まず、一番のお奨めは上社関連になるが、手長神社(てながじんじゃ)、足長神社(あしながじんじゃ)。手長神社は上諏訪から徒歩圏内。足長神社は「かりんちゃん子バス」利用。

 

現代神名帳 手長神社

現代神名帳 足長神社

 

そして、先宮神社(さきのみやじんじゃ)。タケミナカタが諏訪に来る前からいる産土神を祀るとされているから「先宮」と言われているのであるが、シリウスの女神様たちによれば、由緒書に書いてある高光姫命(たかてるひめのみこと)はより一般的な名前で言えば下照比売(シタテルヒメ)であり、タケミナカタの妃であるヤサカトメと同一の存在だそうである。ここも上諏訪から徒歩圏内。

 

現代神名帳 先宮神社

 

下社の影響下にある春宮から岡谷方面にある神社群。

 

現代神名帳 東堀正八幡宮(ひがしぼり しょうはちまんぐう)

現代神名帳 小井川賀茂神社(おいかわかもじんじゃ)

現代神名帳 今井十五社神社(いまいじゅうごしゃじんじゃ)

現代神名帳 間下十五社神社(ましたじゅうごしゃじんじゃ)

 

同じ岡谷でも下社関連の北側ではなく、上社の影響下にある南側にあり、洩矢神(もりやしん)を祀る洩矢神社(もりやじんじゃ)。

 

現代神名帳 洩矢神社

 

お奨めはこんなところだが、もう少し足を延ばせば塩尻市には信濃国二宮の小野神社・矢彦神社もある。より網羅性のある神社リストは以下をご覧いただきたい。

 

現代神名帳 長野県神社一覧