日本通信SIMがネオキャリアになることを知ってる方は多いと思いますが、ネオキャリアになったらユーザーにどのようなメリットがあるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本稿では、筆者が認識しているネオキャリア・フルMVNOがエンドユーザーのにどのようなメリットを解説したいと思います。

筆者は通信面やその技術に関して専門的な知識は持ち合わせていないため、間違っている可能性が十分あることご承知おきください。

 

ネオキャリアとフルMVNOのちがい

 

まず、ネオキャリアとフルMVNOの違いから。
筆者はネオキャリアは音声通話関連も自社でやっているMVNOのこと、フルMVNOはデータ通信関連のみ自社でやっているMVNOのことと認識しています。
現在、日本国内でネオキャリアは存在しません。今まさに日本通信がネオキャリアになろうとしているところです。
一方フルMVNOは丸紅やIIJが該当します。部分的にはBIGLOBEモバイル(タイプA)、今はなきOCN モバイル ONE(データ通信専用)
もフルMVNOです

 

ネオキャリア・フルMVNOのメリット①APN設定が不要になる

現在、iPhoneでMVNO(ライトMVNO)を使う場合APN構成プロファイルのインストールが必要になりますが、APN構成プロファイルは同時に2つ以上適用出来ません。
つまり、iPhoneでは基本的にMVNO×MVNOの組み合わせ(デュアルSIM)運用は出来ませんがネオキャリア・フルMVNOとなると別で、ネオキャリア・フルMVNO×MVNOの組み合わせ(
デュアルSIM)運用が出来るようになります。


実際、既にフルMVNOであるIIJmioのデータeSIMプランとMVNOの組み合わせが可能です。

 

ネオキャリア・フルMVNOのメリット②回線名に通信会社を表示できる

MVNOのSIMを端末に挿しても、端末に表示される回線名は回線提供元のものになります。
たとえば、docomo回線を使うmineoのSIMを挿した場合、端末には「mineo」ではなく「docomo」と表示されます。
しかし、ネオキャリア・フルMVNOになるとその通信会社のものを表示させることが可能となります。

実際に、IIJmioのデータeSIMは「IIJ」丸紅のSIMは「M」と表示されます。

 

これにより、デュアルSIM運用時に自分が今どちらのSIMを使っているのかが分かりやすくなります。

 

ネオキャリア・フルMVNOのメリット③SIMを自社発行できるようになる

物理SIMを選択する際に、SIMカードのデザインを選べるようになる可能性があります。
また、eSIMやiSIMといった新しい技術へのすぐの対応が期待できます。
 
さらに、申し込んでからSIM発送やeSIM準備完了までの時間も短縮されるでしょう。
 
SIMの返却が不要になり、解約時(他社へMNP時)の負担が減る可能性もあります。
 
 

ネオキャリア・フルMVNOのメリット④SIM認証が可能になる

SIMカードによる本人確認・認証が可能になります。
 
具体的なメリットとしてまず、年齢確認が必要なアプリや機能などの利用が簡単になることが考えられます。

次に、ネオキャリアやフルMVNOが提供するサービスの利用が便利になるでしょう。

たとえばネオキャリア・フルMVNOが公共WI-Fiサービスを提供したとします。提供しているネオキャリア・フルMVNOのユーザーであれば会員登録やメールアドレス・パスワードの入力といった面倒な作業をしなくても接続できるでしょう。

 

ネオキャリア・フルMVNOのメリット⑤マルチキャリア接続・海外利用が便利に

ネオキャリアがその気になれば1枚のSIM・同一の電話番号でau回線とdocomo回線など複数キャリア網に接続できるようになります。
通信障害に強くなりますし、通信できるエリアも広まります。

通信障害・エリア対策という意味では副回線サービスが既にありますが、副回線サービスは別にSIMが必要となりますし、電話番号も異なります。
メイン回線でかけ放題に入っていても副回線では適用されませんし、さらに言えば通信速度・通信容量も制限されています。
 
他にも、海外でもデータ通信ができるようになる、国際電話料金がこれまでより安くなることも期待できます。
 
海外と日本の2拠点生活している場合、海外にいる間はSIMカードを停止して月額料金を数百円に、なんてこともできるようになるでしょう。
 

ネオキャリア・フルMVNOのメリット⑥通話料金が安くなる可能性がある

auのスマホを使ってる人がDocomoのスマホを使っている人に電話をかけた場合、auユーザーがauに対してお金を払うのはもちろん、裏ではAuからもDocomoに対してお金が支払われています。
何故かというと、docomoの保有する音声通話の為の設備を使っているためです。
 
ネオキャリアとなり音声通話のための設備をMVNOが保有すると、他社から着信があったときに音声通話設備利用料を受け取れるためそれを見込んで通話料金が安くなる可能性や、同一ネオキャリア同士であれば設備利用料が発生しない(つまりコストが削減できる)ため通話料金割引、家族間通話割引(無料)といったサービスが展開される可能性があります。