長期的な時間軸が失われてきているので | キャリアを支えるおとなの学び

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人間の時間軸というのは、
どんどん短くなってきているように思います。

変化が激しいから、
将来のことは考えられないというのは、
ある意味においては正しいのですが、
そもそも考えようともしなくなってきてしまっている面もあります


たとえば、
自分の孫やひ孫の世代の社会がどうなっているか、
想像するだけでも笑われそうです。

たとえば、
2100年なんて、
想像もできなそうです。


長期的な時間軸で物事を考える力というのは、
失われてきているのかもしれません。

長期的な未来にわたってもそうですが、
長期的な過去にわたってもそうです。



生涯教育の領域では、
ライフストーリーによる学習が挙げられます。

これは、
自分のこれまでの人生の歩みを振り返り、
ストーリーをつくり、
そのストーリーから自分の人生の意味と方向性を認識していくものです。

当然、人生の意味付けが変わるということは、
あり方が変わることであり、
認識変容、行動変容へとつながっていきます。

これまでの人生という長期的スパンでとらえるものになります。


さらには、
ライフヒストリーによる学習もあります。

ライフストーリーとライフヒストリーは似ているので、
混在して用いられる場合もあります。

例えば、
自分の家系図をつくり、
自分の親や祖先の歩みを理解し、
自分の中を流れている血に意味づけをするものがあります。

これは、親や祖父母などにもわたり、
自分の親族が何と向き合い、どのように生きてきたかを理解することで、
自分が取り組むことを理解するというものです。

時間軸はもっと長くなります。



そういう過去における時間軸のとらえ方もあってよいです。

未来を生きる、
ということと対称的でありながら、対として考えたいのは、
過去を生きる、
ということでもあります。


自分のこれまでの過去をしっかり見つめるということもまた、
自分を前進させてくれるものです。

それに囚われることなく、
それを越えていくものとして、過去を位置づけたいですね。


いずれにせよ、
長期的な時間軸をもつことは現代社会の大きな課題でもあります。


以前、
島根県の海士町を訪れた際、
お年寄りの方々の知恵や時間軸の長さに驚かされたものです。

少子高齢化の先をしっかり見据えて、
まちづくりに取り組んでいらっしゃいましたから。


長期的な時間軸をもつには、
お年寄りの方のもっている視点や知恵から学ばされることが多いものです。


お年寄りの方々がおっしゃる、大切なことというのには、
しっかり耳を傾けてつかんでおくとよいと思います。


自分が過去と未来を、どの程度まで含めているのかは、
落ち着いて考えておきたいものです。



<まとめ>

■現代社会においては、時間軸がどんどん短くなっている。
10年先、20年先、子や孫やひ孫の代、2100年などはイメージしにくい。

技術革新とグローバル化によって社会の変化が激しいというのもあるが、
そもそも長期的な時間軸を持つことを放棄してしまっているということもいえるのではないか。

ライフストーリーやライフヒストリーといった長期的な過去に学ぶことも意味があるだろうし、
長く人生を歩んできたお年寄りが抱く時間軸から学ぶということも意味がある。

 

 

 

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