今年は9月の大変な日照不足の影響もあり、10月いっぱいは異常なまでの品薄、高値相場で推移しました。この後、12月上旬の松市(大阪は12/6火曜日)、中旬の千両市(大阪は12/17土曜日)、そして20日以降の年末繁忙期と仕入れの不安は募るばかりです。
そこで今回のブログでは、年末の最重要商材の一つ「枝若」についての理解を深めて頂くため、私の社内、社外問わず松の状況に詳しい方々にお話を伺い、簡単にですがまとめてみました。
枝若
生育期間
枝若の生育期間は一般的に4年です。
少し早い3年物や、状態の良くない年を見送って5年物で出荷される事もあります。
5年目以降になると太めで長い良いものも切れますが、葉の状態劣化や、立ち枯れのリスクが高くなるので4年目での出荷が多くなります。
画像は1年目の畑です。(高さ20-30cm位)
画像右奥に少し高くなっているのが2年目、そのさらに奥が3年目の畑となります。
そして下の画像が4年目の畑となります。(高さ120-150cm位)
ほぼ全てが露地作りなので、収穫のタイミングで雨が降れば作業を進めるのが難しくなります。
お客様の手元に届いた枝若に付いた横枝は、その年についた枝です。(4年物なら4年目の枝、5年物なら5年目の枝)軸の部分に枝を払った痕があると思いますが、それを数えて頂ければその松の生育年数が見て取れます。
収穫、掃除、選別作業
畑から収穫された松は大きな倉庫に運ばれ、たくさんのパートさんたちの手で1本1本丁寧に掃除されます。(エアーである程度葉を飛ばしてしまうところもあるらしいです。)
畑から、収穫するためのトラクターです。1シーズンで刈り取る刃を3回も取り替えるそうです。
収穫後束ねて置いてある状態です。
画像右は収穫したばかりの松、左が掃除・選別した後の松です。
作業場の風景です。
たくさんのパートさんたちが
広い倉庫のような作業場で
小さい作業場で
畑の横の屋外で、
ベルトコンベアーを使って、
掃除し余分な古い枝や葉を払い、一本づつ姿を整えていきます。
そして、選別作業へ
産地によって差はありますが松の選別基準は
①全体の長さ
②軸の太さ
③葉の部分と軸の部分のバランス
④葉の状態(色、葉の長さ、葉のしまり)
⑤枝の状態(アゴの強さ、枝の出方にバラツキがないか)
※アゴとは枝の付け根の事です
などです。このすべてをクリアしたものが市場に出荷され、クリアできなかったものは規格外品や下等級となります。
選別が終わり束ねられた松は頭を揃えて
PPバンドでしっかりと結束して
足元を切り揃えて
出荷まで保存されます
出荷まで
以上、ご覧いただいた通り枝若松は収穫から選別までほとんどが手作業で、非常に手間と時間が掛かる商材です、さらに上位商品も下位商品もその手間は同じです。
11月初旬頃に収穫し、ほとんどの生産者さんは松の後に千両の出荷が控えていますので、11月20日~25日頃までが準備作業のタイムリミットとなり、その約20日間に人手を確保するのが難しい状況になっている事、作業人員の高齢化が進んでいる事などが懸念されています。
さらに同じ手間がかかる上位商品と下位商品ですが、出荷バランスと需要が少しずれてきているのも問題の一つです、
産地さんもこの事を良く理解しながら、今年も手間を掛け、気持ちのこもった松が出荷されます。
FCONでは細かくしっかりと選別された、使いやすく無駄のない商品のご提案をさせて頂きますので、今年も是非たくさんのご注文よろしくお願い申し上げます。
<m(__)m>
F・CON(株)大阪鶴見花き取引機構
山本 和義
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