シーズンがあらかた終わりましたので、シェルバコワ選手の一年の全試合の振り返りを簡単にですがしてみました。
シェルバコワの今シーズンの全ての大会動画を整理しましたので、あの時の演技が見たい！などありましたら是非このページに立ち寄って探して頂ければと思います。プロトコルに関してもそのうち整理する予定です。
また、シェルバコワ選手について知りたいという方のためにプロフィールも用意したので是非ご覧ください。(来てくださる方そんなにいらっしゃらないと思うけど←)
《プロフィール》
注)「シェルバコワ」を「シチェルバコワ」と読む方もいる。”Щ”をアルファベット表記すると”shch”であり、それゆえかつては「シチ」と発音されていた。しかし最近はよりネイティヴな発音に近づけるために「シ」と発音することが多い。ロシア語習得者でも人によって発音が異なるが、どちらで発音しても問題はないだろう。
所属:サンボ70 クリスタル
コーチ:エテリ・トゥトベリーゼ、セルゲイ・ドゥダコフ、ダニイル・グレイヘンガウス(兼振付師)
生年月日: 2004年3月28日(岩野桃亜選手らと同世代)
演技的特徴:ジャンプはSP後半3ジャンプ、FS後半7ジャンプ。タノやタケノコの頻度はエテリ門下の中では控えめ。セカンド3Loを試合で使えたり、練習では4回転も着氷。指先まで神経の入った手の使い方、目線の使い方が上手い。「幽玄」を感じる演技。ツイッターのある方の言葉を借りれば、狂気的な「無垢な少女性」。これを13歳の少女が表現するのだから恐ろしい笑。
使用曲
SP:「インカンテーション」より『シクリアダス』
音源:
FS:「シークレットガーデン」より『ドリームキャッチャー』
音源:
《今シーズン全大会の振り返り・時系列順》
SP
(メモ)
昨シーズンからの継続プロ。前半に3Lz-3Tと3Loは昨シーズンと変わらず。3Loタケノコ化に着手。FCSpの入りで乱れ。昨シーズンよりも一歩の伸びが大きくなった印象。
FS
(メモ)
神プロ「ドリームキャッチャー」の初披露。スピンの軸がトラベリングしがちかな？StSqはちょっと音に早かったか。後半7ジャンプに挑戦するも3Lz-3Tが前半扱いに。3Loはエテリ門下でもチェンジエッジスリーの入りではなくくるくるスリー。実は3Lzのエッジは2本ともアテンション。まだ荒っぽさが目立つ演技でした。
ロシアカップ第1戦
SP
(メモ)
画面遠いからw サマラも公式カメラ入りませんかねw 前半2ジャンプとしては最後になるかな？ツイで後半3ジャンプにすればいいのになんて呟いた記憶が。StSqが後半に配置されているのでターンの踏みが忙しい。
FS
(メモ)
別の方が上げていたこの動画、実は削除されてたんですが、運良く捕獲していたので自分でUPし直しました(限定公開設定にしているのでURL拡散は非推奨です)。
１回目の神演技。スピンのぶれなども修正。セカンド3Tタケノコ化実装。単独3Lz前のバックスパイラルが音にマッチしていて、私の中ではこのプロのお気に入りポイントの一つです。この演技でロシアオタの間で大きく話題に。
ロシアカップ第3戦
SP
(メモ)
前回から１ヶ月半開いた。この間プロを再編し後半3ジャンプ構成に。FCSp前のバックスパイラルは良い振付。StSqが音楽的にはゆっくりな部分に入ってきたのでターンが踏みやすくなったかも。ジャンプ前のスピードが一段と速くなった。
FS
(メモ)
公式動画が音ズレを起こした所為で動画編集する羽目に。youtube初UPのきっかけとも言えますが笑
StSqでトランジッションを増やす。パワーがつき一歩のスピードが増したために音より速くずれるようになったからその埋め合わせではないか。3Fをタノ化、2A-3T後のキャッチフットを外す。ちょっとプロに手を加えすぎた感があり、音ハメが個人的には微妙、よって私の中では神演技ではない(異論は認める)。
メモリアル・ボルコワ
SP
(メモ)
StSqでしゃがんでカクンカクンの振付がなくなった(次回復活)。単独ジャンプは3F、もちろんタノ付き。前回より更にスピードが増したと思う。
FS
FS
(メモ)
StSqの振付を元に戻す。シーズン初のミス(2A-3Tfall)。ラストジャンプ2A後のカウンターからのアラベスクをなくしカウンターのみに。シーズン最後のキャンドルスピン、回転速度が安定していて素晴らしい。ミスが響き同門のトゥルソワに総合点で敗北。
EX
(メモ)
ノービスなのにちゃっかりエキシとかありました。演目はフリーのドリームキャッチャー。素晴らしい演技でフリーの失敗からリベンジしたい。
x3Lzﾀﾉ-3T-3T
x3Fﾀﾉ-3T
x2A-3T
x3Lo
x3S
x3Lzﾀﾉ-3T
x2A-3T
リベンジですか…お…おう……
