震災にあったその当日、私の自宅のドアは開きませんでした。
でも、その隣の私のサロンのドアは開いたのです。
私はサロンの中に入り込んで、サロンの中にあるアロマオイルを全て持ち出しました。
タロットカードと手相を観る虫眼鏡と・・・と私がそんな時に持ち出したその物だけが本当に必要な物だったのかもしれません。
その持ち出した次の日、ドアが開かなくなりました。
サロンは傾いて、ウッドデッキとぶつかって開かなくなってしまったのです。
外から見えても何も問題無く、壊れた物も無さそうなのに、ただ、扉が開かない・・・。
ただ、それだけで中に入れないどころか、仕事が出来ない・・・。
水道も止まって電気も通らず、ガスも使えず、余震も続いていて、私は暫く車中泊していました。
相方が家の中から布団を持ち出してくれて寝床を作ってくれたのです。
親子三人して眠るにはちょっと狭かったけれど、私達は寄り添って眠りました。
日の出と共に起き、日の入りと共に眠る・・・そんな日々が続きました。
相方はお店を営んでいるのでその店の片づけを手伝いながら店の中で過ごし、通りを歩く人々を横目に見ながら毎日が過ぎて行きました。
そういう意味でも、相方のお店が壊れずにそこに立っていた事も本当に私には恵まれていたと思います。
自分達には一体何が出来るのだろう・・・そんな事を考えた時、困っている人々に自分達が持っている能力を活かす事をしようと相方は店頭でお弁当を売り始めました。
未だ、電気も通っていなかったけれど、それでも相方は何かをしようと、動かずには居られなかったのだと思います。
そういう私は、自分を見詰め直す良い時間になっていました。
何も出来ないけれど・・・お世話になっているんだし、何もしないでお店に居るんだし、まぁ店番位出来るかな、とか、どうせ居るんだから、話し相手位出来るかな、とか、それが進むとお会計位出来るかな・・・等と少しずつのお手伝いが始まってしまいました。
薬膳の勉強もしていてちょっとかじっているので、ある意味、乗せられてしまった・・・とでも言うのでしょうか・・・。
そんなこんなで人も足りないので、相方の手伝いをしながら今日に至ります。
何だかんだ言っても助け合うって大切です。
気分的には、魔女の宅急便のキキ気分(笑)
先月末にやっと業者さんが来てくれて扉が開いて今月から自分の仕事も再開しましたが、相方の事も放っておけません。
そんなこんなで私にとっても新しい生活が始まっています。