第47回 『ブロンド少女は過激に美しく』 | 勝手にFUKUOKA国際映画祭のブログ

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今回の受賞は…

現在、世界最高齢!

ポルトガルの現役映画監督

マノエル・デ・オリヴェイラ

100歳の時に制作した異色作

『ブロンド少女は過激に美しく』。


監督マノエル・デ・オリヴェイラは

現在103歳という、

その年齢ばかりが注目されるが

その異色の経歴も注目に値する!


1931年(戦前!)に初映画作品を監督し

2作品を制作した後、

30年近く実家の葡萄園を営み…

その後、60歳を過ぎて再び映画を作り始め…

75歳を過ぎてからは毎年1本という

驚異的なペースで映画を作っている!

(なんと!黒澤明よりも年上!)


年齢と経歴ばかりでなく…

実力も素晴らしい!

2007年 カンヌ国際映画祭60周年記念で

制作されたオムニバス映画では

世界的に有名な監督36人の1人に

選ばれている。

(ちなみに日本代表は北野武だった)


さて…

本作『ブロンド少女は過激に美しく』

だが…


タイトルだけ聞くと…

安っぽいアメリカコメディ映画のようだが…

とんでもない!

100歳の監督が作ったとは思えない

挑戦的な作品に仕上がっている。


物語は…

リスボン発の長距離列車から始まる。

見知らぬ婦人と隣あわせたマカリオは

『妻にも友にも言えないような話は、

見知らぬ人に話すべし・・・』と

自分に起きた衝撃的な事件を語り始める。

それは美しいブロンド少女に恋をした話だった。


序盤は…

古典的なラブストーリーの印象を受けるが…

徐々に物語に引き込まれ


最後のオチを見終わった後は…

『え…』という強烈で空虚な感情!


とにかく100歳で

よくこんなオチの映画を作ろうと思うところに

感心してしまう


クリエイティブな仕事をする人にとって

実年齢より感覚年齢が重要だという事を

再認識させられ…

創作意欲が湧いてくる作品!


残念ながらDVDは出ていない。

そのため…気軽に観るチャンスは少ないが…

ミニシアターなどで珠に上映する事もあるので…


是非…観てほしい!


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