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今回突然欲しくなったL-5ですが、殆ど何の予備知識も無く購入に至りました。

買ってから色々と本を探したのですが、日本国内での出版物は皆無でした。

そこでAmazonの海外出品で出ていたこの本を買いました。

海外からなので日数が掛かり、本日到着しました。

早速中を見ると1923年の誕生からの歴史が詳細に記述されています。

かなり強力な専門書です。

 

仕様の変遷をグループに分けて解説していますが、その中でやっぱりと言うか当然と言うか”ノーリン時代”が仕分けされています。

わざわざNorlin L-5CES何て言う名前を頂戴しています。

長いGibsonの歴史では暗黒時代とか黒歴史とされているので当然では有ります。

実際、その品質は目に余る程酷く、日本のコピー品に凌駕されて経営状態が瀕死の重傷に至ったのは誰もが知っている歴史です。

Norlin Les Paulを1本持っているのでその低品質は良く知っています。

ハッキリ言って事故物件です。

(当時、バカなので他にも買っています)

良い子の皆さんはこの年代のGibsonには手を出してはイケマセン。

Birth Yearとか妙な妄想に駆られて買う人が居ますが、ご注意下さい。

それって全然ダメなGibsonです!

(70~86年のGibsonは避けて下さい)

この時代のGibsonは100年経ってもヴィンテージにはなりません。

只の中古ギターです。

ヴィンテージは古いと言う意味では無いです。

 

今回の購入に際しては、予備知識は皆無に等しかったのですが、Norlinだけは外したかったのです。

Norlinかも知れないけど、仕様がそれ以前なのでぎりぎり違うのではと言う期待が有りました。

一般的に69年からがノーリン時代とされていましたが、実際に経営が移ったのはその年末だったので私のL-5CESNはノーリン時代の物では無い事が判明しました。

そしてこの書に因るとNorlinでは無い何よりの証がこのラベルです。

このオレンジラベルがNorlin L-5になると黒ラベルに変わります。

完全にNorlinでは有りません、ヤッター!

 

70年からGibsonロゴは変わるし、バックの木取りもワンピースから2ピースになる等大きな仕様変更がされています。

ブランドの顔であるロゴを不細工にしては絶対にイケマセン!

他で手を抜いても此処だけは絶対にダメです!

だってここに大枚を叩くんです。

ありがた味が滅茶苦茶下がります。

 

これで69年と70年のたった一年での大きな仕様差の根拠が分かりました。

69年までに線引きして選んで大正解でした。

 

そうは言っても1965~1969年はTransitionと言われてそれ以前の物ほど良くは無いです。

最大の改悪は17度から14度にされたヘッド角です。

テンションが弱くなるとか、ヘッド折れのリスクが減るとかもっともらしい理由を言う人が居ます。

それは間違いです。

角度を浅くする事に因り、木材の節約が出来るからです。

これは60年代に入り急激に増えたエレクトリックギターの需要に対応するには少しでも材料を節約して本数を増やす為です。

最善の角度で設定されたのが伝統の17度です。

音質に少なからず影響する最良のヘッド角をこの年代に捨てました。

大バカです。

 

とは言え、その後のNorlin時代に較べれば然程の改悪では有りません。

この程度はNorlinの悪行に較べれば可愛い物です。

 

その他はモダンになったネックプロフィールです。

細く丸く仕上げられたネックです。

より弾き易くを狙った時代に沿った変更です。

コストコンシャスでは無いです。

このネックは良いです、好きです。

 

69年 L-5CESNの生産数は55本です。

これでも歴史的には多い方です。

因みに皆の憧れの年、1959年はサンバーストもナチュラルも1本も作られていません。

これって、単に人気が無いだけでしょうか?

ちょっと微妙では有ります。

 

何はともあれ。大変貴重なギターが最高の状態で私の元に来たと言う事を喜んでいます。

このギターはきっと良いギターだと踏んだ勝利でした。

そこそこ偉いぞ、ボクのL-5CESN。

 

宜しくお願いします。