良いレスポールの最大要因は軽さに有ると再三お伝えしています。

数多くのレスポールを購入しての結論ですので間違い無いと思います。

そしてもう一つの重要な要素がネックの仕込角です。

2本のカスタムを例にあげます。

(見難い画像でスミマセン)

 

54カスタムです。

ブリッジの高さがナットで見ると5ミリ強有ります。

57カスタムです。

こちらは約4ミリです。

どちらもネックは略ストレート、弦高も略同じです。

でも、ここの高さが約1ミリ違います。

それはネックの仕込角に差が有るからです。

勿論、ブリッジが高い=仕込角がきついと言う事です。

これはまさに個体差です。

 

ヒスコレは各モデル全て4度に設定しています。

組み込みには専用のゲージを使用して、篏合部の微調整をして組み込んでいます。

それでも仕込角には差が出ます。

膠接着になり、組付け部の精度が向上したので誤差は少なくなりましたがそれでも避けられない差が有ります。

 

膠は粘度が低いので接着面精度が低いと狙った剛性は得られませんし、そもそも接着出来ません。

それがタイトボンドの登場で低精度の接着面でもなんとか形を成す様になりました。

経営がノーリンに変わり、コスト至上主義になった68年位からの事です。

杜撰な加工に因る接着不備は現実にありました。

私の76年STDは微妙にトップと指板の処に隙間が有ります。

(購入から1年位で発症~現在に至る)

70年代~80年代位の個体ではネックが抜けると言う事例さえ有りました。

レスポールを始め、ギブソンの黒歴史の期間です。

15年のTH登場でかつてのレスポールの姿に近付きましたが、それでもこの様に人的な個体差は避けられません。

 

重量は購入時に分かりますので問題有りません。

軽いのを選べば良いだけの話です。

でも、ネックの仕込角の判断は非常に難しいです。

店舗でネック、弦高、それらをきちんと揃えて確認する事は略不可能です。

大まかな判断になります。

賭けと言っても良いと思います。

それでもヒスコレは許容範囲なので許せます。

とは言え浅い方が優良個体には違いないです。

 

レスポールは1度の仕込角で始まりました。

ブリッジの変更で3度に変更され、60年には5度になりました。

この変遷に因るトーンの変化は確実に有ります。

特にサスティーンには影響が有ります。

60年のバーストはネックの厚みと角度が違うので一部の極上杢を覗いてはバーストの中では評価が低いです。

手持ちのレスポールの中でもブリッジが高い個体は鳴りが良く無いです。

低い個体程エアー感を伴うふくよかなトーンです。

あくまでも個人的な好みですが、当たりのレスポールになります。

 

因みに安価なGibson USAブランドのSTD等は仕込角がトンでも無い事になっています。

ブリッジとテールピースのセッティングを見ると驚きます。

楽器屋さんの説明では7~8度の仕込角との事です。

こんな物はもはやレスポールとは言えません。

知らないで買うのだと思いますが、あれでレスポールを評価して貰いたくないです。

レスポールは激重とか、音が抜けないとか、モコモコした音等々レスポールの低評価は全てロクでも無い個体での判断です。

正しいレスポールを買って、楽しく弾いて貰いたいと思います。

 

最後に重量と仕込角なら重量を優先させた方が良いです。

でも両方揃えば大当たりの個体と言う事です。

 

宜しくお願いします。