樺太1945夏 氷雪の門
今月、靖国神社で特別上映されている作品を紹介します
時は大東亜戦争末期、日ソ中立条約を一方的に破棄
(いまだ有効期間中にもかかわらず
)してソ連軍が各地に侵攻
南樺太も例外ではなく、弱体化した日本にそれを止める力はありません
日本のポツダム宣言受託後も戦闘を続けるソ連軍
に在留日本人は避難を開始、そんな中でギリギリまで通信
を確保するために残留した交換所の女性
たちの話です。最後に彼女達はソ連軍に捕まればどんな目に会うかもわからないと自ら命を断ちます
2008年には同じ題材をもとにドラマ化されていますのでご覧になった方も多いと思います。
戦争は悲劇です前線に赴いた夫(形だけ結婚をしたような感じですが
)の無事を案じ、当時の物質欠乏の中でさほど甘くもないお汁粉
をささやかな楽しみにしているような女性達
が犠牲になるなんて。戦争は起こしてはいけないものなのです
しかし、この作品の問題は他にあります作品そのものではなく、当時の公開にあたっての問題です
作品中にソ連を非難するような描写が出てきます
停戦後も戦闘を続行
停戦交渉に出向いた非武装の軍使
や避難民に対する殺戮
ポツダム宣言受託後にもかかわらず引き揚げ船に対する攻撃
など今では事実であるとされている戦時国際法に違反していることです
ところが、ソ連からの横槍が入って上映中止に
先に映画「靖國」の上映中止に対して「表現の自由」とか騒いだ
方々(の先輩たち)は素直に受け入れたようで
ロードショーは中止に
一部独立系のみでの上映となりましたが、平成の世に再び話題を呼びつつあります
少し離れましたが戦争の悲劇を伝えるためにも、もっと評価されても良い作品だと思います
遊就館での上映は今月一杯ですが、DVD
も出ているようなので、機会があれば御覧になることをお薦めします
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