東福寺の開祖・聖一国師円爾とは? | 寺社・お城巡りと野球・ラグビー・サッカー観戦録

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 今年の秋、京都国立博物館で行われた特別展「東福寺」が知るきっかけとなった円爾という僧。聖一国師という称号を朝廷からもらうぐらいの凄い僧なのに、教科書とかでも紹介されていないせいか、あまりよく知らない人の方が多いのではと思います。しかし、実は全国的に有名なものと大きな関わりのある人物だということを知り、興味を持ちました。


①京都屈指の紅葉の名所





 京都屈指の紅葉の名所として知られる東福寺。京都五山の一つにもなっている名刹ですが、この東福寺を開いた人物こそが円爾です。東福寺のネーミングも、奈良の東大寺と興福寺を合わせたぐらいの大寺院にしたいという願いを込めたものです。

②日本一のお茶の郷
 新幹線からお茶畑を見ると「ここは静岡だな」と感じるぐらい、静岡はお茶の産地として有名ですね。川根・掛川・牧の原など、お茶のブランドにも事欠きませんね。
 そんな静岡が日本一のお茶どころになったことにも、円爾は大きく関わっております。中国(当時は南宋)で修行した際に持ち帰ったお茶を、故郷である駿河(今の静岡)で栽培したのが始まりと言われてます。
 なお、円爾が若い頃に修行したとされる久能寺の跡地に建つのが、徳川家康公の遺言によりお墓が建てられた久能山東照宮です。もしかすると家康公は地元の産んだ名僧である円爾をリスペクトして、その修行の地で永遠の眠りにつきたかったのかもしれません。


③博多の夏を熱くするお祭り
 博多に夏を告げる博多祇園山笠。これにも円爾が大きく関わっております。
 円爾が博多に開いたのが承天寺。祇園山笠で有名な櫛田神社から近い場所にあります。博多で疫病が流行した際に、施餓鬼に乗った円爾が疫病退散を祈願しながら水を撒いて回ったのが始まりだそうです。


 京都・静岡・博多を代表するものに大きく関わった円爾。もう少し注目されても良いのではと思います。静岡ゆかりの有名人としてはつい徳川家康と今川義元を連想してしまいますが、聖一国師円爾も決して忘れてはいけない人物です。