~ ロバート・フジタの一筆コラム~ -11ページ目

~ ロバート・フジタの一筆コラム~

インフィニティ・コンサルタント

~事業成功への架け橋~

事業戦略、経営戦略などご相談下さい



石原氏、猪瀬氏と二代続きの都知事が執念を燃やし続ける2020年オリンピック招致活動が佳境を迎えている。





 

  日本が一歩リードか、と思われていたが、ダークホース的存在としてスペインが急浮上してきた。
 

その背景として上げられているのが、スペインには絶大な権力を誇示していた前IOC会長フアン・アントニオ・・サマランチ氏(故人)の息子、サマランチ・ジュニア氏をはじめ、計3人のIOC委員がいるらしい。1人づつの日本、トルコに比べればこれは相当、優位である。そして、特に注目したいのが、日本では考えられないスペインの国王や皇太子が加わり、水面下のロビー活動で他を圧倒していると言う点であろう。



 

日本側も麻生副総理(次回は安倍首相も参加予定)など動員して名刺配りなどロビー活動に余念がないらしいが、徳川幕府の鎖国政策の影響からか、昔から外交下手でロビー活動と言う概念に乏しい我が国は果たして?・・・招致決定までには100日と無い。


さて、ここで言うロビー活動とは、何ぞや?



調べてみると、こんな内容のようだ・・・特定の主張を持つ個人又は団体が政治家に働きかけて影響を及ぼそうとする活動のことらしい。議会の議員、政府の構成員、公務員などが対象となる。ロビー活動を行う人のことをロビイスト (lobbyist) という。


 

前述のオリンピック招致で例えるならば、特定の主張をもつ個人又は団体と言うのがオリンピック招致を望む、三カ国(日本、スペイン、トルコ各々の招致委員会)であり、政治家がIOCの委員となる。

そして語源は勿論、ホテルの「ロビー」である。オックスフォード英語辞典では、語源について次のように解説している。


ロビー活動は 1869年から 1877年にアメリカ政府を率いたユリシーズ・S・グラント大統領の時代に本格化した。ヘビースモーカーで有名だったグラント大統領は、妻からホワイトハウスで喫煙することをかたく禁止されていた。


 

そこでグラント大統領は、近くにあるウィラード・ホテルに行ってロビーでしばしば葉巻を楽しんだ。彼がこの場所に出没することを知った関係者たちは、ニコチンを吸って上機嫌な大統領への陳情をこの場所で行うようになった。世界で最初のロビー活動はワシントンのウィラード・ホテルで行われた訳だ。




 

 
 

仮にグラント大統領がロビーではなく別の場所で葉巻を吸っていたら、「ロビー活動」ではなく「ストリート活動」や「パーク活動」になっていたかも知れない。そして、不良中高生や団地のホタル族のような「トイレ活動」や「ベランダ活動」にならなくて本当に良かった思う。



日本では、ロビー活動など政治家と企業が癒着してけしからん、というイメージがある。そのせいか、自らロビイストを名乗る人は少ないし、企業もロビー活動に予算を割くという概念が非常に乏しいように思える。しかし、アメリカではロビー活動がたいへん盛んなようだ。韓国や中国ではワシントンやホワイトハウスに蔓延る大物ロビイストが何人もおり、その活動が度々、メディアに取り上げられている。



 

米国Google社やFacebook社では、今年の 1月から 3月にかけての四半期で 250万ドル、340万ドルをロビー活動に使ったという報告がある。その一方、アップルの創業者・スティーブジョブズ氏は生前、ロビー活動にあまり時間とお金を使わない主義だったようで、年間 200万ドル未満に抑えてきた。



 


だからと言うわけではないだろうが、アップルのティムクック CEOが5月に米上院公聴会から喚問をうけることになったことは記憶に新しい。アップル社が租税回避のために 1000億ドルもの資産を海外に逃避しているとは何事だ!とえらくご立腹のようである。



今更のようだが、昔から「リベリア国籍の日本船」というものがあったし、タックス・ヘイヴンの国に資産を移す知恵は誰もが知っている。知っているだけはなく、それを実践している個人や企業も多い筈だ。


 

※「リベリア国籍の日本船」とは【便宜置籍船】とも言われ、船主が船籍を、税金や船員の資格・労働条件などの面で有利な外国に登録している船のことを指す。置籍国はリベリア・パナマ・バハマなどが多く、船主の国籍では米国・ギリシャ・日本などで、船種ではタンカーが圧倒的に多い。



だが、アップルのような世界有数の大企業が露骨にそれを行うと糾弾されてしまう。



   ・・・・ここからは、暫し新聞論調風に・・・・




アップルのCEO ・ティムクック氏(52)は米上院から喚問され公聴会に出席した。海外に資産を移して不当に税金を回避している、という嫌疑である。当然のことながらジョン・マケイン氏をはじめとする議員団はデータをあつめ、クック氏をやりこめる準備を整えて会に臨んだ。





 


まず、上院行政監察小委員会のカール・レビン委員長は、「アップルは米連邦法人税の支払いを逃れるために巨額の利益を海外に移転した疑いがある」と指摘した。そして「 2012年だけでも 90億ドルの法人税支払いを回避した可能性がある」と訴えた。



 

これに対しクック氏は、「アップルは 2012年の連邦政府への法人税納付が現金で約 60億ドルに上る高額納税企業である」と反論。さらに、「 2013年の納税額はこれを上回る規模になる見通しで、アップルは支払うべき税金は 1ドル単位まで正確に支払う」と強調した。



まぁ~、ロビー活動の成せる業なのかは分からないが、世界の大企業は多かれ少なかれアップル社と同じようなこと行っているが、ロビー活動予算の多いGoogle社やFacebook社が何故か糾弾対象からは外れているのも事実だ。



前述のオリンピック招致活動も含め、ロビー活動の重要性を垣間見る事例の一つであろう。






今日はこの辺りでお別れしよう・・・