道成寺・・・絵解き説法の寺 | 寺社・お城巡りと野球・ラグビー・サッカー観戦録

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 18きっぷ最後の一回分を使って、和歌山県の道成寺に行ってきました。










 道成寺の所在地は日高川町ですが、最寄駅の紀勢本線道成寺駅は御坊市。少しややこしいですが、市境ならではですね。

 文武天皇勅願所とされてますが、発願したのは文武天皇の后にあたる藤原宮子です。東大寺の大仏で有名な聖武天皇の母親にあたります。


 藤原宮子は当時の権力者・藤原不比等の娘ですが、実の子ではなく養女との説があります。この日高川あたりの出身で、髪の毛がなかなか生えなかったのが、川の中から出てきた観音様に祈り続けると、黒々とした髪の毛が生えはじめたとの事。やがて美しく成長し、天皇に見初められるも、庶民の身分のままというわけにはいかないので、不比等の養女になったということです。そのお礼に建てたのがこの道成寺だということだそうです。


 そして・・・道成寺といえば安珍・清姫の悲しい物語でも有名です。旅の僧・安珍に惚れた清姫が、裏切られたと思った途端に大蛇に化け、安珍を匿われた鐘ごと焼き殺し、自分も身を投げたというお話です。このお話を題材にした絵解き説法を毎日行っており、好きな時間に聴くことができます。私が入った時にちょうど始まっていて、ご住職のユーモアを絡めたお話が楽しかったです。


 境内には安珍塚というのがあります。




 なお道成寺には鐘がありませを。安珍ともども焼かれたのが初代ですが、その後も火災に遭ったり豊臣秀吉に紀州攻めの際強奪されたりと、災難続きだったらしく、「清姫の呪い」も囁かれるようになり、以来作られなかったそうです。

 名物の釣り鐘饅頭を買ってきましたが、じゃばら味が面白そうなので、これにしました。