一身上の事情でヘッドはお見せ出来ない中国製のレスポール風味です。
世間では“チブソン”と呼ばれて親しまれています。
こちらのギターはeBayで見掛けて冗談で買いました。
とは言う物のギター弄りの練習台が欲しかったので安物を捜していたのです。
こんな物を造るのは勿論中国で、送料込みで$200でした。
当時の為替相場で2万円ちょっとでした。
トップは印刷なのか薄板の貼り付けなのか一応トラ目のメイプル風味です。
バックはマホガニーと主張していますが、全く信用出来ません。
そしてこれが凄い事に4ピースです。
一見3ピースに見えますが、何と端っこが1ミリに満たない位で継がれています。
少し色が違うのですが分かりますか?
ヒョウタンの尻尾側はもう少し幅広いの分かり易いです。
それにしても凄い木取りです。
何にも考えていません。
もう1ミリ左にずらせば少しは見た目が向上した物をそんな事は全く考えていません。
現場の雰囲気が伝わります。
そこにはクラフトマンシップと言う言葉は存在しません。
何となく与えられた仕事をこなす杜撰な従業員の姿が見えて大変微笑ましいです。
多くはイヤイヤやっているパート従業員でしょうか?
指板ですが一応“ローズウッド”と言っています。
この妙な節状の杢は何でしょうか?
こんな不思議な杢目のローズウッドを見た事が有りません。
ブラジリアンローズウッドだと杢が出ている材が有るので波打ったような杢を見掛けますが、そんな高尚な物では無い事は言うまでも有りません。
これでもミネラルオイルと蜜蠟で濃色処置をしています。
当初はもの凄く薄い色でした。
ラワンかなんかかな?と思いました。
フレットは擦り合わせをして有ります。
酷い状態だったので全体を結構削りました。
それでも普通の高さなので凄いフレットです。
当然、ナット溝も切り直しました。
ネックのヒール部ですが、勿論継ぎ足しです。
これはもう致し方の無い事で、多分エピフォン等の安ギターも同様かも知れません。
にしても、本当にマホガニーなんでしょうか?
絶対に違うと思います。
それでも昔のグレコの安物とは違い、ちゃんとセットネックです。
勿論、接着面の精度は全く期待出来ません。
カッコ悪いですが、これでもノブはサウンドハウスで買った物に交換して有ります。
元の物は非常識な位の低品質品で見るに堪えない物でした。
このノブはポットシャフトがバカ長くて大きく飛び出していました。
内側にナットを噛ませて高さの調整をしてあります。
それは良しとして、テールピースからのアース線がハンダ付け不良で取れていました。
勿論、良い感じにノイズが発生しました。
ノブとプレートも交換して有ります。
これでも充分カッコ悪い安物ですが、元はもっと凄かったです。
ブリッジとテールピースはそのままですが、ピックガードは交換しました。
エスカッションも確かESPかなんかの物に交換しました。
そしてなんとPUはディマジヲ・スーパーディストーションに交換です。
取り付けネジが∔頭のままなのがやる気の無さを示しています。
勿論、これ用に買った物では無く昔買った中古ギターに乗っていた物です。
廃品利用です。
元のPUは正体不明な物でしたが、勿論音は知れたものです。
一応音は出るぞ、と言う程度です。
セットで千円位の物でしょうか?
それでも現在ジャパンヴィンテージとか呼ばれている昔の日本製ギターに搭載されていたなんちゃってハムバッカーでは無く、
コイルが2個の物でした。
中国よりも酷かった昔の日本製パチ物を有難がる必要は全く有りません。
それにてもスーパーディストーションは恐ろしいPUです。
どんなギターに乗せてもこの音がします。
ギター本体なんか何でもお構いなしの問答無用の力強さです。
一時は猫も杓子もこのPUを搭載していました。
それこそ一世を風靡したPUで、リプレイスメントPUの元祖です。
あの頃はこれで良かったのでしょうが今時これを好む人は少ないです。
標準装備でこれを搭載しているギターを信用してはいけないと言う事を知りました。
このギターはありとあらゆる個所がダメでした。
ネックは反ってるし、フレットのレベルは出ていないし、こんな物をどうやって弾けと言うのだ!と言う状態でした。
弦高は3ミリ位有りましたが、バズを無くす為にはそこまで弦高を上げる必要が有ったのです。
それらの不良個所を直す事で良い勉強になりました。
全ての調整が終わり、普通に弾ける様になったらPUをスーパーディストーションに変更しました。
すると普通にロックギターとして通用する物になりました。
色々と良い教材でしたが、この状態になってからは全く弾く事は有りません。
売る訳には行かないし、このまま保管場所の隅っこでケースに入ったまま眠り続ける事でしょう。
今回は特に役に立たないネタでしたが如何でしょうか?
良い子の皆さんは真似しないでしょうが、私はそれなりに楽しめました。
宜しくお願いします。