2016年はこれにて終了。2017年2月のロシアジュニア選手権に向けて準備していたところだったのですが…
2017年1月半ば、オフでプールに行った時に誤って転落し右腕を骨折、ロシアジュニア選手権に出場出来なくなった。JGP派遣選考も兼ねる大事な大会、これで派遣に一歩出遅れた。
ロシアカップファイナル
SP
(メモ)
怪我からの復帰戦。調整不足か、まだ完治していなかったのか、FCSpのバタフライでまさかの転倒。演技全体も伸びやかさがなく、明らかに本調子ではなかった。
FS
(メモ)
最初のCCoSpでトウを引っかけて入れず。ジャンプも3Lzで軸が危なかった上にアテンション、2A-3Tsoや単独2A前傾など彼女らしくないミスが目立った。挙げ句の果てに3Loを跳び忘れる痛恨のミス。総合8位に終わり、JGP派遣選考第2戦であるこの大会でもアピールすることができなかった。
ちなみにこの大会以降SP,FS共にキャンドルスピンから普通のビールマンに。
この一週間後、JGP派遣選考第3戦(最終戦)となるArticle Taken モスクワ予選に出場予定だったが、交通渋滞により出番に間に合わず棄権。自動的に全国大会出場を逃し、JGP派遣は絶望的とまで思われた。
全露ノービス選手権 本選
SP
(メモ)
出られないと思っていたが、前年度優勝者枠だろうか？ あれから約2週間、だいぶ調子を戻してきた。StSqでの音ハメがこの上なく気持ち良い。着氷もかなり伸びるようになった。FCSpのバタフライはまだ危なっかしそう。ちなみに私の中では音ハメ的に一番の神演技。
FS
(メモ)
フリー２度目の神演技。ほとんど好調時に戻してきた。2A-3Tは３試合振りの成功だが、キャッチフットをやめた模様。3Lz前のスパイラルが音に揃ったのが嬉しい。2A前のカウンターアラベスク復活。この大会でタラカノワに次いで２位。直接JGP派遣に影響する大会ではないが、シェルバコワここにありと意地を見せつけた。
SP
(メモ)
2年間滑ってきた「シクリアダス」プロともこれでお別れ(多分)。最後に相応しい素晴らしい演技。こちらのプロも多くのスケオタに愛されてきた。名残惜しいが、来季また素晴らしい曲に出会えることを信じたい。
FS
(メモ)
神演技の中の神演技。13歳の少女とは思えない。この大会限定のChSqも音とのマッチングが素晴らしかったし、その後初めて試合に投入した3Lz-3Loの質もものすごく良かった。とにかく書ききれないので詳しくはこちらの記事をご覧ください。後半7ジャンプなのにウェルバランスの不安定さを全く感じさせない。スケートファンなら一度は見るべき名演技。
4T着氷映像
シーズン終了直後の4月22日、シェルバコワが4Tを回りきって着氷しました(ステップアウト)。13歳で4回転を回りきる選手は男子でも殆どいないでしょう。身体能力の高さが伺えます。怪我には是非注意して。
4T-3T成功映像
更に4月25日、4T-3Tのコンビネーションジャンプに成功。回転は回りきってますし、スリーターンからの入りなのでGOEもしっかりもらえる出来栄えだと思います。ツイッターでもご紹介しましたが、入り方が羽生選手そっくりです。恐らくエテリん&ドゥダコフがシェルバコワに4Tを習得させる上で大きな研究材料にしたと思われます。同日、同門のトゥルソワ選手の4S-3T映像も確認されており、エテリ組のさらなる進化が見てとれます。
Barbarossa@friedrich_hohen
シェルバコワの4T映像を見て思ったのが、スリー→踏みかえ→離氷のタイミングやその間の上体の使い方があの人にかなり似てるんじゃないかと思って並べてみたらやはり…！！(いやたまたまかもしれないけど)エテリ門下は世界中の選手から多くの… https://t.co/oVG4N36e8a
2017年04月25日 18:08
《まとめ》
シーズンを通し、苦手だったエレメンツを少しずつ克服していきました。また、特にシーズン終盤の3月から4月にかけて表現力が大幅に上手になったと思います。3Lz-3Lo、更には4回転の大技にも積極的に取り組み、3Lz-3Loに関しては試合で成功させる完成度にまで持ってきました。一時はJGP派遣もどうなることかと思いましたが、何とかなりそうです。ただ不注意による怪我や大会棄権などがあり、自己管理の甘さが出たのはちょっとまずかったですね。今後は注意する必要があるでしょう。
来季JGPに出場し、一気にJGPF表彰台まで駆け上がると予想されます。是非素晴らしい活躍を期待したいです！
《おまけ》
シェルバコワMAD
製作者:スタニスラフ・シェルバコフさん(父)
シクリアダス編
ドリームキャッチャー編
※お父様がシェルバコワの誕生日プレゼントとして毎年作っていらっしゃるようです。かなりのハイクオリティなので是非ご覧ください笑