まだ現行品が販売されてると思って後回しにしていた↓これをやっと手に入れた。
発売してだいぶ時間が経ってるので、
内容も少し書いちゃうけどご容赦ください。
30thイヤーにMUSICA掲載のインタビューと写真、プラスこの単行本書き下ろしのメンバー単独インタビュー、全アルバムをみやじが語る企画など濃い内容。
私はこの頃のMUSICAは全然読んでないのでとっても新鮮。
JAPANの単行本「風に吹かれて」「明日に向かって走れ」もすごく良かったけれど、
個人的にMUSICA鹿野さんのインタビューの方が性に合うんだよな。
JAPAN山崎さんはどっちかっていうと大自然の野生動物を観察して記録する感じで、
鹿野さんはある程度管理しつつ自由に走らせるサファリパーク的なイメージ(笑)
ちゃんと話の舵取りをして脱線してもきちんと回収してくれるから、
みやじも安心して自分の話に集中できる気がするし、何より読みやすい。
鹿野さんは結構持論や感想をストレートに言うから、
それをキッカケに話が引き出されることも多くて
話しながらどんどんみやじが自分の芯に近づいていくような感じもいい。
印象深いところたくさんありすぎるけど、
4人と鹿野さんの対談はやっぱり面白いな。
みやじはトミのこと頭で考えるタイプじゃなく、
本能的肉体的な人間、ドラマーだと思ってるんだね。
だから言葉じゃなくて音で会話できてるんだなぁ。
「僕はそもそも他人が何を言っているのか本当に全然わからないんですよ。50になってようやくニュアンスとしてわかるようになってきたけど。」
「昔は空気読む、読まないっていう意味もわからなかった」
ていうような話もなんか面白かった。
会話が噛み合ってない場面で、
本当はわかってるけど迎合したくないから
スルーしてるのかな?とか思ってた。
私はこれがロックに映る要素だと思ってたけど、
ナチュラルにわかってなかったんだ?!と
結構これ衝撃というか(笑)
こうまで計算がないとますます好きになるよねぇ。
最近は経験値でわかるようになってきたみたいだけど。
人と関わる上では傷つくこと傷つけちゃうことも多いだろうね。やっぱり。
あとは紅白出場に関しての話がかなりツボで。
「俺って自分でも想像しないようなアクシデントとかいかにも起こしちゃいそうじゃない?わざとじゃないんだけどわざと変なことしちゃったり。自分でもそれが怖いみたいなところもあるんだけど、せっかく自信の歌をみんなの前で歌えるんだからこれは何としてもちゃんと届けたいなと」
という旨の話。「わざとじゃないんだけどわざとやっちゃう」っていうところがらしすぎて笑う。
紅白に関しては本当に素晴らしい経験で楽しかったと微に入り細に入り熱っぽく語る一方、
「ただ、欲を言えばやっぱり今度はちゃんと新曲で出たい」
「あの紅白で"ちょうどいいサイズ感"しか残せなかったんだと思う。今回は30年の歴史っていうものを含めた上での演出だったと思うから、もちろんそれは素晴らしいことなんだけど」
とも言っていた。
この辺りの話は全部書き出したいぐらい響いた。
すっかり浮かれてたのかと思いきや冷静にエレカシの立ち位置を自覚していてさらに先が見えてる。
こういうとこやっぱりさすがだなと思った。
メンバーそれぞれの単独インタビューでは
初めて聞くエピソードもあったり、
それぞれが本当にリスペクトし合ってるのが伝わってくる。
もはや戦友って感じすらする。
石くんってすごく素直そうな印象なんだけど
子供の頃はみんなが笑ってる事でも面白くないと思うと笑えなかった、とか
成ちゃんは国語が好きじゃなかった理由に、いろんな言い回しがあるのに答えがひとつなのが変だ、とか。
私はエレカシは案外みやじが一番常識的で
実はメンバーの方がよっぽど狂気を秘めているのではないかと常々疑っている(笑)
しかしこの本が出た頃はまだソロのソの字も出てないから、これだけを読むとすぐ目の前にエレカシの飛躍がありそうな期待をしてしまうね。
そんなちょっと複雑な気持ちもありつつ、
本の半分を占める岡田さんの写真たちはとにかくめちゃくちゃかっこいいし、
これで3200円はかなり充実してると思います。
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