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L-5CESNですが、非常に良い状態です。
とても1969年製とは思えないです。
綺麗な理由の一つに、このギターは家弾き専用器だったと思います。
と言いいますのは、ボディーは略無傷と言えますがそれなりの時間が弾かれた事をしめすのがフレットです。
過去に最低でも1回は擦り合わせをされています。
ですが、それがお世辞にも良い仕事とは言えない物です。
そして、段付き減りも有ります。
でも、何の問題も有りません。
手慣れた手順で良い状態に修復します。
既に#3000の砥石でレベリングが終わり、フレットの形状を修正します。
レベリングはハイフレットに僅かなバズが確認された程度だったので直ぐに終わりました。
でも、形状が悪いです。
そこで、クラウニング作業をします。
この時代のGibsonは低くて平らなフレットですが、好みでは無いので丸く整った形状にします。
11フレットの作業中です。
黒いマーキングが殆ど消える迄削ります。
まだ途中なのに結構な削粉が出ています。
クラウニング作業が進んでいます・
この削り粉からも状態が分かります。
頂部が丸くなるまでこんなにカスが出ます。
擦り合わせではそれ程頂部を削っては居ませんが、元の形状が良くないので手間も掛かります。
近年のGibsonは普通に丸く整形されています。
今回は荒目のと細目の両方を使って仕上げました。
このクラウニングヤスリは使い易いです。
慣れているので普段はマスキング無しで作業をしますが、今回はこの時点でマスキングをしました。
最初から分かっていましたが、フレットの断面形状に段付きが有ります。
恐らくは過去の作業でサイズの違うクラウニングヤスリを使ったのでしょう。
正規は2ミリですが、1ミリを使った様です。
仕方が無いので、フラットヤスリで段付きを取ります。
クラウニング専用ヤスリとは違い、平面ヤスリを使ってヤスって行きます。
様子を見ながら少しずつ削ります。
根気を要する作業ですが、頑張ります。
そして完成したフレットからは全ポジションでバズの無い一様に澄んだ音が発せられます。
伊達に沢山のギターを買っていません。
この作業は一般的なリペアショップより遥かに上手い自負が有ります。
PLEKより良い仕上がりです。
その後は弦を張り直して試奏です。
綺麗に揃ったフレットは更に良い響きを発します。
今回も大成功です。
ギターの調整は非常に大切です。
これの良し悪しで演奏性も音質も大きく変わります。
吊るしのギターしか知らない人が私のギターを弾いたら驚かれる事でしょう。
宜しくお願いします。