来シーズン、過去2度のワールドチャンピオンに輝いたフェルナンド・アロンソは、ブラジル人ルーキードライバーのネルソン・ピケJr.と共にルノーからチャンピオンシップに参戦することになった。

また、テストドライバーには2007年F3ユーロシリーズの王者であり、ルノーのドライバー育成プログラムのメンバーであるフランス人ドライバー、ロマン・グロジャンが就任。

アロンソは2007年シーズンよりマクラーレン・メルセデスに移籍したものの、1シーズンを終えた後、ルノーF1チームに復帰する。アロンソは2003年から2006年までルノーに所属し、同チームで15勝を挙げている。また、2005年と2006年には世界王者の称号をルノーと共に手に入れた。アロンソは2008年に常勝チーム復活を目指すルノーにとって、重要な役割を担うことになる。

一方、2006年のGP2シリーズを2位で終え、2007年シーズンはルノーのテスト兼リザーブドライバーを務めた22歳のピケJr.がレースドライバーに昇格。彼のF1デビュー戦は2008年オーストラリアGPとなる。

ルノーの2008年型マシンR28の初走行は、来年1月22日(火)から24日(木)までの3日間にわたって実施されるバレンシアテストになる予定。また、公式の新車発表会はルノー本社のあるフランス・パリで2008年1月31日(木)に開催されるとのことだ。

フラビオ・ブリアトーレ(INGルノーF1チーム マネージングディレクター)

「フェルナンド(アロンソ)とネルシーニョ(ピケJr.の愛称)のコンビは、2008年の最もエキサイティングなドライバーラインアップのひとつだろう」

「われわれは偉大なる成功を収めた場所であるルノーに、フェルナンドが帰ってくることを歓迎し、とてもうれしく思う。彼のドライバーとしての能力、さらにチームのリーダーとしての能力については、よく知っており、さらなる強力な関係が築けることを楽しみにしている。加えて、彼自身、チームをよく知っており、どう働くかも分かっているので、すぐにこの環境を居心地良く感じることだろう」

「ネルシーニョはモータースポーツ界で、最も将来有望な若手ドライバーの1人だ。GP2での活躍後、彼はわれわれのテストドライバーとして1年間、多くのことを学び、チームにも慣れている。彼にとって、次なるレベルに昇格するべき時は熟した」


バーナード・レイ(INGルノーF1チーム社長)

「過去数カ月、チームは一丸となって上位チームに復活すべく働いてきた。そして、最高のドライバーラインアップは、われわれの目標を達成するにあたり、必要不可欠である。最近の技術投資、そしてフェルナンド・アロンソのチーム復帰、さらにネルシーニョ・ピケ(ネルソン・ピケJr.)の台頭など、すべては来年、常勝チームへと復活するためにつながっている。また、ルノーは才能ある若手フランス人ドライバーのテストドライバー就任を喜ばしく思っている」

