先の10月15日に届いて凡その調整が終わり弾き込んで楽しんでいます。

これが非常に良いので嬉しい誤算です。

これ位良いとTrue Historicの立場が危うくなります。

 

第一印象は非常に生音が大きいです。
ネックとボディーの振動が尋常では有りません。
新品の弦は純正のヴィンテージストリングスと言うのだと思いますが、こんなに細い鉄弦のどこにこんなにエネルギーが有るのかと思います。
そして音質はとても乾いた明るい音です。
新品のギターとは思えない音質に驚きます。

春日井方面の某ギターショップの店主様がマーフィーラボのHeavy Aged以上は過去最もバーストに近い音がすると評価されていました。
果たしてそれが正解かは分かりませんが、家にあるTrue Historic Murphy Agedとも違います。
19年と21年のVOSとはもっと違います。

21年のVOSを購入時にMurphy Labは既に有ったので、これだけの差が有るのを知っていたら買わなかったでしょう。

もっとも21年VOSは4.09キロと激重なので単純比較は出来ません。

 

この個体はクリーンの時には綺麗な透明感で、歪ませた時にも音の分離が良くコード感がしっかり出る。
簡単に言えば明るくキラキラした成分を発します。
畑違いですが、例えて言えばマーチンD28とD45の差と言えば伝わるでしょうか?
重くて鳴らないレスポールとは違い高音成分の鈴の様な音が加味されています。

複雑な倍音が絡み合って一言では表現出来ません。

それなのにソリッドボディーとは思えないエアー感が豊富で、そして音が早い、私の求めるレスポールのそれです。
これとは違い丸くて柔らかく、ホワァ~とした音が好みの人も居ます。
それで良いと思います。
でも、そう言うレスポールはいくらでも有るので簡単に買えます。

私的にレスポールは3.8キロを切り、3.7キロ代以下を軽量だと分類しています。
この辺の重量になると少しの差で音の傾向が変わります。
4キロを超えて来ると相対的に100や200グラムの差は大した影響を受けないので重いレスポール族として一括りに出来ます。
それらはトラスロッドや膠接着に因る影響も余り無い様にも感じます。
重いレスポールはどれを買っても大して変わらないと言う事です。

実は販売店側も軽いレスポールが良いのは分かっていますが、それを声高にすると販売上困る事になります。

3.7キロ切りは少ないので公然の秘密になっています。

(仲良くなるとこの辺の事情を教えてくれます)

3.7~3.8キロまでの音はキラキラが減る代わりに中音が少し乗ります。

この個性も好きです。

3.8キロを超えるとキラキラ感は殆ど無くなります。

3.9キロを超えると別の物になります。

木材は軽い程振動しやすいのは誰でも知っている事です。
ギターは弦と言う小さい質量の物が振動するエネルギーを音に変換する楽器です。
エレキギターも木材が振動して発生する音以上は拾いません。
故に、良質な木材への依存度は高いです。
勿論、構造と製作水準も大きく影響します。
それでも同じモデルなら重量で凡その判断が出来ます。
故に、現代では全てのギターに重量表記をして選びやすい様にしています。
重量と音質に何の関連性も無いならそんな事はしませんし、楽器選びの際に重量を気にしない人は皆無だと思います。
故に、そこそこの杢でも軽いと思わず食い付いてしまいます。
今回も重量に惹かれて購入しました。

結論は大正解でした。
持論は間違っていないと確信しました。
でも、この軽量由来の個性を持っているレスポールは全体の5%位だと思います。
探すのはひたすらネット検索に因りますが、これからも軽くて良いトラ杢のレスポールを探し求めて行きます。

 

宜しくお願いします。