新幹線の中のドアの前で小さな子が疲れて、僕のカバンに寄りかかっていた。

 母親がもうすぐだから寝ちゃ駄目だよと言っている。でも、子供はうつらうつら。

 ドアが開いて降りると、その子の祖父と祖母とおぼしき人がドアの付近で待っていた。

 子供は眠気はどこへやらと、祖父に飛びついて行った。母が「ジジ」が来てくれたよーと後ろから子供に言っている。

 「ジジ」が孫を見つけたときの顔の変化がたまらなく良かった。眠気を忘れて走って行く子供の後ろ姿もよかった。ちょっとほっとできて、気力をもらえた。

 ここではいつも、こんな風景があるんだろうか。そう思うと贅沢な場所だなー。

 なんでか、「間宮兄弟」の「新幹線は良いなー」という台詞を思い出した。

 そういえば、僕が初めて新幹線に乗ったのは小学生のとき祖父と祖母の三人でだった。

 新幹線の中でアイスばかり食べて、初めて見る富士山に驚いていたのを思い出す。祖父と祖母はそんな僕を見てニコニコしていたと思う。

 「ジジ」の姿に、今年亡くなった自分の祖父の像が重なって見えた。叶わないけど無性にじいちゃんとまた話がしたいなーと思った。

 新幹線に乗って東海道を行ったり来たりする時、必ず富士山を見ようと思うんだけど、なぜかこっちに来てから見れた事がない。かすんでいて見えないのか、見える場所に来たときに寝てしまっているのか。。。

 見れない度に少し残念だと思うんだけど、最近はいいんじゃないかなって思う。昔、祖父と祖母と三人で見れた富士山を覚えているから。

 それに、今、見たらきっと懐かしさよりも寂しさのほうが多いだろうなー。

 でも、やっぱり「新幹線」っていいなー。いろんな場所と想いをつなげちゃいますからねー。