何時もご覧頂き有難う御座います。

 

誰も興味がないであろうL-5についてです。

実は私も買ってから調べると言うていたらくです。

 

この名称の内訳は大方察しがつくと思います。

Lはアーチトップギターの事です。

次の5は普通にモデルネームです。

アーチトップの5型と言う感じでしょう。

 

このL-5ですが長い歴史が有ります。

1923年に発表された時点では普通の生ギターでした。

何と明治56年です。

自動車に乗っていたのは天皇陛下くらいの時代です。

日本の弦楽器と言えば三味線か琵琶と言う感じでしょうか?

もしかすると鹿鳴館で弾かれたかも知れません。

 

時は過ぎ、これじゃ~ハイポジションが弾き難くてしょうがねぇ~よ!

と言う事でチョイとぶった切ってカッタウェイです。

CはCutawayのCです。

発表当時は無かったカッタウェイが付いた時点でCになりました。

てな訳でL-5Cになりました。

 

それから更に時が過ぎ、会場が大きくなったり、フルバンドで隅っこに追いやられて淋しい思いをしないように電化します。

電気の力を借りればバカでかい音のラッパ隊に負けません。

文明開化です。

そんな訳でPUを付けてElectric SpanishでESです。

L-5 CESになりました。

P90~アルニコⅤ~皆大好きPAFへと変遷します。

 

その後ナチュラルが追加されNaturalのNが最後に付きます。

L-5 CESNになりました。

箱物のナチュラルはスプルースの杢目を選別して奇麗な物を使うので、塗装は簡単なのに追加料金が発生します。

私のL-5も薄っすらと杢が出ているのが確認出来ます。

故に、わざわざ型名にNを追加しています。

そうして変遷を経た物がL-5CESとCESNです。

 

何を思ったか、1960年位から68年迄はカッタウェイの先端がES-175と同じ形になりました。

ちょっと迷走しています。

フローレンタインと言うらしいです。

私はこの形は始めから選択肢から外しました。

好戦的で可愛く無いです。

その間も丸いのは有った様です。

1969年からは本来の丸いものだけに変更されました。

只、少数の注文生産のギターなので細かい仕様違いは有った様です。

何分にも不人気モデルなのか、資料が余り有りませんので良く分かりません。

 

てな訳で私のギターになりました。

PGが外れていますが、勿論オリジナルが付いて来ます。


 

以上から私の1969年のL-5はカッタウェイで電気がついて、更にナチュラル仕上げのアーチトップギターと言う事です。

先の尖がったホーンは嫌いなのと、59年迄のは初めてのフルアコには価格的にちょいと厳しい。

でも、70年以降はダメらしいと言う事は68年か69年になります。

しかも汚いのは嫌です。

とても狭い範囲での選択肢です。

そんな条件なのに”買おうかなぁ~”と思って師匠に相談したら、あっと言う間(二晩)に見つかってしまいました。

何たる幸運でしょうか。

奇跡と言っても過言では有りません。

 

そんなL-5ですが、近年は特別シリーズのクリムゾンとして受注生産されていましたが、職人の高齢化と不人気故に生産終了になりました。

削り出しトップの箱物が作れる職人は5人しか居なかったそうです。

やっつけ仕事でも出来るES-175もカタログから落ちています。

今時こんなギターを使ってジャズをやろうなんて酔狂な人はいないんですね。

デジタル技術が発達した現在では、ソリッドギターでも充分ジャズは出来ます。

と言う事は、今後の値上がりは期待出来ないでしょう。

知った事ではありません。

 

何分にもここ一週間位で得た知識です。

怪しい部分も有りますが、ご容赦ください。

 

これを見ても誰も欲しくならないであろう、何の役にも立たない情報でした。

 

宜しくお願いします。