D.B. (c) CAPSIS International
Source Renault F1 Team
Jim
RACING-LIVE Japan


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ネルソン・ピケJrは、先々週のルノーのテストとGP2での経験を比較し、来年のF1マシンが関係者のいうような技術の試金石とはならないかもしれない、と述べた。
 来季F1のレギュラーシート獲得を目指しているピケは、ルノーF1の公式ウェブサイトで、まもなく禁止されるトラクションコントロールシステムの搭載されたF1マシンは乗りこなすのが簡単だったと語った。また、ピケは2006年にGP2で選手権2位を獲得しているが、そのGP2マシンと比較すると、たくさんの電子機器を取り去られる新種のF1マシンもさほど扱いづらくなかった、とも評した。
「ドライバーエイドがあるとこんなに簡単なんだということにビックリしたよ――マシンが暴れることも少ないし、ためらわずに縁石に乗っていくことができるんだ」とピケは語った。彼は2008年型のGP2マシンをコース上でテストしている。
「ラインを外れることなく、思い切りアクセルを踏めた。ECUが仕事を引き受けて、グリップに応じてパワーをかけてくれたからね。タイムのことを考えるとすごくいいことだけど、取り立てて特別な能力は必要とされなかった」
「(トラクションコントロールがないと)すごく難しいだろうと思っていたから、嬉しい驚きだった。僕が経験したGP2カテゴリーでは、マシンにかなり強いダウンフォースがかかるし、ドライバーエイドなしでスリックタイヤで走る。マシンに乗っている時は、正直言って、常にすごく忙しいんだ」
「ある意味では、トラクションコントロールなしのF1マシンをマスターするのは、GP2マシンに慣れるより簡単だ。V8エンジンになったことで、F1ドライバーへの移行が簡単になったということもある。トラクションコントロールなしのV10だったら、はるかに手強く、もっとドライブしにくかっただろうね」
 ピケは、“よりシンプルな”F1マシンに合わせるために、ドライビングスタイルを変更しなくてはならなかったと認めた。
「確かに、2008年のマシンは2007年のマシンのようにはドライブできないよ!」とピケ。
「位置取りをもっとずっと慎重にしなくちゃならない。それは、以前の方がずっと簡単だった。スライドの仕方をよくコントロールして、右足に注意を払う必要がある。ドライバーにとってははるかに楽しくなるよ」
「もちろん、しばらくは、ラップタイムは前と同じようにはいかないだろう。でも間違いなく、昨シーズンのレベルまで徐々に回復していくと思う。ただ新しいセットアップに慣れて、自分の目印を見つければいいだけだ」
「最大限のトラクションを得るために、リヤサスペンションをより柔らかくする必要があるだろうし、他車の後ろを走り、オーバーテイクを試みるときには、タイヤの摩耗にもかなり気をつけなければならないだろう」
「トラクションコントロールがついた状態でいいマシンなら、それがなくなってもいいマシンだろうね」


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SUPER AGURI F1チームの鈴木亜久里代表は、23日に行なわれた『Honda Racing THANKS DAY 2007』において報道陣の取材に応じ、「大変だけど、自分の決めた道なんで」と語った。

 来季からは、他チームによって設計製作された、いわゆるカスタマーシャーシの使用が認められる方向で新コンコルド協定の調整が進められていた。しかし未だ最終的な締結には至っていない。コンコルド協定の行方はSUPER AGURIに大きな影響を及ぼすと考えられるが、鈴木代表は、「来年のメルボルンでお会いしましょう。解説してたりして(笑)」と冗談を交えながら、「どういう形になっても、ちゃんと対応できるようにはしています。問題ないです」とコメント。

 今季は佐藤琢磨、アンソニー・デビッドソンというドライバーラインアップで戦ったSUPER AGURI。来シーズンのドライバーについては、「すごくいいコンビでチームにとけこんでいると思うし、あまり大きく変えるつもりはない。彼らと仕事をしていくのはすごくハッピー。アンソニーは、テストドライバーを長くやっていたから前半苦労していた部分もあったけど、後半になってからはすごくいいパフォーマンスを見せてくれていて、せっかくここまで来たんだから僕的には離したくない」と語り、基本的には今シーズンと同じドライバーラインアップでいきたい意向を示し、サードドライバーは未定と明らかにした。

 また、ガソリンの価格高騰について質問を受けると、「政治的に価格が上がっているだけ。値段のこととは別に、環境やCO2の問題に『F1だけが関係ない』とはいかないんで、バイオ燃料を使ったり、F1の世界も世の中の流れに対応していかないといけない。皆に見せられる形で環境問題に取り組んでいく方向にはなると思う」と応じた。

 そして来シーズンに向け、「一個ずつ階段を上がるべく努力はしてる。でもレースだから、去年あれだけ活躍していたルノーが一個踏み外してうまくいかないこともある。自分たちのできることは一生懸命やっていって、レースは蓋をあけてみなければわからないのが正直なところ。毎年大変ですよ。来年も大変。どこのチームも大変なんじゃないですかね。大変なのは大変だけど、自分の決めた道なんで」と決意を見せている。

 具体的な目標を「トップ10ではフィニッシュしたい」と定め、「今年は最後にHondaとトーロ・ロッソに(上へ)いかれちゃったのがちょっと悔しいんですけど(笑)、去年はああいう形でドタバタでチーム作ってレースやっていたのが、今年はポイントを獲れてレースができるようになった。少しずつポイントを稼げるようになっていかなきゃいけないし、そうなるべく頑張っていく。来年はトラクションコントロールが使えなくなる。スタートも面白くなって、スピンするマシンも出てくるだろうし、もっとドライバーの仕事が増えるんで、見ている方にとっては面白いんじゃないでしょうか。そういう隙間をぬっていきたい」と語った。


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