神・仏・命・魂
『animation(アニメーション)は、ラテン語で霊魂を意味するanima(アニマ)に由来しており、生命のない動かないものに命を与えて動かすことを意味する』とのことだ。
日本のことわざに『仏作って魂入れず』というのがあり、意味は「せっかく作ったのに、重要なものが欠けていること」だが、由来は「せっかく仏像を制作しても、その仏に魂を入れなくては、ただの木や土や石にすぎない」ということだ。
『鳥獣人物戯画』はアニメではなく漫画のようなものだが、擬人化された動物たちが生き生きと描かれており、今にも動き出しそうな感じを受ける。
これもキャラクターや作品に「魂を入れる、命を吹き込む」ことが出来ているからではないだろうか。
日本という国が「神様」や「仏様」であふれており、『一寸の虫にも五分の魂』という言葉があるように、全てのものに魂が宿っていると考えており、人間のみならず「動物・魚介類」なども供養するし、「人形・針」なども供養する不思議な文化がある。
そういった文化があり、作品に「魂を入れる、命を吹き込む」ことによって人々を感動させるものが出来上がるのだろう。
日本のアニメが賞賛されるのも、そう言った土壌があり、脈々と受け継がれてきたDNAがあったからに違いない。
アニメーションの語源のアニマが日本の文化に合っていたのだ。
放火により、京アニの多く人が犠牲になってしまったが、我々は彼等が「魂を入れ、命を吹き込んだ」作品の中に、彼等の魂を感じてあげることで供養になるのかもしれない。
京アニは再建もすぐには出来ないだろうし、時代もどんどん変わっていくが、これからも「魂の入った、命が吹きこまれた」作品を作り続けて欲しいものだ。