わたしが小学生の時のことでした。社会の授業を受けていて、先生が教科書を見ながら日本地図の説明をしてくださいました。そのとき、ふと疑問がわいてきました。
一般に地図に描かれている海岸線とは、海がどういう状態のことを指しているのでしょうか。遠浅の場合は、波打ち際が何百メートルも前進したり後退したりすることがあるからです。満潮では島になっているところが、干潮になると陸としてつながってしまうという名所も世界にはいくつかあるようです。小さな縮尺であれば大きな差にはなりませんが、それでも基準があるはずです。そこで質問をしてみると、先生が調べてくださいました。
日本地図を作るには規定があるそうです。水際の線は、潮が満ちている状態を真上から見た形で表示するということでした。また、波は寄せては返すものですが、そのどこでラインを引くのかについてもきいてみました。なるべく穏やかな日を選んで航空写真を撮影し、その中から平均を割り出しているのだそうです。わたしたちがふだん何気なく見えいる地図ですが、そこには製作する人の地道な努力があるのだなと思い、感動したことを覚えています。今でも天気予報をテレビで見たり、旅行の準備をしたりするときなどに、このことをよく思い出しています。