虎の正しい色は? | 寺社・お城巡りと野球・ラグビー・サッカー観戦録

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 日本人ならほとんどの人が「虎柄=黄色と黒」が常識だと思っているでしょう。信貴山にある大きな張り子の虎も黄色と黒だし、警告表示に使う黄色と黒の縞模様のテープもトラテープなんて言い方しますよね。それから・・・虎を相性に使っているあのプロ野球チームのチームカラーも黄色と黒ですね。


 しかし・・・動物園などで虎を見られた方には「あれ?」って思われた方も少なくないかもしれません。



 よく見ると「黄色」だと思ってた部分はオレンジ色なんです。オレンジと黒・・・つまり「虎」を愛称とするあのプロ野球チームにとって最大のライバルとなるチームの色なんです。

 では何故「黄色」と誤ったイメージが定着したんでしょうか。その理由は定かじゃないらしいですが、少なくとも江戸時代の絵師が描く虎の絵はみな黄色と黒です。当時日本には虎がいなかったため、想像で描くしかなく、例えば外国から持ってきた虎の毛皮を猫に被せて描くなどしてたらしいです。想像で描くものだから、虎の絵と言いながら彪になってしまってる絵などもあります。そうやって想像を膨らましていくうちに「虎=黄色と黒」が定着してしまったんではないかと思います。

 現代においては動物園で虎を見ることができるので、「黄色ではなくオレンジ」に気付く人も多いでしょう。しかし、長年染み付いたイメージが覆ることがないのも事実。例えば阪神タイガースが黄色の部分をオレンジに変えたら、それこそライバルのあの球団の色になってしまうでしょう。トラッキーがオレンジ色になる姿なんて想像できますか?。

 結局のところ間違った印象も長年定着してしまえば真実になってしまうという、最たる例ではないかと思います。実際に実物の虎を目にする機会の多い現代でも「虎=黄色と黒」という印象を覆すことはできないですからね。

 なお写真は先日神戸どうぶつ王国にいるスマトラトラを撮ってきたものです。よく見ると「トラもネコ科なんだな」というのを感じてしまいますね。