おそらく、「おおきなかぶ」と言われて、一番初めに頭に思い描くのは、
この絵本ではないでしょうか?
それくらいに有名な、基本中の基本の絵本です。
物語のある絵本として初めに読んだり、
絵本から遊びに発展させるのに、
これほど適した絵本は、なかなかないのでは・・・と思うくらい、
素晴らしい絵本ですね。
ある面では、
おじいさんが抜けなかったかぶを、
犬や猫やネズミが増えたくらいで抜けるものか・・・
という皮肉な見方もありますが、
教育的指導から言えば、
どんなに小さな力でも、
みんなで力を合わせれば、
どんな困難にも立ち向かえる・・・
という見方もありますね。
こんな書き方をしてしまいましたが、
私は、この絵本が純粋に好きですね。
うんとこしょ、どっこいしょ
まだまだかぶは ぬけません
何度、このセリフをつぶやいたでしょう。
家族ももちろん大好きです。
まねっこして遊んだりもしました。
(子どもたちを起こすときなど・・・笑)
おぼまことさんの可愛らしい絵が、
また違った優しい印象を与えます。
なんだかペープサートにしてもおかしくないような絵ですね。
文章は、内田さんと違います。
それひけ よいこらしょ!
やれひけ どっこいしょ!
どうにもかぶは ぬけません。
昔話のような語り口です。
(いえ、もともとが民話ですけどね・・・笑)
ただ、言い回しが違うだけで、
お話はほとんど一緒です。
「おおきなかぶ 」
トルストイ/原作
田島征三/作絵
ミキハウス 1988年
これは、田島征三さんの迫力のある絵が印象的です。
画面いっぱいに広がる力強い絵が、
かぶの大きさをうなずかせます。
お話は、なんとここには、それぞれの名前が登場します。
おじいさん=イヴァンじいさん
おばあさん=オリガばあさん
まご=ナタシャ
犬と猫とネズミは名前がありませんでした。
そして、掛け声も違います。
ハラヨー エンコーラヤーショ
ソラヨー エンコラショー
・・・日本語のような感じがするのですが?
「おおきな おおきな おおきなかぶ」
ヘレン・オクセンバリー/絵
アレクセイ・トルストイ/文
こぐま社編集部/訳
こぐま社 1991年
私の大好きな(笑)オクセンバリーの絵本です。
がらっと印象が変わりますね。
こじゃれた感じで、現代っぽく感じます。
おじいさんはひょろっとして頼りなく、
確かにこれなら「おおきなかぶ」はひっこぬけそうにありません(笑)。
しかし、おばあさんはとても大柄。
まごは、とても可愛らしく、力をだしているようには見えません(失礼!)。
ひっぱっている絵が、様々な角度から描かれていて面白いです。
そして、文章は・・・というと、
一人、応援が増えるごとに、言葉も増えていく形で、
ひっぱって、ひっぱりました。
もいちど、ひっぱって ひっぱりました。
それでも、かぶは ぬけません。
なので、最後はかなり ひっぱって という言葉を繰り返します。
知っている方も多いと思いますが、
ニーアム・シャーキー版です。
1999年にマザーグース賞を受賞しています。
これこそ現代的な新しい「おおきなかぶ」ですね。
私は、この画家の作品は先に「ジャックと豆の木」を読んでいて、
変わった世界観に驚きましたね。
なんだかSFのよう。
正直、うちの子どもたちにはピンとこなかったようです。
次女なんて、「違うよ、これ」なんて言い出しました(笑)。
お話が今までと違って長くなり、
色んな動物がたくさんでてきてひっぱるからかもしれません。
かぶがかぶに見えていないのかもしれません。
壮大すぎて追いつけていないのかも(笑)。
擬音だとか比喩の言葉などが、
現代に即しているので、理解はしやすいです。
ピンとこなかった中でも、
ばひょ~んんん!
とかぶが抜けて、地面にほおりだされた動物達の様子は、
とても面白かった様子です。
これは繰り返していましたからね。
まだまだあると思うのですが、
私がいままで読んだ「おおきなかぶ」は以上です。
どれだけ読んでも、結局は最初の内田/佐藤組の「おおなかぶ」がお気に入り。