何時もご覧頂きありがとうございます。

 

まだ寒さが厳しい頃に、昨年購入したL-5CSENの売主に「何か良いアーチトップは無いですか?」と聞いたらこの話が出ました。

これが、その買えるかも知れないギターです。

Gibson L-5の最初のカッタウェイモデルL-5P(Premier)です。

1939年に発売され、戦争を経て1948年迄造られてその後はL-5Cに名称が変更されました。

L-5初のカッタウェイモデルでノンカッタウェイと併売され、Premierと言う名称で区別されて登場しました。

この個体は標準では無いPG一体式のマッカーティーPUが装着されています。

本来はPU無しのアコースティックギターです。

これがオリジナルのオプション装備かは現時点では不明です。

 

戦前スペックのL-5はバブルメイプルと呼ばれる玉杢が採用されています。

バーズアイより大きくて美しい杢です。

滅多に見掛けない材です。

当然、キルトやカーリーより希少で超弩級の高級材です。

サイドはカーリーメイプルです。

画像はその個体その物で、ご覧の通りの超絶極上MINTです。

約80年もの年月を経たとは思えない素晴らしいコンデションです。

そして、そのバックの杢も国宝級の極上材です。

その上ブロンドフィニッシュ(ナチュラル)のL-5PNは全部で53本しか出荷されていない超レア物です。

 

(この画像は他のギターから拝借)

ロゴは憧れのScript logoです。

近年の復刻版では無く、本物の戦前ロゴです。

CMIに買収される前のオリジナルのGibsonロゴです。

それもJ-45等の安っぽいシルクスクリーンでは無く、豪華なMOPインレイです。

超カッコ良いです。

 

L-5Pはエリック・クラプトンの愛器として広く知られています。

これは後付けPUのL-5PNコンバージョンです。

 

氏は、オリジナル仕様のL-5PNも持っています。

どちらもPGはレプリカが装着されています。

これは当時のセルロイド材が経年劣化に弱いので仕方の無い事です。

 

エリック・クラプトンは本当にL-5が好きで、もう1本のこれも知られています。

こちらは戦後の1953年のシングルPU仕様のL-5CESNです。

全てブロンドです。

好みも有りますが、より希少なので選んでいるのでは無いでしょうか。

そして、流石にどれもが素晴らしいコンディションです。

 

今回お話を頂いたギターは売主さんのお宝です。

この売主さんはヴィンテージギターショップを永年経営されていて、今はリタイヤされて悠々自適の生活を送っています。

その方から前に買ったL-5は奥様用で、こちらは氏ご自身の物です。

その時に「もっと良いL-5を自分用に持っているけど、それは絶対に売らない」と言っていました。

でも、取引を通じて仲良くなったので譲ってくれる気になったそうです。

メールのやり取りは軽く50回を超えています。

ギター以外の趣味の話まで膨らんで、本当に友達の会話になっています。

 

氏は現在カリブ海の別荘で優雅に過ごしています。

自宅周辺が暖かくなって、帰郷するまでL-5PNの話しはお預けです。

問題は私に買える金額かどうかです。

そろそろ暖かくなったのでその答えが出ると思います。

買えれば少なくとも国内にこれ以上のL-5は無いでしょう。

そもそも国内に何本のL-5Pが有るのかさえ不明です。

有っても10本位だと思います。

Gibsonギターとしてはバーストより遥かに希少で高級なギターです。

そろそろメールが来る頃です。

 

宜しくお願いします。