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2本のR4の続編比較です。

 

当たりや外れ個体と良く言われます。

材は勿論ですが、作りの誤差も関係しています。

多数のレスポールを買ったからこそ分かった事がいくつか有ります。

店頭で訳知り顔で試奏しているだけの人には絶対に分からない事の一つです。

 

ブリッジの高さでネックの仕込み角が分かります。

そしてブリッジの位置でも組付け精度が分かります。

TOMは勿論、バーブリッジでも同じです。

TOMはサドルの状態で分かります。

バーブリッジはオクターブ調整用のセットスクリューの出面で分かります。

当然、バーブリッジならセットスクリューの出面が少ない方が精度が高い、上手く出来た良個体となります。

 

Gibson Japan R4です。

Wildwood Spec R4です。

この全体を見ただけで出面の差が分かります。

勿論、スタッド上面とブリッジの位置関係でも分かります。

 

6弦側の比較です。

Gibson Japan R4です。

スクリューの出面は2.7㎜です。

 

Wildwood Spec R4です。

こちらは1.2㎜です。

こちらの方が全然優秀です。

 

1弦側の比較です。

こちらは奥に入っています。

面から-0.4㎜です。

 

Wildwood Spec R4です。

こちらは面から-0.2㎜です。

スタッドの出面は差が少ない方が作りが良い証です。

Wildwood Spec R4の勝ちです。

 

先の測定から更に調整が進んでブリッジは下がっています。

Gibson Japan R4です。

スタッド上面からトップが6弦側:17.7㎜ 1弦側:17.4㎜です。

フレット高は1.1㎜です。

Wildwood Spec R4です。

同じく6弦側:16.5 1弦側も16.5㎜です。

こちらのフレット高は1.5㎜と0.4㎜高いです。

どちらも同じ弦高にセットして有るので、ネック仕込角に因るブリッジ高は1.6㎜位差が有ります。

ブリッジは低く設定出来る方がPUとの位置関係も良好だし、何より見た目がカッコ良いです。

勿論、大差でWildwood Spec R4の勝ちです。

 

今回の検証からもWildwood Spec R4の方が出来が良い事が分かります。

そして、この個体が当たりだと言えます。

これが単なる個体差なら良いですが、Gibson Japan向けの作りなら大問題です。

Bクラスレスポール確定です。

特にPSLやM2Mだと余計に危険な感じです。

そう言えば、今回のMurphy Lab R4はPSLです。

Hand Selectも全てPSLなので同じです。

PSLやM2Mを微妙に喜んでいた私は騙されていたのかも知れません。

 

良く言われる個体差で”当たり”とか”外れと”かは材だけでは無く、作りの良し悪しが大きく影響します。

どの年代は材が良いから貴重とか、そんな事で仕分け出来る程簡単では有りません。

それなりの数を所有して初めて分かる事です。

過去に外れ個体を経験して、それらが何故ダメなのかを考察して分かった事です。

店頭買いをする場合、試奏はしません。

自宅と違う環境での試奏に大きな意味は無いと思うからです。

それよりも、手にしてこの様な個所を確認するとどんなギターか凡その判断が出来るからです。

ネック仕込角の浅い個体に外れを経験した事は有りません。

同じくきつくて、ブリッジが高い個体に良い印象を持った事も有りません。

TOMの場合はサドルの並びと位置でも状態が推測出来ます。

サドルが後方寄りの処まで使っている個体は外れの可能性が高いです。

外れの個体を買ってしまったら我慢して付き合うか、諦めて手放すかのどちらかです。

でも、多くの個体を経験していない人は分からないで何となく使い続けているんだと思います。

それでも、見た目が気に入っている場合は当たりと思っても良いと思います。

これらの点に注意して良いレスポールを買いたいものです。

 

今回は同生産期の個体を比較したので確実度が高いと思います。

しかもMurphy Labは標準のリイシューモデルよりも上位です。

それなのにこの状況を見るとGibson Japan物を買うのは怖いです。

 

これでWildwood Specのレスポールは4本になりました。

そして、それらは他のどの個体よりも良いレスポールです。

上位4位まではWildwood Specで占められました。

下位から順番に売約予定です。

 

宜しくお願いします。