第二十三話 「環の無自覚な憂鬱」
先週、ハルヒの下着姿を見てしまった笠野田君に双子が迫る。

「見~た~な~」
双子に詰め寄られても、あくまで見たけど見ていないと
言い張る笠野田君にさらにブラックハニー先輩の追撃。
「ハッキリしない男って、僕、クズだと思う。」
一方環はハルヒの下着姿を笠野田君が見たと知って、すっかり
魂が抜けてしまっていた。怒り心頭の双子だったが、
結局は鏡夜先輩の言うとおり、まずは『話し合い』をすることに。

・・・と言っても内容は、鳳家のプライベートポリスを
利用しての、半ば脅迫と変わりないものでしたが。
さすが黒いよ鏡夜先輩。ブラックスマイル炸裂。



「ちょっと、カサノバ君脅すのやめて下さい。」
すっかり怯えて青くなっていた笠野田君の前にやって来たのは
当の張本人ハルヒ。ハルヒの登場で今度は顔を赤らめる笠野田君。
「ありゃりゃ~、ボサノバっち。」
「女と知ってハルヒに惚れたか~?」
双子のその言葉に過敏に反応したのは環だった。
音を立てて殿の何かが崩れ去っていく・・・。


そして笠野田家。その日の夜、笠野田君は食事を口にして
いないようだった。自分達の気持ちが若に伝わったと
思って、すっかりお祝いムードだった舎弟たちだが、
帰ってきた若はなぜか意気消沈・・・舎弟たちは動揺する。
「若をお慕いする俺やみんなの気持ちが通じたのは
確かだと思いますよ。ただ今日、学校で新たな
悩みができたんじゃねぇすかね・・・?」
その証拠に部屋にこもった笠野田君は一人花占いを
していたのだ。
しかし肝心の若の恋の相手が男だと
思っている周りの人間は大騒ぎ。一方笠野田君も一人悶々・・・
男と偽り女がホストをしているなんて
きっと余程の事情があるに決まってると思い込み、
一人ハルヒの秘密を守ることを強く誓うのであった。


翌日、ホスト部営業中。笠野田君はその扉を開けた。
「・・・ふ、藤岡を指名したい。」
早速敏感にホモホモオーラを察知して登場したれんげちゃん。
「ついに現れたの・・・本物が!!」
いつの間にか腐女子の教祖となってるれんげちゃん。
いつもなら自分の視線で凍りつく人間が、
今日は熱い視線で自分を見ていることに焦る笠野田君。



そんな事とは露知らず、普段の態度で接客に応じるハルヒ。
その光景を見てカリカリする双子だが、
鏡夜先輩はお客ならと構わないと応じようとしない・・・
それに腐女子効果でお客が倍増しているとか何とか。



双子は軽井沢での失敗のために様子見、
肝心の環もすっかりロボット化してしまい役立たず。
すっかり見かねてしびれをきらした光は殿に電話。
「いーい、よく考えてみてよ?もしこのまま放っておいて
ボサノバっちにハルヒをかっさらわれでもしたら
ハルヒの行く末は姐さんなんだよ?」

その言葉を聞いてハルヒの姐さん姿を想像した環は立ち上がる。
「だ・・・・・ダメだ!!」




「お父さんは反対だぁーーーー!!!」
こんなことをしているよりも舎弟と
青春すればよいだろうと笠野田君に詰め寄る環。
「それでもハルヒとお近づきになりたいというなら・・・
父であるこの俺を倒してからにしてもらおうか!?」

それに対して環が藤岡の父なのか?母親と関係あるのか?
と当然のツッコミを返してくる笠野田君。
うろたえた環は早くも敗北し・・・自分が厳密には
ハルヒの父であるはずがないと改めて自覚してしまう。



「整理が必要だ・・・仮に俺がハルヒのお父さんじゃないと
仮定するならば・・・・ハルヒのこと、こんなにも
可愛く愛おしいと思うのは何なのだろう?」

お父さんじゃなかったら、邪魔する権利はないはず・・・。
今までお嫁さん妄想したり、キスを止めたり・・・
それはずっと父親として当たり前の事だと思い込んでいた環。
嫌な予感を察知して顔を引きつらせる馨。



「あのさ、殿。今のままの僕らの関係を
崩したくないんだって思ってたんじゃないの・・・?
家族設定ってそのための予防線じゃなかったの・・・?」
「?・・・意味が分からん。」
「アホだ!・・・・この人無自覚だ!!」
馨の環魔法使い設定崩れ去ったり!
鏡夜からも呆れられる始末の環のバカっぷり。
「馨、さっきの予防線って・・・何のこと?」
「いや、僕の仮説だったんだけどさ・・・ハズレならいいんだ・・・」




一方、笠野田君とハルヒはまたもやよい雰囲気。
すっかり気持ちが高まって制御しきれなくなっていく笠野田君。

「俺っ、藤岡のことが・・・藤岡のことが・・・」
いよいよ告白かっ!?と思い、周りの空気は緊迫していくが
告白する前にハルヒに友達と言い切られ笠野田君は
固まってしまう・・・盥を受けながらショックを受ける笠野田君。
そうだ、男を演じている藤岡が男から好かれても迷惑なだけ!
それなら俺が藤岡のためにしてやれることは・・・


「ずっと友達だ!俺達は・・・なっ!?」
「うんっ!」
男らしくハルヒを吹っ切り友情宣言をする
笠野田君に一同は感動し大歓声。そして笠野田君は
失恋の代わりに友情という素晴らしいものを手に入れるのであった。
その裏で一安心する環と部員達。
「ボサノバ君の気持ちを考えると・・・ちょっと胸が痛む。」
「それはおかしいな・・・お前はお父さんなんだろう?
男として彼への共感で胸を痛ませる理由などないはずだが?」
それでも環にはまだ胸の痛みの理由が思い浮かばなかった。



後日、新たな友情を得て皆と缶蹴りを楽しむ笠野田君。
その顔からは悲壮感は感じられず希望に満ち溢れていた。
隠れる場所へ求めて殿とハルヒがやって来たのはいつかの
薔薇迷路。結局は鏡夜と双子に見つかり、5人で隠れることに。


一方ハニー先輩とモリ先輩は木の上に隠れながら話していた。
「ヒカちゃんは発展途上型の無自覚さんだけど、
タマちゃんは明らかにハルちゃんが好きなのに、
自分じゃ分かってない、超鈍感さんでいいのかな。」
「・・・ああ。」
「問題はカオちゃんとキョウちゃんだね。僕はこの二人にも
タマちゃんと同じ無自覚さんが隠れてると思うけど、
この調子で僕らが卒業するまでに少しは進展するのかな?」
「・・・さぁな。」

ほんの少しだけの変化を得ながら、またいつもの時間は流れていく・・・
ハルヒの姐さん姿かっこいい★
私は結構好きですよ。
あの、姐さん姿のハルヒが。
あと、ロボット化した環可愛かった。
最高だよ殿★
馨・・・可哀想に・・・。
殿がお馬鹿だからね・・・。
はははは。