特攻に殉ず 地方気象台の沖縄戦
中公文庫
著:田村洋三
航空特攻作戦という「邪道の用兵」を米軍の猛攻にさらされつつ
的確な気象情報提供で黙々とアシストした
沖縄地方気象台職員たち
厳粛な人間ドラマ。
アメリカ軍の「鉄の暴風」にさらされながらも自らの身体を隠す壕もない間に合わせの待避所に踏みとどまり
的確な気象情報を送り続けた男たちがいた
凄惨を極めた沖縄戦のさなか航空特攻作戦をアシストするために
黙々と活動を続け、アシストした沖縄地方気象台職員たち
38人の職員のうち33人が戦没した知られざる物語
前回はドラマにもなってますし沖縄戦では島田知事は比較的高名な方でした
私もお名前やちょっとした話は聞いたことがありました
今回の沖縄地方気象台の話は恥ずかしながら初めてでした
考えてみれば軍が作戦を行うには気象は重要な要素です今でもそうですがそれは軍だけでできるものではありません
当然地方人(軍で軍以外の人たちをさす表現)
の力を借りる必要があるわけですね。
特に沖縄戦では航空特攻がかなりの比重を占めるわけでその成否は気象情報がかなりの影響を及ぼすでしょう
そのために命懸けで気象情報を送り続けた人たち
の姿は胸を打つものがあります
反面、気象情報を無視して無謀な作戦を命じる参謀や県知事の時と同じように敵前逃亡とも言える行動をした人もいる
さらに気象台職員が軍属になったとたん
手のひらを返したように態度を変える軍人
など人間の嫌な面も見えますが
そのような現実から目を背けずに学ぶことが必要だと思います
沖縄に行く機会があれば「琉風之碑」を訪れてみたいです