「覆面友情物語」
~カックン編~
セバスチャン・ジェット・ロドリゲス・アントノフの四人でライブ活動することになった覆面☆兄弟。
更にパワーアップするために、ギタリストを募集することになった。
何人か候補者や応募者があったものの、俺の中ではある一人の旧友の存在が気になっていた。
俺とジェットとロドリゲスが覆面☆兄弟を組む前にやっていたバンド時代に、よく対バンしていた横浜のロックバンドのギタリスト…
後のカックンだ。
俺は当時、「対バンは敵だ」という考え方だったので、共演者や対バンとは一切口をきかなかった。
同業者と仲良くするつもりもなかった。
でもね、カックンのバンドだけはメチャクチャ仲良くなったんだ。
昔から、あのままの陽気な男だったからね。
何度か一緒にイベントもやったり、セッションしたり、とにかく仲良しなバンドだった。
ある日、カックンのバンドが解散することになり、俺らはその解散ライブに出演することになった。
良いライブだったよ。
当時からカックンの音には魂があった。
そのライブ後、打ち上げの宴会で大騒ぎし、俺もけっこう酔っぱらった。
みんなより一足先に俺が帰ろうとしたら、カックンが店の出口まで見送りに来てくれた。
「いつか必ず一緒に何か面白いことやろう」
その時に、俺たちは約束してたんだ。
約束の夜から数年後、俺はカックンを覆面☆兄弟に入れるために連絡を取った。
「必ずメジャーに連れて行くから、一緒に来ないか?カックンの音が必要なんだ。」
返事は、即オッケーだった。
今ではすっかり俺の相方的な存在になっている。
バンド解散の危機の時、カックンは俺にこう言った。
「俺の気持ちは変わらない!ずっとセバスチャンについて行く!」
いや、ついてくるっつーより…
ずっと俺の隣で一緒に悪ふざけしててくれよ。
そして一緒に、一人でも多くの人を笑顔にしちゃろうぜ!
なぁ、相棒よッ!
ヒザカックンマシン1号に、多かれ少なかれ幸多かれ。