FA人的補償の意味って? | 寺社・お城巡りと野球・ラグビー・サッカー観戦録

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 山川穂高選手のFA移籍による人的補償を巡って野球界が騒がしくなっておりますね。当初、和田投手が指名されたとの報道が駆け巡ったものの、当日の球団発表は甲斐野投手。結局最初の報道は誤報だったのでしょうか?。


 いや、恐らく誤報ではなかったのでしょう。近年飛ばし記事の誤報というのは減っており、ある程度しっかり取材した上で和田投手の指名のいう情報を得て記事にしたのは間違いないと思いますね。


 ただ、記事が出た反応を見た結果、トレード等の話が立ち消えになることもまたよくある話で、記事に対する反応があまりにも大きすぎた結果、代替案として用意していた甲斐野投手の獲得に踏み切った可能性もあるのではと思いますね。


 あとは西武側がソフトバンクの孫オーナーに忖度した可能性もネットでは言われてますね。和田投手のプロテクト漏れを知らされていなかった孫オーナーが大激怒し、それをソフトバンク球団フロントが伝え聞いた西武が方針転換をしたというものでしょうか。少なくとも「実は甲斐野投手はプロテクトされていた」説は否定して良いと思いますね。プロテクトされていたらそもそも対象候補にはされてないわけですから。


 同様のケースとしては元中日・岩瀬投手の例が思い浮かびますね。ネットでも「岩瀬式プロテクト」がトレンドになりました。2017年、大野奨太選手の人的補償として日ハムが岩瀬投手を打診したところ、「移籍なら引退」というのをちらつかされて、日ハムが獲得を断念して金銭補償で落ち着いたというものですね。


 いずれにせよ和田投手がプロテクトから漏れた可能性は高く、ソフトバンク球団フロントの資質が問われますね。暗黙のルールはあくまで正式ルールとは違うので、プロテクトから外れた選手であれば誰が指名されても文句は言えません。実際過去にも巨人が長野久義選手や内海哲也投手を持って行かれた例もありますしね。今回のソフトバンクや2017年の中日のような「悪しき前例」がまかり通れば、また同じような例が産まれてしまいます。獲られたくなければプロテクトすれば良いだけの話です(今回の西武にせよ2017年の日ハムにせよ非は全くありません)。


仮に西川龍馬選手を獲得したオリックスがT-岡田選手や安達選手、福田選手などといった精神的支柱とも言えるベテラン選手をプロテクトしていなければ、恐らくそのうちの誰かを持って行かれた気がします。そうなればファンの反発は必至なわけで、その代わりに若手を持って行かれるリスクを負ったのではと思います。


 そもそも、この「人的補償」という制度自体私はおかしな制度だと思います。一人の選手の権利のために、別の選手の権利が阻害される制度ですからね。もっとも人的補償による移籍で開花した例(赤松真人選手や田中正義投手など)もあるので痛し痒しの部分はあるのですがね。


 いずれにせよ今回の騒動に関しては、今後のプロ野球界にとって大きな影を落とすことになるのは間違いなさそうです。山川選手にはまだ民事が解決していないという話もありますし、新たな火種になりかねない案件ですね。