ワルキューレ
本日は割引の日であったので「ワルキューレ」を観てきました
ヒトラー暗殺計画をネタにされてはミリタリー&歴史オタクとしては見ないわけにはいかないでしょう。お客さんにはトム・クルーズが目当てな方が多いようですが(;^_^A
ストーリー的には暗殺実行で終わらず、その後政権奪取の方が重点であったのは結構斬新だったと思います。史実は失敗しているのが判っていても結構引き込まれるものがありましたね。後半の政権を奪取しようとするシーンはテンポも良く、かかわった人たちの決断一つで暗殺自体は失敗してもその後の処置がうまくいっていればもしかしたらクーデターは成功したかもしれないとか思わせたり
登場した兵器類もよく出来ていたと思いました。チラッとしか出ていない戦車や航空機も上出来でしょう。序盤のアフリカ戦線、東部戦線から中盤以降の「狼の巣」やベルリンの場面の車両や火器
類も、全編通じて軍服も考証がしっかりしているのではないでしょうか。
そうはいってもやはり不満な点はあるわけで、よく出来た映画だからこそ、細かいところですが気になります。
まずは台詞が英語、製作がアメリカだから仕方ないのかもしれませんが、過去の名作の中にはちゃんと映画の舞台となる国の言葉で出来ている映画もあるわけで、少々物足りなかった
2つめは軍事用語の誤訳、戸田奈津子さんでも軍事用語は苦手なのでしょうか?ストーリーと直接関係ないので良いのかもしれませんが、Divisionは師団、army groupは軍集団なわけで、それを中隊とか訳されると部隊規模が全然違うので違和感を感じます総統大本営で「3コ中隊を増援」ってそんな小さな単位の話してるの?とか「第○師団は第×師団を喪失」とか言われたらエッ?と感じるわけです。装備や服がよく出来ていただけに、訳すときもしっかりやっていただきたかった。もっともこれは前の話であげたセリフが英語だったからわかったんですが
もう一つはシュタウンフェンベックの残された家族の後日談を入れてもよかったのでは。途中で結構家族のことを気にかけているシーンがあったのに出てこないのは不思議でした
結論は、トム・クルーズ目当てでなくても、歴史やサスペンス(?)好きにも十分に鑑賞に堪える作品だと思います。