人が苦しみから逃れる方法は2つある(もっとあるかもしれないが)。

1つは思考・マインドを完全に停止すること。もし、無思考状態をつくることができて、それを維持することができれば、その間は苦しみから逃れることができる。24時間瞑想状態でいるということ。

逆に言えば、思考・マインドがあるから苦しむのであり、思考・マインドが苦しみの原因とも言える。無思考状態では苦しみがないというのは実験できるので、一度やってみてほしい。

24時間瞑想状態というのは現時点では私もまだ無理だし(とはいえ、覚醒していない人との比較で言えば、ある程度それに近いのである)、この方法が現実的かというと難しいが、1つの方向性としては「思考・マインドが停止している時間の割合を増やす」というのがある。別の言葉で言えば、「頭の中のくだらないお喋り、非生産的でネガティブなお喋りをやめて、静寂・平安を保つ」。

もう1つの方法が今回のテーマである「受容」であり、「出来事や状況を全て受け入れる」ということである。これはこれで「できるわけないじゃん」と思ってしまうが、努力というか意識の向上の方向性の1つではあるわけである。

受け入れることができないから苦しむ。受け入れることさえできれば、人間というのは案外適応するものである。

「失業」⇒(苦しみ)⇒(受容)⇒(開き直り・転換)⇒もっと良い仕事に就くチャンス、人生を変えるチャンス

 

「ガン」⇒(苦しみ)⇒(受容)⇒(開き直り・転換)⇒残りの人生は好きなことをやって生きよう⇒(好きなように生きていたら癌が消えてしまった)

こんな感じに。普通はこの苦しみがそれなりに長期間続き、その後やっと諦めて現状を受け入れることしかないということに気付き、それから転換していく。

ここで問題なのが、苦しみの期間。受容できなければ、苦しみの期間がそれだけ長く継続する。

典型的なのが、他人を数十年恨み続けているというやつ。さっさと受け入れて、許して、忘れて楽になってしまえばよいものを。数十年間恨み続けることになった最初のきっかけは、確かに相手がつくったものなのかもしれない。相手が悪かったのかもしれない。しかし、それを維持・継続しているのは自分である。

エゴ(個人意識)の視点からは到底納得できないことだってある。なぜこんなことが起こったのかわからないことはたくさんある。過去生からのカルマ(過去生では逆の立場だったとか)なのかもしれないし、魂を成長させるための機会なのかもしれない。

エゴにはわからないのだけれども、受容するしかない。そして「受容」、あるいは相手が存在する出来事だと「許し」というのは誰のためにやるのかというと、自分のためにやるのである。苦しまないために。

だから、できる限りさっさとやった方が自分のためなのである。理想論になってしまうが、どんなにネガティブに見える出来事でも1秒で受容できたとしたら、1秒しか苦しまないのである。

もちろん、これは私もできない。しかし、1年よりは1か月がよいし、1か月よりは1週間がよい。1日ならもっとよいし、1分ならほとんど苦しまない。

この受容までの時間を短くしていく訓練をやっていこうと思うのである。実は似た訓練は既にやっている。自分の思考・感情の観察である。怒りやイライラなどの感情が発生するのを自分で観察していて、認識する。そして、それに2次的に巻き込まれないように、できる限り短時間で、できれば瞬間的にそのネガティブな思考・感情を切り離す(フォーカスをはずす)という訓練である。訓練次第では、小さな事なら1秒以内に切り離すことができるようになるのである。

この話は以下の記事を参照。

覚醒に向けた意識レベルの向上のために(7)

「世の中や相手は変えられない。変えられるのは自分だけ。」

よく言われる言葉であるが、まさにこれ。自分の気持ちを自分で変えるしかないのである。

そして、究極的に言えば、「受容」しか選択肢はないのである。出来事に抵抗するから苦しむのであるが、最終的には諦めて「受容」するしかない。これは、さきほど「失業」「ガン」の例で説明した通りである。だから、延々苦しんでから受容するか、もう少し早めに受容するか、さっさと受容するか、瞬時に受容するかの違いであって、結局「受容」しか選択肢はない。これを知識として知っておくと、延々と状況に抵抗して苦しむことのムダさ加減がわかるから、早めに受容できるようになるかもしれない。

ここで1点注意点があって、受容とは「これからも同じ状況を我慢して受け入れる」という意味ではない。例えば、相手がいるようなことの場合、受容して許したうえで、場合によっては人間関係を終わりにするということである。これで1つの学びが完結して、あとは嫌なことは忘れてしまってよい。受容とは、既に起こってしまった出来事や状況を受け入れることを言っていて、嫌なことでも何でも我慢するという態度とは無関係であることに注意したい。

そういったことの対処法は以下の記事を参考にしてほしい。

無視・無関心・逃げの重要性

 

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