3月20日

ついにジャカルタから日本へ飛び立つ日がやってきた。

この日は昼間に教育省を訪問し
そのあとしばしの自由時間(荷造り)
そして夜のフライトで成田へ向かう。


もうこの日は朝から軽く緊張していた。

教育省訪問はどうでもいい。
日本に帰るからだ。
日本への期待と不安が入りまじる。



そしてインドネシアを離れたくないなぁと思ってしまう。
その原因は仲間たち


インドネシアの教育現場ではたらきたいなんて気持ちは1mmもない
というか、どう頼まれたって絶対嫌。

私立校ならば話は変わるのかもしれないが、
公立校および公務員のダメさ加減は
毎日嫌というほど目にしてきたのだ。


でも、協力隊の仲間たちとは離れるのが寂しい

こんな人間関係は日本にいてもなかなか作れるものではない。
全国から様々な職種、経験をもった人間が集まり
ともに笑い、ときに苦しんできた。
単なる友達とは違うのだ。

別れ惜しい。


つい10日ほど前までは
純粋に帰国に対してウキウキしていたので、
「寂しい」という感情が出てきたことに我ながら驚く。

でも、こういう感情が生まれてきて嬉しい。
自分にはそういう素敵な環境があったことの証明だ。

インドネシア生活、なかなか良かったじゃないか。


寂しかったが悲しくはならなかった。
これもまた良い。
自分がこれをひとつのステージの終わりとして捉えているだけで
すでに次のステージを見ている、
これからやりたいことにギラギラした期待を
もっているからだろう。


寂しさ、満足感、ワクワク感、不安が混じっていた。
こういう複雑な感覚を味わえるだけでも幸せ者だ。


帰りの飛行機は、深夜便にも関わらず
なかなか眠れず映画を2本も見てしまった。


機体右側窓際の席になったときから
「これは最後に素敵なご褒美があるかも」と期待していた。



そしてそれは期待を裏切らず、最高のショーとなった。

北に向かう便の右は日の出方向、
そして夜明けの時間を上空10000mで迎えた。


暗闇から浮かび上がる地平線

地上からでは絶対に見れないグラデーションを見せてくれた




地球と宇宙の中間

日本とインドネシアの中間

昼と夜の中間



「協力隊時代」という人生のページが終わり

次のステージへ自分が進んでいくのは実感するには

十分すぎる演出だった。


自分は人にだけ感謝しているだけでは全然足りないんだな。

地球にも感謝。