そうだ、ホラーちっくなデジモン小説を書いてみようと思い立って書きました。

作者はホラー嫌いなのでそこまで怖いものではないはず



気が付いたら、そこは白く無機質で殺風景な部屋……病室だった。

部屋に窓はなく、わたしが眠っているベッドだけがぽつんと部屋に置いてあり、家具もない。

照明は小さな豆電球が頼りなさげに薄暗い部屋の中を照らしているのが見えた。

わたしの腕には点滴が打たれていて、わたしは白い入院服を着ていた。

どうしてわたしは入院しているんだろう



入院生活1日目。

目を覚ましたわたしの様子を見に来た先生に色々と診察を受けた。

頭や喉は痛くないか、熱は感じないか、咳は出ていないか、身体は怠さを感じたりしていないか。

一通りチェックが終わり、診察結果は特に異常なしだった。

ならすぐにでも退院出来るのかというと残念ながらそういう訳にはいかないらしく、また症状が悪化する可能性を考慮して暫く状態経過を観察する為、入院を続けることになるらしい。

……入院する前のこと、目を覚ます前のことを何も覚えていない、何故入院しているのかわからない、そう伝えたら先生は何人か人を呼んでカルテを手に話し合いを始めた。

今までにないパターンだとか、もう少し詳しく調べてみる必要があるとか……そんなやり取りが聞こえたような気がするが、尋ねてみても何も教えては貰えなかった。

ただわたしは事故に遭って入院したらしい。

代わりにまた記憶をなくした時の為にと入院している間のことを記録する日記と文字を書くためのペンを貰った。

早速今日のことを日記に記録しておくことにする。



入院生活2日目。

今日も診察があった。結果は異常なし。

先生が身体に異変を感じたり、何か変わったことがあればすぐ知らせるようにと呼び出しボタンを置いて行った。

枕元に置いてあるので仮に起き上がれない状態になっても、腕さえ動けばボタンは押せる。これで何かあっても安心だ。

本当は何もないのが1番なんだけど、どうやら記憶をなくした原因は事故の際に強く頭を打ち付けたことによるものではないかと言われていて、いつまた何か起こってもおかしくはないらしい。

このまま何事もなく退院出来ることを願う。



入院生活3日目。

今日も診察があった。結果は異常なし。

3日目ということでそろそろ入院生活にも慣れてきたというか、寝てばかりいる生活に少し飽きてきた。

何もしなくていいのは楽だけど、することが寝ることしかないので退屈だ。

元々病気を患っている訳でもないし。

早く退院したいな。

そういえば、ここに来てから全くお腹が空かなくなった気がする。

なんでだろ。



入院生活6日目。

入院生活を始めてから明日で1週間を迎える。

わたしの身体には異常はない。

そろそろ退院出来るんじゃないかと思うが、まだ先生の許可は降りない。

退院が無理なら部屋の外に出たいと要望を出してみたが、それも断られた。

入院しているという割には家族や知り合いも会いに来てくれないし、ひどく退屈だ。

……あれ?わたしの、家族はどんな顔をしていたっけ?わたしの……知り合いは何という名前で、どういう関係を築いていたのだっけ?

事故のショックだろうか、記憶が曖昧だ。

少し不安になって先生を呼んだ。




入院生活×日目。

あまりにも退屈過ぎて部屋を出た。

すぐに先生にバレて怒られ、連れ戻されてしまったのであまり探索することは出来なかったけれど、ここに来て初めて見た部屋の外はとても病院とは思えない光景が広がっていた。

あれは、病院というより、どちらかというと研究施設ではないだろうか

先生がわたしを外に出してくれなかったのはこれが理由なのだろうか。

今まで全くと言って良いほど疑問に思わなかったけれど……わたしは本当に事故で入院したのか。

家族や知り合いが見舞いに来てくれないのは、ここが研究施設だからなのではないだろうか。



入院生活××日目。

勝手に外に出たことを咎められ、先生の許可がないと扉が開かなくなってしまった。

窓もないし、まるでわたしをここに閉じ込めているみたいだ。

わたしは何も悪いことをしていないはずなのに。



入院生活×⚪︎日目。

入院し始めてそろそろ2週間が経過しようとしている。

わたしは健康だ、それなのに何故未だに外に出して貰えないのだろう。

いや、そもそもわたしは何故入院しているの



入院生活×△日目。

足にかさぶたが出来ていた。

いやかさぶたにしてはやたらと硬いし、綺麗な赤色をしている……これは、鱗だろうか?

怖くなったので先生に報告した。



入院生活×□日目。

あれから足についている鱗が少しずつ増えている。

先生は原因を調べてくれているけれど、怖くてたまらない。

早く治ると良いな。



入院生活⚪︎×日目。

ついに足の付け根から太腿までが鱗に覆われた。

その先にもぽつりぽつりと鱗が増えている。

いやだ、気持ち悪い。

怖くなって先生を呼んだけれど、原因はまだわからないらしい。



入院生活⚪︎日目。

目を覚ましたら足がなくなっていた。

赤色の鱗に覆われて一部分だけ白い鱗が生えている。

まるで魚の尾びれみたいだ。

自分の足だったはずなのに今はどうやって動かして良いかわからない。

まるで知らない間に自分の身体が別の何かへと作り替えられていっているみたい。

怖い、怖い、先生助けて。



入院生活⚪︎日目

気付けば髪の色が緑色に変化していた。

髪質も変わっている気がする。

おでこには角みたいなものが生えているし、最近腕にも赤い魚のヒレのようなものが生えてきている。

怖い。どんどん自分が自分ではなくなっていくようだ。

先生、早く助けて。



入院生活??日目

せんせい、せんせい、せんせい。

もうからだのはんぶんいじょうがちがういきものになってるの。

てがひれになったからにっきもうまくかけないよ。

いきがくるしいの、りくだとうまくこきゅうができないの。

みずのなかならくるしくないのに。

たすけて、たすけて、たすけて。

ねえせんせい、わたしをたすけて。





観測??日目

被験体Mの完全変異を確認。変異したものは水棲系、メガシードラモン。

検査結果、特に異常なし。

人の言葉は話せなくなっている。人と水の生物では身体の造りが異なっているからか、それとも変異して人の言葉を忘れたか。

人だった頃の記憶は受け継がれていないらしい。

水棲系になった以上、陸での観測もそろそろ終わりだ。

陸の観測レポートを纏めた後、施設にある巨大水槽に放して水中での観測へと移行することにしよう。

その次は被験体Dの観測だ。


被験体Dはプロトタイプの変異実験で唯一生き残った個体であり、今までの観測レポートからもあの“α”に至れる可能性が








・あとがき


はいどーも、お久しぶりです!

最初に書いた通りホラー嫌いな癖にホラーちっくなデジモン小説が書きたくなって書きました。

今回も主人公視点かつ、日記形式でお話が進んでいきます。

日記形式書いたの初めてだけど、こんな感じでいいのかな……


主人公の記憶がなくなった理由は特に考えてないですが、多分実験のショックで失ってしまったんじゃないですかね。

今回もふわっとした世界観なので詳しい設定はありませんが、先生含めた病院(実験施設)の人達は全員グルで主人公は偶々選ばれた不幸な実験体です。

多分両親が揃って外国に出張してるとか、元々居ないとか心配してくれる友達や知り合いも居ない、突然居なくなっても騒ぎにならない子が選ばれたのではないでしょうか。

主人公はこの後どんどん人間だった頃のことを忘れて最終的には完全なデジモン、メガシードラモンになるのでしょう。

主人公が今後元の人の姿に戻れるのか、人間の意識を取り戻せるかはわかりません。


というか最近デジモン化ばかり書いてますね……楽しいけどブログしか見てない方にはそろそろメギドラモンの人以外の認識されてしまいそう。

次はメギドラモンのお話を書きたいところですね。



・登場人物。


わたし

何かの実験施設に連れて行かれてデジモン化の実験体にされた人。

一人称はわたしだが年齢と性別は不明。

先生を信頼していた。

被験体M


先生

多分全ての元凶。

わたしを観測して日記を付けていた人。

実験がひと段落ついたので新しい実験体の観察を行う様子。